第18話 【パルス】 忠実な番犬 その2

空き教室に先に入った村上は、次々とカーテンを閉めて回ると真ん中の席に着いた。


 日が傾いた教室は一層薄暗くなり濃い影を落としている。




 俺は村上が座った席の前を陣取って、村上の表情から何かを読み取ろうと試みたが、能面の様に表情が抜け落ちていて何もわからなかった。


 一体何が始まろうとしているのやら。ついて来いと言われたのだから、こちらが焦る必要は無いのだけれど、珍しくも無い教室に視線が定まらい。




「それじゃあ、出席番号順に話すよ。」


「何を?」


「阿部美幸は、私が罵倒されている間も、何をされている時も、ずっと私を見ている。目が合っても目をそらさないで、ずっと見ている。気持ちが悪い。私の事も罵倒している人も馬鹿だと思っているけど、何もしないし、何も言わない。コロセウムの戦いを見ている貴族みたいに私達を見てる。だけど貴族じゃないから何も出来ない。」


「ん?」


何が始まった?




「飯田沙織はわたしの事を気の毒がっているけど、関わりたくないから、その場に居る何人かの手を取って『怖い、怖い!』って走って逃げていく。わざと足音を立てて逃げていくのよ。たぶん彼女なりの抗議だと思う。」


「待て、待て!出席番号順ってそういう意味な?今から全員分話す気か?」


「そうだよ。知りたいんでしょ?」


 中村は例の真っ直ぐな眼差しをビーム光線の様に俺に向けた。要は聞く覚悟がお前に有るのかと問うているのだ。


 ここで正解すれば、村上圭の信用を揺ぎ無いものに出来るのではないか?


 主君に対する騎士の誓いの様に魂の結びつきを感じてくれるかもしれない。




 俺は慌ててノートを取り出すと、向き直り、あいうえお順にクラスメイトの名前を書いた後、スマートフォンの録音ボタンを押した。村上はそれに対して何も言わなかった。


 俺がメモを取ると、書くスピードに合わせて話すスピードを調整さえしてくれた。


 村上は今しがたの出来事の様に詳細に話したが、口調はまるで歴史の教科書に出て来る応仁の乱の説明をするようだった。




 俺はノートにペンを走らせている間、気味が悪すぎて村上の顔を見る事が出来なかったが、さっきの表情の意味がわかった様な気がした。ペンを握る手が汗ばんでくる。




 閻魔帳だ。




 これを閻魔帳と言わずして何という?


 出来上がった閻魔帳を、じっとノートを見ていると村上が「佐々木は、ここに来たばかりだから知らないだろうけど、ここは世界が狭いんだよ。私達に関わらない方がいいよ。」と、馬鹿三人共と同じことを言った。本当に気味が悪い。


「それ、流行ってんの?」


「・・・。流行ってるって何が?」


「馬鹿三人と同じことを言うからさ。流行ってんのかと思って。」


 村上は少しむっとしたようだったけれど、すぐにまた表情が無くなって「でも、真実だよ。」と、呟いた。


真実ね・・・。




 村上は何を思ったのか鞄から、黒い表紙の本を取り出すと、それを閻魔帳の上に置いて「これを読んだら、もう私に話しかけない方がいい。」と言って教室を出て行った。




 薄暗い教室に一人残されて、閻魔帳の上の黒い本を眺めた。なんだか一層と闇が濃くなった様な気がする。


 背表紙に金の型押しで宗教団体の名が書いてある。


 これは村上の親が入信している宗教団体の本だ。


 何故こんな物を持ち歩いているのだろう?いつも肌身離さず大事にしていたのだろうか?


 しかし、あっさり俺に渡して行くのだから、無くなって困るという事も無いように思う。


 パラパラとページをめくると紙の端が指に馴染まない。




一、まずは己を信じよ。己を信じられぬ者がいったい何を信じるというのだ。


二、人間を信じよ、同じ人間をも信じられぬ者は神など信じられない。神は人ではないのだ。


三、人と共に生きる今を信じよ。今の行いが未来を創るのだ。




 ・・・大層な心掛けでご苦労なこった。と思う。


 ぱらぱらとページを捲る。




【神は人にとって都合のいい姿をしておらず。


目は無くともすべてを見渡すが、時に無数の目を持つ時もある。


脚は無くとも何処へでも行くが、時に無数の脚を持つ時もある。


口も鼻も体毛も心臓も必要ないが、無数の口、鼻、体毛、心臓を持つ時もある。】




 まるで化け物だな。


 文字が読めなくなって顔を上げるとすっかり日が沈んで闇の中にいた。


 俺は何をやっているのだろう?帰ろう。




 俺には宗教に熱心な奴らの思いなんて分からないし、わかりたくも無いが、ふと彼らは教えを守っている我々の方が、教えをないがしろにしている無知な奴等より高貴な存在だと思っているのではないか?と、自転車のペダルを漕ぎながら思った。




 あんな大層な心掛けを持っていれば周りの奴らが、さぞかし阿呆に見えるだろう。


 だけど、それは立場が違えばそのまま自分に返って来る。


 なんて皮肉だろう。


 誰より人を信じる事を教えとしている奴らが、村八分にされている。


 なんてよくできた宗教だろう。


 村八分にされればされるほどに、村の奴らが稚拙で愚かで、自分達より劣っている証明となるのだ。


 馬鹿馬鹿しい。




 村上は何故これを俺に渡したのだろう?


 村上は何故、俺に閻魔帳を作らせたのだろう?




 俺はこれを何処へ届ければいいのだろう?


 まるで軍鳩の様だ。


 孤立無援の前線より放たれて、信書を届ける?


 閻魔帳を?


 いいや。俺はこれを何処にも届けない。届ける場所が無いし、俺は空を飛べない。援軍は来ない。


 ならば、俺が道案内をしてやる他無い。




 空を見れば星の位置から方角が分かる。


 ここではない所から来た俺が、ここではない所へ導いてやるのだ。時々後ろを振り向いて、付かず離れず。群れを率いる狼のリーダーの様に。


 こんな糞田舎の極みで古漬けになる前に、狭い世界から広い世界に導いてやればいい。都会に馴染めない奴もいるだろうけれど、偽りの孤独を信じるなら都会は、ここより都合がいい様に思う。


 人は無自覚に言葉で人を呪って生きている。自分自身にも自分で呪いをかけている。


 答えは簡単だ。






「一緒に東京の高校を受けないか?」


 数日後、俺がそう告げると、村上は今まで見たことが無い顔をした。


 瞳の中の光がくるりと一回転して黒目が開いた。ちょうど猫の目が昼から夜仕様にかわる様に、僅かな光も見逃すまいと、俺の顔を見た。


 俺は村上圭と俺に呪いをかけた。


 ここから出るんだ。それしか無い。


 俺は選ばれた。


 力が満ちて来る。






 だけど、そんな矢先に事件が起きた。いや、事件は毎日起こる。


 どこかの国はずっと戦争をしているし、どこかのバカな教師が生徒を盗撮して、どこかのバカな警官が恋人を殺し、どこかのバカな連中がテロを起こし、毎日誰かが死んでいるし、毎日誰かが生まれてくる。




 村上圭が死にかけて、病院に担ぎ込まれた。


・・・俺は大笑いした。




 何故笑っているのか自分でもわからなかったが、腹を抱えて笑った。


 涙が出て来る。


 傑作じゃないか!


 流石だよ!


 糞田舎共が!


 やってくれたな!


 どうして涙が出るのかわからないけれど、息が出来ない。


 身体が震える。


 震えが止まらない。




 自室の壁を思い切り殴りつけると壁紙がひび割れて大きな穴が開いた。


 衝動的な行動だったから、自分でも驚いた。


 脳がピリピリする。


 ゆっくりと深く呼吸をする。


 まだ震えは止まらない。


 ぽっかり空いた間抜けな穴だけを睨み付ける。不思議と怒りが穴に吸い込まれていく様だ。


 そう、俺はこの感覚を知っている。なんでも吸い込む穴だ。


 存在を感じる。


 俺の中に空いている、デカい穴だ。


 表面上はわからない。でも、確かにここに在る穴。


 こんなに身近な白い壁の中に空洞がある様に。


 俺の部屋が薄皮一枚剥がせば、暗くて黒い空洞で覆われている様に。


 俺も同じだと思う。薄皮を剥がせば黒い空洞で満たされている。


 中を覗くとパンパンに空虚が満ちている。


 嗚呼、怖い。




 これは何時どんな時も忠実な番犬の様に俺に寄り添う穴だ。


 俺はずいぶん前から知っている。この忠犬の様な空虚を。


 そして、それは、動いている。空気を吸って肺が膨らむ様に、生命を維持する様に動いている。もしかしたら自立神経で動いているのかもしれない。


 自分で心臓が動かせない様に、詰まってあふれ出す空虚を抑えられない。


 嗚呼。怖いな。


 これは、俺の中で俺と一緒に育ったのだ。存在を肯定してやらなければならない。


 すると、次第に震えがとまった。






 閻魔帳を取り出してどうすべきか考える。


 でも、考える前から俺はこれから何をすべきか答えを知っている。


 それでも考えるふりをする。


 見られている。


 忠犬の様なその穴は、俺よりも何倍も早く成熟し黒い虚の目でじっと見ている。


 一言も聞き漏らすまいと耳を傍立てている。純粋に忠実であろうとする。


 俺は絶えずその存在を確認して主従関係が逆転してしまわない様に気を張って居なければならない。


 黒い忠犬の問いに答えてはならない。


 忠実な黒い犬。


 目をそらしたら襲ってくる。闇夜に浮かぶ光る目が二つ、俺を捕えて離さない。


 俺を動かしているのは憤りと恐怖だ。怒りはエネルギーだ。エネルギーは原動力だ。


 いいや、違うな。そう言ってしまえば聞こえはいいが、そうじゃない。否おなく俺を奮い立たせ、俺を突き動かす。動けと俺の心臓をぎゅっと握るのは、恐れだ。追い立てられている。




 そうだ。


 片っ端から追い詰めてやろう。軽率な、安易な行動の代償を。


 そうだ。


 対岸の火事の風向きを変えてやろう。自分自身も炎に呑まれて初めて事の本質が理解出来る。


 そうだ。


 そういうものだろう?咎人の業火に焼かれる時にしか見えない景色。


 それが答えだ。


 これと同じ答えを出す方法は他にもあるだろう。過程を間違えている。俺は間違えている。だけ ど、今の俺は他の方法を考えたくない。


 閻魔帳がここにある。ここに閻魔帳があるんだぞ?


 正しい事が正義か?


 否


 馬に蹴られなければ、蹴られた痛みと、教訓は得られない。それによって俺も咎人の業火に焼かれるだろう。いいさ、付き合ってやるさ。






                    ◇◇◇








「村上圭は死んだ。次は中村聡を生贄にする。」






[小野原卓也]


「お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやろうと思うんだ。」


 閻魔帳のコピーを手渡すと、小野原は文面に目を走らせて、明らかに落ち着きが無くなった。渡した閻魔帳に書いてある名前は全員開示してある。ただ、名前の横に書いてある部分は本人以外黒塗りにした。人によって何行にも渡っていたり、一行のみだったりするが、内容は分からない。


「は?」


「お前は何もするなって事だよ。簡単だろ?ステイだ。」


「は?意味が分からない。俺らがやってた事って何だよ?知らんし。」


「しらを切るのか?」


「待て!待て!俺は関係ないし何だよこれ?」


「お前は関係ないのか?」


「無いよ!」


「じゃあ、いいじゃないか。お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやる。それを黙ってろ見てろ。何もするな。何度も同じ事を言わすなよ。」


「は?お前頭おかしいんじゃないか?何だよ?これ?」


「これは村上の遺書だよ。」


「遺言?アイツ死んだの?」


「お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやる。俺はお前に何もしない。お前も何もするな。わかったな?」


「だから!人の話を聞けよ!元々、関係ないんだよ!俺は!」


「わかったのか?」


「は?何が?」


「お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやる。俺はお前に何もしない。お前も何もするな。わかったな?」


「・・・。キモっ。」


「わかってくれたみたいで嬉しいよ。特別に他人のページをやるよ。他の奴等から同意は得てる。」




 村上を中心になって虐めていた奴のコピーをランダムで渡す。


「・・・これは、村上が書いたのか?」


「ああ。閻魔帳だ。原本は黒塗りされてない。」


「ほかの奴等の事は知らんが、俺の欄に書いてあるのは、でたらめだぞ!俺はこんな事はしていない。」


「そうか。でも、それはどうでもいいんだ。ここに書かれたことが真実かどうかは興味が無い。お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやる。それを黙ってろ。」


「俺はやってない!」


「俺は、お前がやってようが、やってなかろうが、興味がない」


「なんだよ、それ?お前が俺を呼び出したんだぞ?」


「俺はお前と違って暇じゃない。わかったのなら話は終わりだ。」


「・・・っはぁ?わかった!わかった!何もしなきゃいいんだろ?俺に関わるな!金輪際話しかけるな!薄気味悪い!」




 


[沢井みのり]


「お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやろうと思うんだ。」


 閻魔帳のコピーを手渡す。沢井みのりは驚いた顔をしてから、情けない顔をした。




「私は身に覚えが無いけど、本当にこれを村上さんが言ったのだとしたら、残念だけど、そうなんだと思う。こういうのって、セクハラと同じでセクハラをする意図が無くても、された方がセクハラだと思ったら、セクハラ認定なんでしょ?それと同じだよね。言葉足らずだったんだと思う。そこは反省点だと思うけど、何で、そんな事をするのよ?中村が佐々木に何かやったの?それとも村上さんが中村に嫌がらせをしろって言ったの?」


「お前の認識では嫌がらせなんだな。」


 俺の一言で理解が得られないと踏んだのか、表情が曇る。たぶん裏表の無い性格を自分で美徳としているのだろう。


「・・・。虐めだって言いたいの?確かに、さっきも言ったけど、村上さんが虐めだって思ったんなら虐めなんじゃない?」


「村上には同意を得ようがない。頭のおかしい義父が半殺しにしたからな。」


「じゃ、なんなの?どうしてそんな事するのよ?」


「見に覚えがないなら、都合がいいじゃないか。お前は今まで通り過ごせばいい。」


「・・・。じゃあ、どうすれば良かったと思っている訳?佐々木だって何にもしてない傍観者じゃん。何様な訳?」


「誰が村上に何をしたかは興味が無い。村上圭は死んだ。次は中村聡を生贄にする。それだけだ。俺はお前に何もしない。お前も何もするな。簡単だろ?他の奴等は同意したぞ?」


「それは復讐なの?世間と言うか、私達に対して怒ってるんだよね?だからそんな事するんでしょ?以外と良い奴なんだね佐々木って?」


「お前はストックホルム症候群を知っているか?」


「ストックホルム症候群?」


「加害者である犯人に対して被害者が好意的な感情を抱くことだよ。」


「・・・加害者って意識はあるんだね。」


「よく見ろよ。ここには加害者の名前しか書いてない。」


「・・・。こんな事したって意味無いよ?村上さんの事好きだったの?」


「俺は博愛主義者だ。人間を平等に嫌悪している。」


「・・・佐々木。それって典型的な厨二病じゃん?ちょっと精神を病んでると思うよ?」


「俺は今まで、頭がおかしくない奴に会った事が無い。お前は自覚が無いのか?頭が悪そうだから、もう一度言う。お前等が村上圭にやった事を引き続き中村聡に俺がやる。俺はお前に何もしない。お前も何もするな。わかったな?」


「佐々木が神様気取りだって事はわかったよ。でも困ったな。先生に相談したら、皆の事をチクった事になるって事だよね?」


「急に理解したな?特別に他人のページをやるよ。何度も言うが、他の奴等から同意は得てる。余計な事をするとお前が排除されるぞ?」


 沢井は二人分の閻魔帳をじっと見て、押し黙ると小さく「わかった。」と言った。










[田中奈都子]


「ごめんだけど、私は約束できない。村上さんの事は残念だけど、同じ轍を踏みたくないもん。被害者は二人より一人の方がいいでしょ?」


「村上の机には自ら落書きしても、中村の机には落書きされたくないのか?」


「嫌な言い方するね?でも後悔してるもん。周りの勢いに押されて書いちゃったけど、墨汁だったし。拭けば消えると思っちゃったところは正直ある。でも油性マジックは私じゃないよ?それに本当に後味悪くて、やんなきゃよかったと思った。だから、佐々木のわけわかんない事に巻き込まれたくないし、本当に中村に何かしたら、悪いけど先生と親には佐々木から変な事言われたって報告させてもらう。」


「そうか、特別に五枚やるよ。」


「えっ?」


 無理やりに押し付けると、見なきゃいいのに、しっかりと他人の内容を読んでから、見なきゃよかったと言う顔をした。


 田中は頭が悪い。


 自分の愚行も真摯に反省して未来につなげれば、それは愚行では無く教訓に変わるとでも思っているのだろう。


「駒井の親とお前の親はもめているそうだな?よかったじゃないか!弱みが握れたぞ?中野の爺は、頭がオカシイから気を付けろ。隣の家の犬が泡拭いて突然死んだらしい。お前の家の柴犬なんでも食うからな。」


「・・・何よそれ?あんずに何かしたの?恐喝は立派な犯罪だよ。」


「俺はお前にも駄犬にも何もしない。お間に何かする奴がいたとしたら、それはお前が良く知っている、お前と同じ村人だよ。俺は博愛主義者だ。人間を平等に嫌悪し平等に愛している。例外は無い。」




 田中は口に手を当てると、たっぷりと時間をかけて俺の顔をじっと見てから、「私、関わりたくない。」と言うと、突然泣き出した。




「そうだ!やっと話が通じたな!お前は何もするな!俺もお前に何もしない。わかったな?」




 田中は俺に対する侮蔑の表情を隠そうともせずに、唇を噛んで立ち去ろうとして、手に持った六人分の閻魔帳をどうしたものかと逡巡して、俺を振り返り返った。 




 俺はポケットに両手を突っ込んで、わざわざにっこりとほほ笑んでやってから「証拠は多く集めた方がいい。」と言ってやった。






 こんな調子で順次捕まえては、一方的に話を進める。


 もちろん、こちらの思い通りに動きそうもない奴には話さない。


 呼び出しても呼び出しに応じない奴の場合は家まで行く。不在でも可能な限り帰宅を待つ。


 誰も居なければ玄関先で待ち、誰か在宅の場合は中で待たせてもらう。同級生だと言えば、田舎者共は警戒心も無くご丁寧に茶まで出してくれる。


 手間を惜しむ気はない。




 しかし田中は阿呆だったらしく、皆で閻魔帳を持ち寄って対策を練ろうと呼びかけたらしく、総スカンを食っている。しかも自分の分を含めて六人分持っている事を知らせた様だ。

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