第3話

………………

昔は体が弱くて、ずっと入院していた。

当時6歳だったけど、外に出たのなんて両手で数えられる程もなかった


目を開くと宙に浮かんでるようだった。

僕は死んじゃったのか、幼いなりに頑張って考えてそんな結論に至った。

「君はまだ死んでないよ」すぐ近くに同い年くらいの男の子が急に来た、それがしのだった。

「じゃあ、ここはどこ?」そう聞くとその子は少し考えて、「魔法の世界だよ」と


「手を伸ばして、腕を振ってごらん」言われた通りに腕を振ると黄色い花が出てきた。


最初のうちは好奇心のおかげか、お母さんやお姉ちゃんやお父さんがいなくても寂しいと感じなかった。


真夜中、ふと目が覚めた

2人で寝ても広すぎる部屋の隅に置いてあった鏡の前に誰かいた。「なーんであんな子どもを連れてきたのー?」『』「そーゆー事か、でも危険だし…」相手の声は聞こえないけど話してるのかな?

声とか見た目とか全然違うけど話し方、しのにそっくり

そっと鏡の方へ

「あれ、起きたの?」『しのつき、見た目』「あー」指を鳴らして姿を変える、これも魔法かな


暗い部屋で淡く光る鏡


鏡の向こうには女の人が立っていた

とても長い髪を下ろし、こちらを見て微笑み『久しぶりだね、ななきくん』と言った。

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