第2話

「しの、今日機嫌いいね」

前を飛ぶ示乃に声をかける。「まーねー」といい加減だけど楽しそうな声が帰ってくる。

「入学式だからぁ?」俺の後ろからそう問う輝に「そんな訳」と答え「だって久しぶりにまひるに会えるんだよー?」

そーゆー事か、納得だ

まひるは示乃の家族、科学の世界の神様だ

少し抜けているがそこがいいのだと示乃は言う


「今度は誰も迷いこまないといいね」


人間は行き来する時に代償が必要だから、とても困る

「真昼はいい加減だしね、注意した?」1番後ろで話していたはずの双子の片方、理月が会話に入ってくる。「言っても無駄、話聞いてくんないもん」

「聞いてたら世界は2つに分かれなかったしぃ」

輝と示乃はこの世界の神様だ、と言って信じる人はほとんどいない

でも俺は知ってる、犠牲になった人間だから


元々あっちの世界の人だったのに急に連れてこられて説明された時は信じられなかった。

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