第2話:メインプレイ:エンディング3

ローザ:GM、1シーン下さいなー。途中から霧谷さんに登場お願いしますー。

GM:了解。タイミングはそちらに任せるよ。

 ではシーンを作ってくれ。

ローザ:UGN日本支部への定期連絡が始まる少し前、ローザは自室で拳銃を抜く。

 少しためらった後、こめかみに押し当て引き金を引き、シュバルトリリスを召喚する。

 現れたシュバルトリリスを睨むように見つめた後、《七色の直感》をシュバルトリリスに使うよ。

 感情の色は、黒に近い灰色。

「……私なわけ、ない……!」

 そう言って、拳銃をシュバルトリリスに向ける。そこで、連絡用の端末が時間を知らせてくる。

GM:では君が通信に応答すると、画面に霧谷さんの変わらぬ微笑が映される。

霧谷(GM):「おつかれさまです、ローザさん」

ローザ:「おつかれさまです、霧谷さん。スパイ活動の経過を報告します」

霧谷(GM):「…………ええ、お願いします」

ローザ:というわけで、今回の一件で得られた情報とか、クマクマさんの活躍なんかを報告するよ。

 その間、どこか上の空でした。


GM:やべぇ報告がぽんぽん上がってきて、霧谷さんの胃袋がマッハです。


ローザ:「以上が、今回の活動報告になります」

霧谷(GM):「そうですか……我々が掴んだFHの情報も、そうした動きの一つなのでしょうね」

ローザ:「そうでしょう……ね……」

(あっ……!)

「こ、今後とも、同行に注意したほうがいいと思う“っス”」

霧谷(GM):「……すみません、増援を送りたいのは山々なのですが」

ローザ:「表立って活動できない事情は、わかってるつもりっス」

霧谷(GM):「日本支部でも、いまだブルーフロントへの極秘介入に反対する意見が根強い。すみませんが、増援はしばらく先になりそうです」

ローザ:「まあもっとも? スパイは隠密作戦が基本っスから? どうということもないっスよ?」

霧谷(GM):「……そうですね。あなたは基本を理解した、優秀なスパイだ」

GM:霧谷さん。ちょっぴりしかめっ面になってますね。

ローザ:「と、とーぜんっスよ! なんたって、あの紅さんを目指してるんスから!」

霧谷(GM):「……ですが」

ローザ:「?」

霧谷(GM):「優秀な人間はいても、完璧な人間はどこにもいない。それを忘れないで下さい」

ローザ:「……わかりました」

霧谷(GM):「私も、あなたも、紅さんだって。不完全な一人の人間なのですから……すみません、説教くさくなってしまいましたね」

ローザ:「エニグマの中のシャドウジャームを見てると、ひどく、そう思えるっス。

 ……報告は、以上っス」

霧谷(GM):「ローザさんはお疲れのようです。たまには休息を取って、何も考えずにぼーっとするのもいいかもしれません。

 もっとも、少数での潜入を命じた私が言えた義理ではありませんが……では、失礼しますね」

ローザ:「ご忠告、ありがとっス……失礼するっス」

 じゃあ、最後に一言だけ。

「……シャドウジャームさえいなければ、ゆっくり休めるんだけどなぁ……」

GM:あ、通信の後、霧谷さんは胃袋押さえて医務室に向かいました。なんとも険しい表情で。

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