第2話:メインプレイ:ミドル1-3

GM:さて、場面はテレビ局へと戻り……イマイチ盛り上がりに欠ける君たちに向けて、クマが近寄ってくる。

クマ(GM):「ヘイヘイヘーイ、なんだか微妙な顔してるクマねー。どうしたクマ~? 悩める若人なのかクマ~? って、およ?

 チミたち……何故か知ってる顔な気がするクマ。特にそっちの女子(ローザ)と、モブ系ボーイ(昭人)のお二人さん」

GM:クマも一応はUGNエージェントなので、仕事仲間である君たちの情報はもらっている。

 そのため君たちの顔も知っているはずなのだが、テレビ局への潜入にかまけてど忘れしているようですね。


昭人:敏腕()になりつつあるな、既に(笑)

GM:び、敏腕だし(震え声)

昭人:敏腕は潜入にかまけて仕事仲間ど忘れしない(正論)

GM:(顔逸し)


クマ(GM):「むむむ? チミたち、一体何者クマ? クマの必殺ギャグも聞いてないみたいクマ。もしかして……怪しい奴クマ!?」

GM:と、ここでクマは君たちを警戒してワーディングを展開する。

 これにより周囲の非オーヴァードはエキストラ化し、クマと君たちのやり取りに無反応になるぞ。

クマ(GM):「っしゃおらークマ! クマも伊達に人気者やってないクマよー。どっからでもかかってくるクマ! ほわちょークマ!」

昭人:「……え? これ、襲いかかったほうがいいの?」

ローザ:「…………」

 イージーエフェクト《見放されし地》でクマの周りだけ真っ暗にするよ。

クマ(GM):「クマっ!? 何も見えんくなったクマ!? お助けクマ~!」


昭人:イージーエフェクトで瞬殺される敏腕……(笑)


ローザ:無言でクマの頭にチョップを入れる。

クマ(GM):「おのれー、視界を奪うとはやるクマ! こうなったらクマの本気の姿を……アイタ!?」

ローザ:「だめっスよーおーかさん、どーりょーっスよー(棒)」

 イージーエフェクトを解除するっス!(笑)


GM:ひどいなすりつけを見た。

昭人:うん、これはひどい。

ローザ:やったったー(笑)


クマ(GM):「くっ、不意打ちとは卑怯だクマ! おのれ、そこな地味ボーイ!」

GM:ローザの迫真()の演技に、クマはすっかり昭人をターゲッティングしたようですね。

ローザ:「まあまあくまさんやー、しんじんさんだからゆるしてあげてっス(棒)」

昭人:「……え? あれ? 俺のせいになってる?」

クマ(GM):「次はこっちの番クマ――って、およ? どーりょー? しんじんさん?」

ローザ:「そうっスよー、忘れたっスかー?」

昭人:「……うん、この前UGNイリーガルになった桜華です」

クマ(GM):「イリーガル……っちゅうことは、クマ……」

ローザ:「まさか、忘れてないっスよねー?」

クマ(GM):「あ……あああ……思い……出したクマ……!」

昭人:(忘れてたのか)

クマ(GM):「なぁんだ、心配して損したクマー。UGNの仲間だったクマね。初めましてクマ! ももも、もちろん覚えてたクマよ~?(震え声)」

昭人:「なんか釈然としないけど……うん、初めまして。桜華昭人です。どうかよろしくお願いします」

ローザ:「初めましてっス。会いた(くな)かったっス」

クマ(GM):「クマの名前は熊田クマだクマ。クマだからって、ただのクマと間違えちゃダメぜよクマ。

 にしても、ローザちゃんは資料より実物の方がカワイイクマね。逆ナンしてもよい?」

ローザ:「おととい来てくれればよかったっス」(訳:おととい来やがれ下さい)


昭人:ローザ、クマに風当たり強いね? 同族嫌悪?

ローザ:うん(笑)

昭人:あぁ(察し)

GM:仲良くしたいクマ(笑)


昭人:「逆ナンて、女性から男性をナンパすることなんじゃ……」

クマ(GM):「クマの溢れるパッションの前には、そんなことは些細な問題クマ!」

昭人:「性別は些細な問題なのか……」

クマ(GM):「で、こっちのチミが新入りのイリーガルかクマ。クマのことは先輩と呼んで敬うがよいぜよクマ」

昭人:「……クマ……先輩?」

クマ(GM):「ふおぉ……先輩、いい響きだクマ……!」 恍惚

ローザ:(同情のまなざし)

陽介:「ほえー、UGNってどこにでもいるのなぁ。

 あ、俺、花菱陽介ね。こいつらのダチ」

クマ(GM):「ほう。よーすけも、以後、お見“知り”おきをクマー」

GM:とか言ってお尻をフリフリしながら、クマはめっちゃ馴れ馴れしく話しかけてくるね。


昭人:イラァ。

ローザ:このクマ(笑)


クマ(GM):「おっと、いつまでもワーディングしてたら見学にならないクマね。ささっと解除するクマー」

GM:と、クマの《ワーディング》が解除される。当然、クラスメイトは君たちのやり取りを知覚できていない。

クマ(GM):「それじゃ、クマは仕事に戻るクマ。人気者は忙しいクマよ。そっちも、楽しく見学していってほしいクマ。それじゃ皆も、達者でなクマ!」

一般生徒(GM):「「「クマさぁぁぁん! 行かないでぇぇぇ! カムバァァァック!」」」(号泣)

ローザ:「……はぁ」

昭人:「……? ローザさん、大丈夫? 疲れた?」

ローザ:「なんでもないよ……っス」

陽介(GM):「ま、あんだけ濃いのと喋ればなぁ」

昭人:「そうだね、あれは疲れるよ、うん。

 もしアレなら先生に休憩もらってくるから、無理しないようにね?」


昭人:気配りを忘れないモブの鑑。

GM:さすがっす(笑)


ローザ:「あはは、ありがとっス。けど、大丈夫っスよ。

 あ、それと桜華さん。さっきはごめんっス」

昭人:「……? 何が?」

ローザ:「その、なすりつけたことっス」

昭人:「……あぁ。大丈夫だよ。クマのこと、苦手なんでしょ?

 気にしてないから、そっちも気にしないで」

ローザ:「……正直、嫌なものを思い出すっス」(ぼそり)

昭人:「……?」

ローザ:「なんでもないっスよ! ありがとっス!」


昭人:突発的難聴。

GM:さすが主人公(笑)


一般生徒(GM):「クマばんざぁぁぁい! ジーク・クマ! ジーク・クマ!」

GM:エフェクトの効果で、ちょっと心配になってくるレベルで盛り上がるクラスメイト。その阿鼻叫喚に見送られ、クマはシーンから退場していったとさ。

昭人:「あのテンションはどうにかしてから帰ってほしかった……」

ローザ:「一挙手一投足で盛り上がっちゃうから、本人にはどうすることもできないんスよ……」

局員(GM):「……で、では次に向かいましょう。つ、次の場所は……有名ドラマの撮影にも利用されたスタジオで――」

GM:クマの人気っぷりに引いたのか、冷や汗を浮かべてどもりつつ、局員は君たちを案内してくれる。

 では、このシーンを閉じようか。


昭人:うん、この局員怪しいわ。

ローザ:うん。めっちゃ怪しい(笑)

GM:アヤシクナイヨー。

昭人:クマのイージーエフェクトの対象のはずなのに、人気に引くっておかしいでしょ?

ローザ:だよね(笑)

GM:アヤシクナイヨー?(顔逸らし)

昭人:おう、こっち向いて言えや(笑)

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