第5話

 家に帰ると、妹は俺の部屋で待っている。自分の妹が不登校であることに慣れてしまった。

「お兄ちゃん、デートどうだった?」

「良かったよ」

ヒメが顔を険しくする。

「悪かったよ」

ヒメが悲しい顔になる。

「どう答えればいいんだよ⁉」

「デートを楽しんだことをアピールしつつ、妹へ愛を伝えればいいんだよ」

「そんな高等テクニックを兄に求めるな!」

「ま、お兄ちゃんが楽しめたようだから、別に良いよ」

「お前もまたあの女に会ってみろ?調子狂うから」

「じゃ、お兄ちゃんが紹介してね」

「あいつをお前に?」

「お兄ちゃんの正妻である私を、その泥棒野良猫に」

「お前なら、そう言うと思ったよ」

妹とあの女子大生を二度と会わせてはならない。そんな気がする。そんな時、部屋中にアラームが鳴り響いた。

「何?この音」

「マイコンピュータのセンサー、つけっぱなしにして置いたが、見つかったみたいだな?」

「何が?もしかして」

「行くぞ我が妹。新たな世界への扉が、俺たちを待っている‼」

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ブラコンの妹とシスコンを認めたくない兄が異世界の扉を発見した結果。後日談 秋野シモン @akinoshimon

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