第4話
なんでこのことを、他人に話したんだろう。
「脳障害?」
「あぁ、俺と妹は、産まれた時から、脳の構造が普通と違う」
「というと?」
「俺は知識吸収力、妹は、記憶力が常人超えしてる。別に悪いことじゃないから、今では気にしてない」
「なるほど、天才君は、脳自体が超人ものなんだね。でも、いい部分があるなら、わるい部分もあるよね?」
「あぁ、俺は記憶力が悪いし、妹は知識を留めて置けない。自分の長所が相手の短所なんだ」
「でもそれって、自分の長所で、相手の短所を補えるってことだよね?だったら、すごい素敵な兄妹関係だと思うけど」
「俺たちの親が、お前みたいなポジティブ思考だったら良かったのにな」
「何かあったの?」
「いや、これ以上は言えないな」
「そう。なら、今日はそろそろ解散しようか」
「え、いいのか?全然デートらしいことしてないぞ?」
「天才君と話せたからもう十分」
「そうか。なんか、悪かったな、重い話して」
「いいよ。私にならいつでも話して。相談のるよ?」
「ありがとな」
「例は無用!さらばだ‼」
あいつは、そう言って店を出ると、どこかへ走り去って行った。あいつのことはまだよく分からない。むしろ、謎が深まった気がする。でも。
「きっと、いいやつなんだな」
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