第3話

 俺たちはデートをしているはずだが、今のところ、なにげない会話しかしていない。

「天才君って、普段何してるの?」

「マイコンピュータいじってる」

「何それ?」

「俺が子供の時に作った、パソコンの改良機器」

「パソコンって改良いる?」

「ま、改造に近いな、通信速度上げて、独自開発ソフト入れて、モニターに、タッチパネル機能つけて。後、他の機械に接続して、遠隔操作する機能も」

「君は、何をやらかすつもりなんだい?」

「特に何も」

「子供の時に、って言ってたけど、具体的に何歳くらい?」

「5歳くらい」

「え⁉」

「妹が産まれて、すぐくらいに、『この天使に尊敬してもらえる兄になるためには...パソコンを改造しよう』」

「ならないから!5歳は普通そんな考えに至らないから!」

「産まれたての我がいの可愛さを考えれば、当然だろう」

「君の妹はかぐや姫か何かなの⁉」

「いや、それ以上だ」

「かぐや姫が負けた⁉」

「それに、かぐや姫のように俺のもとを離れてもらっては困る」

「君の妹愛を見くびってたよ。それにしても、天才君は小さいころから天才なんだね」

「いや、厳密には生まれた時からだ。俺も妹もな」

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