第2話

 俺たちがいるのは、公園から少し歩いた、客の少ないカフェ。人気の多い場所が苦手な俺が希望した。

「本当にいいのか?俺が場所決めて」

「いいよ。私は、君の行きたい所ならどこでもOKさ」

「・・・」

「ほんとは、私がどこ行くか考えてなかっただけだったりする」

「なぁ、質問があるんだが」

「なにかな?でも体重とスリーサイズは秘密だからね!」

「そんなこと訊くか!なぁ、大学で、なんで声かけてきた?」

「そんなの単純。見たことない人を見つけて、もしや、あれが天才君か!と思ったから」

「それだけで、知らない男に声かけるか?」

「でも君は、知らない女に声かけられて、話をして、今その女とデートしてるんだよ?」

「それも、そうか」

「君こそ、なんであの日、大学に来たのかな?何か行事があったわけでもないし。結局、あの日以降来なくなったよね」

「実は、あの前日に予想外の遠出してさ。帰ってから、俺、このまま、家にこもったままでいいのかな?って思ってな」

「じゃあなんでまた来なくなったの?」

「妹に、今までの俺と違うって言われたんだ」

「ま、確かに、妹さんにとっては、ヒッキーの天才君の方が、馴染みがあったんだろうね」

「いや、俺が、らしくないことを、楽しめないことをしたからだよ」

「そこで、私のアドバイスが役立ったんだね?」

「ま、そうなるな」

「おいおい、恩人の私に感謝する気持ちはないのかい?」

「感謝してるから、今デートしてやってんだろ?俺なんて、恩人へのお礼に結婚してあげるって言われたことあるんだからな⁉断ったけど」

「なんなら、私へのお礼も結婚」

「やだ」

「即答かい!」

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