Before "The Disaster"

「ただいまジャパリパーク」


 東京一円は大雪だった。丈夫なブーツを履いていても、靴下までもう水びたしだ。時折吹き付ける風が傘を弄ぶ。そのたびに、寒さにかじかむ手で柄をしっかと握りしめた。

 こんな日に外に出歩く人など、そうそういない。


 だが、彼女は雪が降ろうが、槍が降ろうが、行かなければならなかった。


 小さな一軒家の門の前で、傘の雪を払う。スーツケースから手を離して、風で乱れた桃色の髪を軽く直す。

 インターホンに指をそっと着けて、軽く押す。

 10秒……20秒……まだ出てこない。30秒、ドアの奥からバタバタと混乱したような音が聞こえてくる。34秒でドアが開いた。


 「……ナナ、こんな日にどうし……」

 「私も連れて行って下さい!」


 言葉を遮るようにして、彼女は寒空の下、叫んだ。

 半開きのドアから覗いた緑の髪は、何も言わずに頭を抱える。静寂という壁で二人の間を分とうとするように。

 だが、1分以上経っても、ナナは一歩も動かなかった。やっとの思いで緑の髪がドアから出てきて、その鋭い視線でナナを睨み据える。ナナは一瞬たじろぎ、口元がひきつるが、視線を逃がす事はない。


「……辛いぞ」


 雪の冷たさよりも肌を刺すように、言葉が、向かい側から北風に乗ってナナに飛んでくる。

 キタキツネを一人にしてしまい、セルリアンの餌食にされ、なんとか救出したものの、その体は目の前で朝露のように消えてしまった……あの悲しみと自責の念を背負いながら、もう一度ジャパリパークに戻る事、それを辛いと言わずして何と言うべきか。

 だが、ナナは黙って頷き返す。その事は彼女が一番分かっている。

 緑の髪は問いを続ける。


「それに、もうあのキタキツネはいない、お前がこれから会うかもしれないキタキツネのアニマルガールは、姿形こそ似ているものの、完全に別の存在だ」


 キタキツネはもう二度と戻ってこない。そっくりな別のキタキツネがいるだけだ。面影を感じて、懐かしさとあの時の無念を思い出したとしても、それはただの行き場の無い思い。その集積に、彼女は耐えなければならない。

 第二の問いかけにも、ナナは再び無言で頷き返す。


 緑髪の女性は深い溜息を白い煙にして立ち昇らせる。


最後の質問を、彼女がナナを連れて行きたくない最大の理由を突きつけるべきか否か。前歯の先まで出てきたそれを、首を横に振りながら飲み込む……この残酷な事実は、まだ胸中に収めておかなければならない。


「……分かった、部屋に入ってきてくれ」


 緑髪の女性はそう一言だけ言うと、ドアを閉めて部屋の奥に入っていく。ナナはそのドアを見て、腹から息を深く吐くと、大きな取手を掴む。


 この扉から後戻りは出来ない、そんな気がした。それでも彼女は扉を開いて、一歩踏み出す。


*   *   *


 2日後、小型の連絡船でナナは再びジャパリパークに戻ってきた。冬とは思えない温暖な気候、穏やかな海。サンドスターによる環境変化の賜物だ。着ていたコートを脱いて腕に巻き付ける、それでもまだ暑い。


「ぶふあっ!」

「危ない!」

「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃーっっっ!!!」


 先にカコが外にでると、船の周りが俄に騒がしくなり、タイミングの悪さ、というより、この地の空気に少し怯んで、ナナは思わず引っ込んだ。そしてもう一度座席に座り直し、今まで通った航路を反対側の窓から眺めながら、揺りかごのように揺れる船でシミュレーションする。未だはっきりと覚えているジャパリパークの風景を背景に、これまでとの折り合いや、これからの目標を、経験と展望を基にして。


 でも、そうして造った壁もすぐに崩れてしまいそうだった。


 再建中のセントラルで歓迎されている時も、ミライさんと話している時も、自分がいなかった時のパークの危機の事を聞いてる時も、他のフレンズと遊ぶ時も。


 ……心の隅で、キタキツネを探している自分がいる。眼前の人の肩越しの風景に、キタキツネを探している瞳がある。


 違う、私はキタキツネを探しに来たんじゃない。あの時の思い出に浸るために来たんじゃない。パークの飼育員になる夢をもう一度叶えるために、再開に向けて忙しくなるパークの役に立つために来たんだ。


そう何度も自分に言い聞かせる。それでも、そうして緻密に織り上げられた心のカーテンの綻びから、キタキツネが頭を覗かせる。


 それをなんとか追い払うように、ナナはこまねずみのように働いた。試験開放区域内の安全地帯の策定と拡大強化、ゲストとフレンズの避難訓練。セルリアンの脅威からフレンズを守るために、あんな事が起きないように全力を尽くして、自分の心の隙間を埋めようとした。

 あの後悔をバネに、私は前に進めてる。


 そう思い込み続けた彼女は、ある日、職員寮の階段で昏倒した。過労だった。


「すみません……試験解放区のゲスト招待まで日が無いのに……ご迷惑おかけして……」


 病室のベッドで腰を起こして、ナナは心配そうに自分の顔を見るミライに、申し訳なさで溢れそうな瞳を細め、青あざの付いた腕に目を落とした。


「……私は……いえ。パークの全職員が、ジャパリパークにナナさんが戻ってきてくれて嬉しく思っています。ですが、ナナさんがジャパリパークにいることに苦しみを感じる事があってはいけないと思います。ナナさんの心を不安定にしている事があるのなら、遠慮なく言って下さい……」


 もう、自分に嘘をつき続ける事は出来ない。

 あんなに身勝手で我儘で、最後まで私達を振りまわし続けたキタキツネが、あんなに憎らしく思っていたキタキツネが、自分の心の中で、こんなに大きな存在になっていた事を、素直に認めなければいけない。


「…………」


 ……現実を知ろう。自分の知っているキタキツネがもう居ないこと、ジャパリパークに来ても決して会えない事、もしキタキツネのフレンズに会えたとしても、それは他人の空似でしか無いこと、それをちゃんと、自分の目で確かめなければいけない。自分に突きつけなければならない。


 そうしなければ、その先には進めない。


「……いなくなった後も、私の事を困らせ続けるんだから……本当に手のかかる子……」


 痛みの小さい左手で髪の毛を掻き上げると、ナナは溜息をついてから、背筋を伸ばす。


「……キタキツネを探します」


 ミライの顔が一瞬安堵したが、すぐに真剣な表情に戻る。無言で頷く。

 ナナもそれに深く、しっかりと頷き返す。


 人間は弱い生き物だ。箱の中身が無い事を確かめなければ、いつまでもそこに、中身があるという幻想の中で生きようとしてしまう。

 それでもいつか、箱を開けて真実を知らなければならない。

 それはきっと、今なんだろう。


 ミライが病室から去って、一人になったナナは、そんな事をぼんやりと考えながら、その時のための心構えを積み重ねていった。


 どうせ、また無駄な事だろうと感じながらも。


 *   *   *


「だけど、どこにいるかさっぱり分からないわね……」


 キタキツネを探し始めて10日が過ぎ、試験解放区のゲスト招待が始まっても、ナナはキタキツネの居場所を一向に掴めなかった。


 パークは全てのアニマルガールの身元を完全に管理出来ている訳ではない。むしろ、飼育員とペアを組んで生活しているのは試験開放区域内で生活するアニマルガールくらいだ。

 そして今、キタキツネはそのうちの一人ではない。残念ながら。

 だが目撃情報はある。数日に一度、試験開放区域に入ってきて他のフレンズと一緒にゲームをする事があるらしい。


「ゲームか……サーバルに教えてもらってハマってたよね」


 自分の近くにいたキタキツネと、不意に重なる。


 *   *   *


「ねえ?ゲーム好きなのかい?」

「……うん、ゲーム、大好きだよ」

「実はそのゲーム、俺も持ってるんだよね、あっちで対戦しない?」

「……え?本当?……うん……わかったよ」

 

 *   *   *


ナナが試験解放区の北端に入った時、花壇の周りの道に2つの小さな人影が見えた。一人は試験解放区に招待されたゲストの一人だろう、中肉中背の若者だ。そしてその陰に隠れている華奢なシルエットと大きな尻尾を、彼女は捉えた。


「……キタ……キツネ?」


 だが、人影は近くの建物の裏に消えていく……ガイドや飼育員の同伴なしでのアニマルガールとの接触は禁止事項だ……このまま放置するわけにはいかない。

 ナナの顔が一瞬にして強ばる。悩む間もなく、彼女の丈夫な靴は砂埃を上げて疾走する。

 

「そこの人!何やってるの!」


 建物の裏に一歩踏み込んだナナの眼の前には、壁を背に、先程の若者に擦り寄られるキタキツネの姿がいた、若者の指はキタキツネの金色の髪の毛や白い肌をべたべたと触る。普通のフレンズ相手ならば、こてんぱんにされて然るべきだ。

 だが、キタキツネは平然とした顔でその場に立っていた。嫌な顔ひとつせずに、なされるがままに。

 若者はナナの突然の乱入にぎょっとしたが、すぐにあわててナナの入ってきた方とは逆の方向に脱兎のごとく逃走した。だが、所詮人間のレベルだ。


「逃さないわ!誰でもいい!あの男を捕まえて!」


 そう叫んだ菜々の背後から鋭い視線が飛んでくる。


「承った、『鬼のジャパ警』に任せてくれ」


 思わず振り返った先には、ハシビロコウがその三白眼を一層吊り上げ、仁王立ちしていた。


「スケバンデカ!足止めを食らわせろ!」

「ガッテン承知ィ!!!」


 ハシビロコウの号令と同時に、道路を全速力で走る若者の後ろから純白の稲妻が迫り来る。それは数秒並走し、急停止すると、尻尾の遠心力を利用して、若者の向こう脛に鋭い蹴りを入れる。


「チェイサー!!!」


 弁慶の泣き所とも言われる部位だ。若者は苦悶の表情を浮かべて立ち止まってしまう。


「うぐぐ……」


 静止したその稲妻の正体はオコジョだ。森林の妖精と形容されるつぶらな丸い瞳や華奢で美しい見た目とは裏腹に、その本性はネズミやウサギを狩る獰猛な狩猟者である。


「いいぞ今だ!ゴリさん、拘束だ!」


 今度は道路脇から大きな図体がノシノシと地響きと共に現れる。そのオーラに威圧されて若者は地面にへたり込んでしまうが、なんとか這って逃げようとする。

 その往生際の悪さがゴリラの怒りに触れた。


「そうはさせんぞオラァ!」


 その雄叫びと共に、黒い太い腕から広がる手が若者の背中をがっしりと掴む、見た目は少女だが、その筋力はゴリラそのものだ。片手で男の体を軽々と吊り上げる。


「ひぃぃ……ひぇぇぇ……」


ゴリラとオコジョ、そして追いついたハシビロコウの厳しい視線を一身に浴びた若者はその顔を涙と鼻水でくしゃくしゃにして恐怖を示す。


「午後3時20分」

「強制わいせつ罪の現行犯で逮捕だオラ!」

「よし、二人共よくやった。ナナさん、残りは我々ジャパ警と管理センターに任せてくれないか」


 ナナとキタキツネを直視して、ハシビロコウは事件の終結を宣言した。戸惑いながらも頷くナナを確認すると、ハシビロコウは若者を再度睨み据える。


「こいつには然るべき処断が下されるだろうからな……」


 その口角は、ほんの僅かに上がっていた……


 *   *   *


「……他に何かされなかった?大丈夫?」


 キタキツネは表情を変えずに首を細かく横に振る。ナナはほっと安堵の息をついたが、すぐに当初の疑問の本質に迫った。


「キタキツネ、あんな事されて嫌じゃなかったの?なんで抵抗しなかったの?」


 気弱だとしても、アニマルガールだ、身のこなしや能力を使えば男性一人くらいから逃げることなど朝飯前だろう。

 だが、キタキツネは何もしなかった。


「うん……ちょっと嫌だった……でも……みんなの言うことは聞かなきゃ……」

「……バカっ!あのままだったら、もっとひどい事されたかもしれないんだよ!」


 ナナの顔は怒りと悲しみの間で震えていた。フレンズに心無い行いをする奴が一番悪いのは分かっている。だけど、目の前のキタキツネはまるで人形みたいに、恐ろしく素直で、自我がないような……その不安定さに、ナナは耐えられなかった。


「どうして自分を大切にしないの!?」


 なんとかしっかりとキタキツネの瞳を見て問いかける。透き通った汚れのない琥珀色の瞳は、ぴくりとも動かない。


「……だって、嫌って言ったら、……みんなと一緒にいられない……それは……ダメ」

「ダメじゃない!」


 間髪入れずにナナは叫ぶ。


「嫌な事は嫌って、好きな事は好きって言っていいの!嫌な事があったら逃げてもいい!やりたい事があったらやっていい!わがままでもいい!だからちゃんと自分を大切にして!」


 キタキツネの肩をしっかりと両手で掴み、ナナは一言一言、念を押すようにキタキツネに訴えかける。言葉の度に彼女の肩に力が籠もり、その髪が揺れる。

 最後まで言い切る……ナナは目を閉じ、息を激しく切らした。その吐息の音だけが、二人だけの道路に響く。


 そして、その吐息の音に、


 小さな泣き声が、漏れ出て重なった。


 ナナはそれに気づくとハッとして顔を上げる、大きく開かれた彼女の瞳孔に映ったのは、キタキツネの頬を流れる涙だった。


「……ごめんなさい……責めるつもりはないの……」


 しまった。強く言い過ぎた。彼女の頭の中を焦りと後悔が渦巻く。ハンカチを取り出そうとポケットを弄る彼女にキタキツネは、泣き声混じりに言葉を漏らす


「だって……言うこと聞かない悪い子は……わがままな子は……迷惑かけちゃう……みんなと一緒にいられない…………」


 菜々はキタキツネの弱々しい、途切れ途切れの一言に貫かれ、思わず息が止まった。


 まさか……まさか、そんなことが……


「そうならないようにするって……決めた……」

 

 あの言葉の通りに……キタキツネは……


「キタキツネ!」


 その言葉が終わると共に、ナナの脳裏にはキタキツネとの思い出が濁流のように溢れ出てきた、

 事あるごとに自分の口から出ていた言葉、”言うことを聞かないわがままな子”。

 思うように行かない事に、うんざりとしながら過ごしていた日々。


 そして、その果ての別れ際。


『ごめんね、迷惑ばっかりかけて、わがままばっかりで』


 最後の言葉。


『今度は……迷惑かけないように。みんなと、一緒にいられる様にするから……』


 

 ……全部……全部、分かった。



「ごめん……ごめんね……キタキツネは……何も、悪くない!」


 ナナは滔々と溢れ出る涙も拭かず、キタキツネを体全体で抱き締めた。両手はそれぞれの腕をしっかりと掴み、両足はキタキツネの足を挟み込むように、服が擦れる音すらしないほど、強く。強く。強く。


「何も……何も悪くない……よ……」


 呆然としていたキタキツネも、自分の肩に頭を埋めて泣きじゃくるナナを見て、ナナの肩に頭を付けた。

 灰色の空の下、道の真ん中で、ナナの慟哭だけが、何度も、何度もこだましていた。


*   *   *


「……2代目キタキツネの性格は、ナナの担当した初代キタキツネが”そうありたい”と願ったから、そのようになった。と」


 カコはナナの取り留めのない抽象的な言葉を端的にまとめた。


「はい……そんな気がするんです」


 ナナは研究室の壁に背を付けて自分の足元を目を細め、じっと見つめていた。


「キタキツネに素直で言うことを聞く良い子になって欲しいって、ずっと言っていたのに、実際にそうなったら、真逆の事を言ってしまうなんて……本当にわがままだったのは、私かもしれない……」


カコは自分を責めるナナを宥める。


「ナナの言ったことは間違っていない。キタキツネが再び同じ目に合わないために必要な言葉だ」


 だが、本質がそんな表面的な事ではないことは、聡明な彼女にはよく分かっていた。


「……正直に言えば、同種のアニマルガール間に意思や記憶の共通性があるのか、もしくは相互に影響を及ぼすのか。その仮説の検証は困難だ。そして、今のキタキツネがナナや、ナナと過ごした日々を覚えていない……いや、知らないのは変わらず、確かな事だ」


 その現実は揺るがない。だが、


「……だけど、その程度で、キタキツネの涙の理由が、ナナ、お前にあるという可能性を、私は否定しないよ」


 可能性も、消えない。


 カコと別れたナナは、靴紐を結び直しながら、研究所から自分より一足先に出ていた、自分の知らないキタキツネの背中を自動ドアのガラス越しにぼんやりと見送る。

 歩き方も、尻尾の振り方も、自分の知っているキタキツネとはまるで違うけれども、


「あの子の中に、私の知ってるキタキツネはいるんだ……多分……ね」

 

 箱の中になにもないって、そう思い込んでいるだけなんだろう。

 誰も見たことのないその中身は、きっとそんなに残酷じゃない。

 私がこのパークに戻ってきたのは、多分、それを確かめるため。

 そしてわずかに見つけた希望を胸に、また一歩、踏み出すため。


「……ただいま」


 夕焼けに燃える空に、ナナは小さく呟いた。


*   *   *















*   *   *


「キタキツネ!先にお風呂入りなさい!」

「え~、やだ~。いっかい遊んでから~」

 

 私と一緒に暮らしているキタキツネは、マイペースで、ゲームが好きで、そしてちょっと……いいえ、結構わがままな子。


「しかたないわね……分かったわ、一回だけだからね」


そんなこの子に、私は毎日のように手を焼いている。


「やった……ありがとう、ギンギツネ」


 だけど……根はいい子だから、憎めない。


「ハァ……まったく、どうしてこんな性格になったのかしら……」


そんなことを考えると、つい、ため息がでちゃうけれど、ゲームに熱中しているキタキツネの表情を見てると、なぜか許せてしまうのよね。


「……まぁ……いっか」

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