体のありか
月末の「
いつも通り左手が耳のあたりで
と、
なるほど、
メッセージに目を通した僕は思わず頭を抱えそうになった。そればかりか
(私の体が行くしかないんじゃないか?)
要求は
考えている間に香澄からさらにメッセージが届く。
(こいつが見たいタイプの骨は
(いや、でも)
「いや、でも、
タイプの途中で耐え切れなくなって口を開いてしまう。胴部主脳は要するに香澄の脳を再現する
「私がこの体を使えないってことだ。それだけだろう?」
「いや、そんなわけないよ。僕は香澄の体を所有しているわけじゃないけど、あえてこの言い方をさせてもらうよ。
僕は一息で言った。香澄は余裕そうな笑みを浮かべたままずっと黙っている。
「そうだ。ここは多少資金面の問題が出たとしても要求を断るべきだと思う」
早口でそう続ける。香澄はどこか優しげな顔をして僕の頭の上の手に温かい手を重ねて言う。
「分かりやすい最悪の事態があるとその最悪の事態以外起こらないと考えて、最悪の事態以外に気が回らないのは君の悪いところだと思うよ。まあ、私がここにいるのはその性質ゆえかもしれないから全面的に悪いとは言わないけれど」
「けれど?」
「簡単に思いつく解決法を見逃しているよ」
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