マタタビをかじれば
一体この雰囲気をどうやって作っているんだろうなんてちょっと思ったけれど、そんなことは
どのみち、やることはデータ整理から新機能の実装までいくらでもある。気がついた時には窓からの光はとうに失せてディスプレイの青白い光だけがキーボードの上を照らしていた。
「電気くらい付けたら?」
闇の奥から香澄の声が響いてきた。
「[おはよう] [クレイドルモデル] [1番]」
「おはよう御座いますお姉様」
香澄は仰々しく
「お姉様は、お変わりなく?」
「[各種-温度]-[は] [正常]。[予測]-[される] [機械-的-摩耗]-[は] [想定-範囲]-[内]。[レポート]-[も] [送-って] [やろ]-[う] [ほら]」
「あら、素晴らしいじゃありませんか」
長いまばたきのあと、香澄はにっこり笑って「姉」の頭を撫でる。
香澄からすると、多分「妹みたいなお姉ちゃん」みたいなものなのだろうと僕は思っている。少なくとも、香澄は彼女の頭をよく撫でる。それだけは事実だ。
「[やめ-ろ]」
有栖はそれを毎回嫌がっている。
香澄はそんな有栖を抱き寄せて
「香澄、程々にね。それと、あとで元どおりにしてね」
香澄の親指の
機嫌はどうにか元どおりみたいだ。
「[g] [r] [g] [r]」
猫がするように
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