第12話 再婚するための自己紹介? (6)

(本文)

 そんな訳だから、奥さまとの結婚、またまた悩む訳なのよ。

 ……本当に奥さまには悪いとは思うけれどさぁ……


 俺自身一生の事だし……前世の俺、なんで奥さまを捨てて、消息をくらましたの?

 その理由を彼女に聞いてみたい気もするよ?

 ……う~ん? う~ん……? マジで悩むな、俺……


 なんで~? こんなにも美しい、奥さまを捨ててまで、家を飛び出たんだろうか、前世の俺は……?


 それもね、気になる事だしな、俺はさぁ……


 今の俺達二人の状態……結婚になるのか? 再婚になるのか? は、良くは分からないから、さらに悩むのよ。俺はね……


 だって~、……特に上手くいかなかった結婚ならば、このまま二人でやり直す事しない方がいいからね……


 で、でもね、またまた未練がましく、言うけどさぁ……


 彼女……奥さまをチラ見するとね、やはり人には、やるのが勿体ない気がする、俺なんだよ……


 だからさぁ、俺……


 はぁ~あ……と、溜め息しかでないね……



 ◇◇◇◇◇



 ……先ほどまでは、甘える奥さまの腰に片手を回し、添えていた俺だけど……


 今はね違うの……奥さまのフェロモン毒牙攻撃に負けてしまって、両手を腰にまわしているよ。

 ──それも嫌らしく、モミモミとしながらね……


 だってさぁ、奥さま……俺の空いている片方の手を優しく握ってね……


 手を回したの彼女自身に意志でね……それもさぁ、奥さまの自身のだよ!

 だからさぁ、俺……只今、奥さまのをさわさわ、モミモミと、している最中なんだよね……


 そんな訳だから、『やめられない! とまらない!』の、そんな状態の、俺なんだけれども……


 でもさぁ、先ほどからね、結婚、再婚。まあ、どちらでもいいけどさぁ~、するか? しないか? 悩んでいる最中の俺なんだよ。だからこんな事を奥さまにされるとさぁ、別れようかと思う意志が緩いでしまうよ……


 それにさぁ、もしかして俺、顔に出ているのかな? 悩んでいる表情が……奥さま先ほどからね……


「貴方~、貴方~! うぅ~ん、うぅ~ん! ……もっと、もっと! 強く~強く~!」と、甘い声を出しながら、俺に擦り寄り甘えてくるのよ……


 だからね俺は脳がとろけて……我慢できずに……


「ここか!ここか!ここがいいのかー!」と、奥さまに、力強い声で言ったよ──ハアハアな気分でさぁ……


 だから俺は彼女のモミモミに力が入ったよ──

 奥さまの『どう、わたくしの体良いでしょう?』攻撃に、ほぼ負けそうな俺だなんだよね……


 マジでやばいは、俺は……


 まるでこの状態……雌蜘蛛のフェロモンに呼ばれて来た、食べられる寸前の雄蜘蛛のようだね、俺は……


 なんとか、ハアハアな気分を抑えようと、俺自身で努力しようとは、思うのだけど……


 奥さまの「貴方~!あぁ~ん!」と、甘くかん高い声と妖艶さに負けそうです……


「……もう、ぼくちん駄目です……」


 力なく崩れそうな時に、その声が聞こえた気がしたよ!

 先ほど悪魔の声に負けた天使の声がね!


「しっかりしろ、大丈夫か?」


「……いいや、ぼくちんもう駄目かも……」


「馬鹿な事を言うな!こんな悪女なんかに負けるな! しっかりしろ……」


 そう励ましてくれる天使の声に、俺は……


「もう駄目だよ。若いぼくちんは! ハアハアが止まらないんだよ……だからね、もう楽になりたいから、済ませたいんだよ……だから許してね……」


「お、おい、そんな事をしたら、この悪女の思いのままになってしまうぞ、お前自身がそれでも良いのか? それになこの女はな、誰にでもこんな感じだと思うぞ? 俺はな……」


「……あぁ~! そうだったよ! フレイヤには、セフレかビッチ疑惑があったのを思い出したよ! 本当にごめんね……天使……」


「……うぅん、別にいいぞ、わかってくれれば、それでいいんだ……」


 俺、天使の声で正気に戻ったよ!

 それでさぁ、我に返るとね、こいつ何人の男性に、この調子の甘え声を出したんだよ? と、思ってしまった……


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