幕間a
「知ってますよ。こいつについては、よくよくね」
「知っていたのか」
「昔の話です。些細な縁があった」
「顔見知りか」
「まあそんなところですよ。ところで、今まで何度も挑戦なされたと」
「聞かんでくれ。凄腕を幾度も雇ったが、魔女め。どんな手を使ったのかことごとく失敗に終わっているのだ。綿密に計画した手さえかわされてしまってな……金も精魂も寿命も尽きた。もう目的は果たせん。この混沌とした世界の覇者となるには魔女の身体が必要だったのに……」
「残念ですが、その手の話にはとんと興味が無い。昔の人間は自己の境遇に対して異常なほど
「できるか、できないのか」
「野暮は聞くもんじゃありませんね」
「……それもそうだな」
「構いません。俺を知らない人間はよく使う言葉です」
「……」
「それで、本当に決行日はこちらで決めていいんですね?」
「ああ。だが遅くとも今日から一ヶ月以内、必ず首を持ってこい」
「充分です……さあ、我々の巡り合わせに乾杯といきましょう」
「ああ」
「乾杯」
「乾ぱ──」
━━━━━━━━
「昔の人間はどいつもこいつも……死ぬ時にまでお伺いを立てるなよ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます