サイリスタガール ~Technical high school life~

エピローグ

この物語はフィクションであり、実在の人物、学校、工業、実習、作品等とは一切関係ありません。

「今期も深夜アニメが豊作なのが悪い。夜更かししてしまった、眠い。」

始発駅より座り、学校の最寄駅へ向かう電車の揺れと線路を駆ける電車の音ががどことなく心地よい。

県立横浜工科高等学校

2003年に近隣のいくつかの工業学校を集めて出来た工科高校だ。

1940年に旧制県立横浜工業技術学校として設立したのが起源で、合併後もこの横浜線大口駅にほど近い土地が用いられている。

校舎自体は合併前の2000年にアスベストの問題で建て替えられたので県下でも最先端の機材も備える。

従来の工業高校とは異なり、

・募集時に学科の系選択を行い受験、○○系総合技術科として入学する。学科の基礎を幅広く学び、2年次に学科選択する(進級時選択制)。

例:電気系なら電子科、電力科と情報科、機械系なら機械化と自動車科、土木系なら建築科と土木科、化学系は応用化学科と材料工学科に分かれる。

・それに加えて2003年に合併した際普通高校も吸収したので工業高校では珍しい普通系学科がある。こちらも2年次には特進科と普通科に分かれる。

・2・3年次になると選択必修科目があり大学のように個々に見合ったフレキシブルにシラバスを組むことができる。

といった特記すべき点があり、以上から見ても昔に言われていた不良がバイクで学校構内を駆け回りガラスを割り回るようなイメージとはかけ離れた全国に例を見ない新しいタイプの工業高校である。

そしてこの眠そうにしている彼女こそ、須田 彩莉(スダ サイリ)

この学校に通う女子工業高校生である。