第十七話、百合勇者と獣人
アーナスは先ほどからこちらを見ているかのような視線を感じていたが敵ではなさそうなのでとりあえず放置するのであった。それよりも獣人たちとまだ会えていないことに焦っていたのである。いくら魔王に許可をもらったと言え長い間、空きにするわけにはいかないと思っていたのである。今の魔王の状態ではまともに戦闘したらすぐに体力がつきそうなので心配で落ち着いて探せていなかったのであった。そんな時に安田がある提案をしてきたのである。それは今、感じている視線の主を見つけると言いうものであった。単純であるが今はそれしかないとアーナスは思い実行に移すのである。
「先ほどからこちらを見ている者。隠れていないで姿を現しなさい。」
その言葉を了解したかのように一人の美少女が姿を現したのであった。それは女性であるアーナスですら可愛すぎると思うほどであった。しかし、この後の少女の行動ですべてが台無しになるとはこの時のアーナスは思いもしなかったのである。
「すみませんでしたね。私は百合奈と言います。こう見えて勇者をしています。そんなことは置いといてアーナスさん・・・・なんて可愛さの上に女性らしさの凛を持っているとはしかもスタイルも抜群。正直に言います。あなたが欲しいです、私の物になってください。別に私は美少女でしたら人であろうが月魔族であろうが天使でも私は百合まくるから。」
アーナスはあまりの言葉で思考を停止したのであった。安田はあまりにもおかしな発言を聞いてあることを思ったのであった。駄目だこの女、早く何とかしないとと思いまずは勇者と名乗っている百合奈からアーナスを引き連れて逃げ出したのであった。だが、百合奈は逃がすと思っていたのと言い追いかけてきたのであった。その速さにさすがの歴戦の勇士である安田も驚いたのであった。それと同時に流石、勇者になれたことだけはあると思い戦闘態勢になるのであった。その間にもアーナスはいつも通りに戻っており二人で反撃に移るのであった。だが、向こうはそれを予測しておりすんなり回避してある行動に移ったのである。それは二人が予想もしなかった行動であった。
「後ろががら空きですよ、アーナスさん。」
そう言って百合奈はアーナスの後ろから胸をもみ始めたのであった。もちろんアーナスは真っ赤な顔になりながらも振り払ったがむしろ向こうがさらにやる気になってしまったのである。抵抗してくるほど燃えるのは当たり前でしょと言ってさらに激しいプレイをするために百合奈はアーナスに襲い掛かった。
そんな時に安田が横槍をして何とか助けたのであった。百合奈は邪魔をするなと言って安田に攻撃を開始したのであった。勝負は百合奈の方が優勢であったが安田も長年の経験を生かして何とか耐えていた。だが、それも体力がつき安田もこれまでかと思った瞬間、百合奈が何かを察知し後退したのであった。それも時間がたつにつれて顔色が悪くなっていたのである。百合奈は悔しそうな顔をしながらもその場から逃げ出したのであった。アーナスたちにはなんで逃げたのかはわからなかったのである。とりあえずアーナスたちはまた獣人たちを探し始めるのであった。一人の化け物に見られながら・・・・
そうして翌日にはようやく獣人たちの集落を発見したのであった。アーナスたちは集落に近くに行ってみると一人の警戒の者に出くわすのでアーナスは事情を話し始めたのである。
自分は魔王の側近の者で今は魔王軍の力が足りていないだからあなたたちを臣下になってくれるように頼みに来たと言うのであったが獣人の見張り員は残念だが力になれることはできないと言い出したのであった。それは獣人たちは住む場所を奪われて食料もほとんどなく滅びを待っている状況であるがためにと言うのであった。安田がもし獣人たちを助けることができたなら臣下に加わってもいいということだなと確認も含めて言ったのである。
獣人はしばらく間をおいてからわかった約束しようと言うのであった。それからアーナスたちは今、獣人たちに必要なものを教え始めたのであった。それは魔王から教えてもらった物であり、そのおかげで獣人たちは徐々に立ち直り始めたのである。獣人たちはアーナスたちに深く感謝をしていたのである。
そんな時に安田は一人の心を閉ざした女性の獣人に見かけたのであった。気になって話しかけたのだが返事は帰って来ずにただずっと空を見ているだけであった。そして安田はその日から時間がある時はその子の近くに行き一緒に空を見上げるのであった。安田はどうしても彼女が気になってしょうがなかったのである。あんなにきれいな彼女がどうしてここまで目に深い闇を背負っているのであろうかと心配でほぼ毎日来ていたのであったがそんなある日に彼女が言葉を出したのであった。
「あなたは・・・どうして・・・毎日・・来るの?」
安田はその言葉を聞いて素直に答えるのであった。自分はただ君が心配で毎日様子を見に来ているだけで他には特に用がないと言うのである。獣人の女性はそうですかと言ってまた空を見上げるのであった。安田は彼女のことが気になりいろんな獣人たちに話を聞いてみた。
その中で恐ろしい話を聞くのであった。それは獣人たちはここに残っている獣人ぐらいの数は奴隷みたいにされていること・・・そしてそれを一番使っているのがエルフだということに聞いたのであった。安田はそんなことはないと言いたかったが安田自身も実は心当たりがあったのである。それはもともといた里でおかしなところがありさらに族長が認められたものしか入れない場所がありもしかしたらそこに何か隠されているじゃないかと思うと何も言えずにただ時間だけが過ぎていくのである。
安田はようやく彼女の状況が理解したのであった。彼女にはすでに親は他界しており残る妹がおりその妹がエルフの里の奴隷にさせられている。助けに行きたいが自分一人では何もできずにただ自分の実力を恨んでいた。非力な自分を恨んでいるうちに気が付いてみるとただ空ばかり見上げていたのであった。
安田は里はもちろんエルフの種族そのものを裏切り者になる覚悟でエルフの里に向かうのであった。その時に彼女もつれていくのである。それは彼女の妹は知らなく知っている姉ならいいだろうと思い連れてきたのであった。それを見ていたアーナスも獣人たちを引き連れてこっそりついて行くのであった。実はこのことは先にアーナスのほうが調べていたがこのことを確認する手がなかったのだがエルフの里がいたエルフが確認するのならこちらが手を出すよりより大義面分出ると思い安田がしたいようにさせることにしたのであった。もし、エルフの里が黒であった時は・・・・アーナスはある覚悟を決めてついて行くのであった。
一方、安田の方はアーナスたちがついてきていることをわからずにエルフの里に向かっていたがそんな時でも女性の獣人に気を使っていたのである。そしてついにそれが実り獣人の女性が
「私は・・・歌夜・・・と言うの。」
安田はようやく名前を教えてくれたことにうれしく己も自己紹介するのであった。それはすごく楽しそうに話したのであった。
「某は七代目、魔王の臣下の安田長秀と申します。気軽に安田でも長秀でも言ってござる。こう見えて妻がいない歴=実年齢の武士でござる。」
それを聞いた歌夜は安田の前で初めて笑顔を見せたのであった。それを見た安田は改めて彼女の美しさに魅かれるのであった。そして安田はこの先に何が起きても彼女の味方になるとかつての君主・上杉謙信と今の君主、上杉勝虎に誓うのである。それは武士の誇りを賭けた誓いであった。そしてその誓いがまた新しい戦いを呼ぶことになることは安田は薄々感じていたのであった。
そのころ百合奈はエルフの里でお世話になっていた。それはここにいれば必ずアーナスは来ると彼女の勘が言っていたのである。そう、今度こそアーナスを捕まえ自分の物にするために・・・・
それを遠くから見ている者がいた。それは災狐ではなく一人の男が静かにこうつぶやいたのである。
「このエルフの里は間もなく・・・・戦場になるな。運命は戦いを求める・・・ものであるのか。」
それは悲しそうにまた必然であるかと思いながら見ていたのである。
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