第十六話、魔王軍、分裂

それは斎藤の行動から始まったのであった。その内容は洋館を焼き壊しをしようとするものであった。この行動にほとんどの者が賛成した中で安田とアーナスは反対したのであった。この問題の重要なカギは先ほどの幽霊少女であった。ほかのみんなは幽霊に憑りつかれて殺されかけたという嫌な出来事しか知らないが魔王の勝虎にアーナス、安田はこの少女の過去を知ってしまったために今回のことは誰でもせいではない。まあ、しいて言えば愛情を注がなかった親が悪いと言いたいが言ったところで何も変わらないと思い勝虎は黙って斎藤派とアーナス派の意見を聞いているのであった。ついでに勝虎自身はアーナスの意見が賛成であった。しかし、立場が魔王である以上勝手に身勝手な行動は破滅に向かうと思いただ聞いているだけであった。




だが、だんだん時間がたつにつれて問題はエスカレートしていきしまいには戦いが起きてしまいそうなほど危ない状況になってきたので流石にここで何かしないといけないなと勝虎は思い行動に出すのであった。だが、それが裏目になってしまうことは勝虎は気づかなったのである。



「お前たちの意見はわかった。それで私が言いたいことは今回の事件を解決し我々の全滅の危機を救ったアーナスの意見を採用したいが斎藤たちの方も異論があれば今のうちなら聞いてやるぞ。」



それから斎藤たちが異論を出したのであった。それも踏まえて勝虎は斎藤たちに声をかけるのであった。



「もし、アーナスや安田がいなかったらお前たちは全滅してあそこで死んでいた。命を救ってもらったことを考えれば素直に手を引くことが賢明だと思うが斎藤はもちろん、ほかの者はどう思っている。」



それでも斎藤たちは手を引かずに斎藤自身が洋館に火をつけたのであった。それを見た勝虎は斎藤を蹴り飛ばしたのであった。斎藤は急に何をするのですかと言いながら勝虎の顔を見たがその顔は鬼ような顔であった。



「貴様、誰が火を放ってと言った。勝手な行動は許さないと言ったはずだ。文句があるならかかってこい。お前をぶちのめしてやるから。」



斎藤はそれを聞いて勝虎に対して攻撃をしたがすべてかわされて反撃を受けるだけであった。そのうちに斎藤のほうが体力がなくなりその場から動けなくなったのである。それから斎藤派と魔王の対立は続きそして魔王軍は二つに分裂をしてしまったのである。魔王派と斎藤派、魔王側は勝虎にアーナス、安田で斎藤派はほかの全員であった。そして斎藤たちはその日のうちに斎藤派の民たちを引き連れてどこかに去ってしまったのであった。軍に属している者たちはほとんど斎藤たちについて行き、魔王たちに残った兵士は千人余りであった。



勝虎はいくら何でも向こうに行きすぎじゃないかと思いながらも残ってくれた人たちに感謝していた。確かに軍人のほとんどは斎藤側についたが民の九割は勝虎の方について問題はあんまり大きくないように思えたが実はアレナも向こうの方に行ってしまい気分は実はかなり落ち込んでいた。その証拠に勝虎はあの日から仕事ばかり打ち込んでいた。アレナのことを考えないためにも仕事に必死にしていたのであった。そのためにアーナスは心配していたが勝虎は今はこれが一番したいからそっとしておいてくれと言われ何もできずにいたのであった。一方、安田はあの子の洋館を守り切れずに焼かれてしまったことを後悔しただ修行に打ち込んでいただけであった。



アーナスは一人で困り果てていた時にまたあの声が聞こえてきたのであった。それは災狐であった。アーナスはまた今度は憑りつかれないように警戒をしていたがそれをしてくる様子もなくよく見てみたら災狐は困り果てた顔で話し始めたのであった。それはどうしてこうなったとセリフを言っている顔のようであった。


「まさか、こんなところで壊滅状態になるとはこの先が思いやられる。それに勝虎とあれほど魂の相性が良かったアレナまでいなくなってしまうとは・・・いくら童でも読めなかったぞ。ある意味、期待外れをさせてくれるわ。」



災狐はアーナスに向かって愚痴を喋っているかのように話したのであった。だが、アーナスは薄々感じていたのであった。それはそれを言うだけにここに現れたというわけではなくほかにも用事があってここに来たことはわかったのである。アーナスは要件は何と尋ねたところ災狐が目的を話し始めたのであった。



「実はこの近くに流浪している獣人たちがいるのじゃがどうじゃお主たちの配下にしてみるのは。獣人は魔法はあんまり得意じゅぞくではないが白兵戦だと最強かもしれない種族、月魔族とはかなり相性はいいと思うのじゃが・・・とうじゃ、アーナス。」



確かに今、この状況で獣人たちが加わっていただけたら大きな戦力になる。しかし、この災狐は勝虎ではなくアーナスに行ってきたのかと疑問に一瞬、思ったが今の勝虎が仲間を引き連れていける状況ではないことはアーナス、自身が一番理解しておりそうなると一番動きやすいのはアーナス、自身だと言いうことに気が付いたのであった。災狐はそれを一番理解してここに来たのだと理解したのである。アーナスは災狐に一応、感謝をしながら獣人たちを説得するために出かけてくると勝虎に伝えたが勝虎はただ分かったというだけであったために安田も伝えたが無言であったために無理やり引き連れることにしたのであった。




アーナスはほとんど目が死んでいる安田を引き連れながら獣人たちが目撃される場所に向かい始めたのであった。今、魔王軍でまともに動けるのは自分だけだから頑張らないといけないと自分に言い聞かせながら頑張るのであった。



そんな時にアーナスが危険な気配を察知したのであった。幽霊ではないことはわかったがそれでも危険だとアーナスの勘がそう言っているように感じたのである。どこから感じるのかといろんなところから見たが誰もいなく逆にアーナスが不安を積もらせるだけであった。もちろんのことアーナスの勘は当たるのであったがそれが分かるのはまだ先のことであった。後ろから迫ってくる脅威に完璧に気がつけずにいたのであった。




「・・・なんてかわいい子なの、絶対にあの子を私のピーーにしてぴーーにしてあげないと・・・あの子のにおいでわかることは名前はアーナスで月魔族。胸の大きさはDクラスそれに明るく活発な系の美少女・・・完璧に好みだー。絶対に百合ってしてみせる。」



と大変とても残念な美少女がアーナスを見てそう言うのであった。それもそのはずである。彼女は完璧な百合であるからであった。彼女の名前は百合奈。後にと言うよりすでに百合勇者と呼ばれている者が今、アーナスにロックオンするのであった。


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