第十四話、廃墟洋館の探索へ

いろいろと多少はもめ事にもなりそうであったがアーナスが素直に従ってくれたために大事には至らずになったのである。それから数か月後にはいつの間にかアーナスとアレナが仲良くなっていたのである。まあ、同い年ぐらいの見た目をしているから仲間意識ができやすかったのであろう。それと安田の方もすっかり馴染んでくれたのである。それと流石戦国武将と言うべきであろう実戦でより戦いやすいように陣形や武器など改良もしれくれたのである。そんな風にそれぞれができることを一生懸命に頑張って国を栄えさせたのであった。ついでに勝虎はほかの分野にも手を付けていたのであった。一番時間をかけていたのは料理であった。ごく普通の料理はだいぶ普及したが勝虎が実は甘いものが大好きでお菓子を一生懸命に作ろうと頑張っていたがなかなか作れずにいたのであった。




そんな時に城下町で歩いていた勝虎にある噂を耳にするのである。それはここより離れた森の奥深く廃墟になった洋館があるのだがどうやらそこで幽霊がよく目撃されるらしい。そしてその洋館に入ったら二度と出てこれなくなるという噂であった。勝虎自身は実は幽霊が見える人であったためにこの話を信じたのであった。勝虎はこの話を聞いてこの問題は解決しないといけないなと思ったのであった。自分の領内にそんな危ない場所はできる限り取り除きないという思いがあった。いざ戦いが起きてその場所を敵に利用されたらたまったもんじゃないだから今のうちにと思い準備をするのであった。




そして廃墟洋館に探索しに行こうとした日になぜかその噂を聞いたのかほかのみんなもついて行くことになったのである。たしかに一人で行って万が一のことがあったらまずいので大勢で行くことに関しては反対しなかったがほかのみんなは完璧に遊び気分であった。勝虎がいくら遊び気分で行ったら命が危ないかもしれないと言ってもほかのみんなは大丈夫ですよどうせ噂ですしと言うのであった。勝虎はどうしても嫌な予感を感じていたのである。勝虎はこう見えて昔から勘がよくそれで何回も助けてもらったが今回はその中でもかなり危険だと直感がそう言っているように思えたのである。




それから勝虎たちは無事に廃墟洋館にたどり着いた時には陽が沈みかけていたのであった。そのせいか廃墟洋館は一層不気味さを増していたのである。その不気味な気配をようやく悟ったアレナたちは顔色が気楽なから不安もしくは恐怖に変わっていたのである。大半の者たちは来るじゃなかったと後悔している中である者は別の顔をしていたのである。



それはアーナスであった。アーナスだけはむしろ何かが見えてそれを追っているように見ていたのである。ほかのみんなはアーナスに何か見えているのと尋ねたところアーナスが


「先ほどから女性もしくは少女らしきものがあそこから見ながらこっちに来て言っているみたいに誘導していた。でもあの女性もしくは少女から異様な気配を感じた。おそらくあれが噂の幽霊じゃないか。」



それを聞いた勝虎以外の者は恐怖に体が震えあがったのである。出発前や来る途中まではあんなに元気がよかった者たちの面影は全くと言うほどなくなっていたのである。その中で勝虎もアーナスが見えていることに驚いたのであった。話を聞いたところ昔からなぜか見えるらしいと言ったのである。勝虎はそうかと思い洋館の探索を始めることにしたのである。人の配布は勝虎一人にほかのみんな全員と言う形になりそれぞれが洋館の中に入ったのであった。




勝虎は洋館の中に入ったが流石の勝虎も不気味に感じたのであった。だが、勝虎はもともといた世界でも幽霊とほとんど日常的に会っていたためにほかの者よりも恐怖心はなかったのである。勝虎はできる限りこちらを見ているであろう視線を無視するように探索をしたのであった。勝虎は過去にここで何があったのかを調べることにしたのである。もしかしたら勝虎自身が考えていることよりも恐ろしいことが起きたかもしれないと不安を持ちながら調べだしたのであった。



そんな時であった。誰もいるはずもない所から物が落ちてきたのであった。勝虎はやはりこちらに来たかと一人嘆くのであった。そう、勝虎が一人でいいといった理由は幽霊を呼び寄せるためであった。幽霊は基本大勢のところには現れにくいが一人となれば話は変わってくる。それに完全に恐怖に飲まれている部下を危険にさらすわけにはいかないと思い自分が囮になるために一人になっていたのであった。勝虎はいつでも戦闘行える状態で常に移動していた。勝虎は先ほど音をしたほうに行ってみるとそこには先ほどは棚に入っていた本らしきものが落ちていたのであった。恐る恐る勝虎が拾ってみるとそれはレシピ本であった。しかも今、勝虎が一番欲しがっていたお菓子の作り方が記載されていたのであった。勝虎は純粋に喜んだので帰ったら何を作ろかなと考えいたら




「そんなに気にって・・くれた。」



勝虎の耳元にこの世のものではない声、すぐにそこいるであろう声の主を確認するために急いで後ろに下がり戦闘態勢をとったのであったがそこには誰もいなかったのである。だが、とても嫌な視線はずっと感じていたのである。明らかにこちらを見ていることだけは確かであったがいくら探しても見つからなかったのである。勝虎は強敵だなと感じながらも探索を続けるのであった。




それから一時間ぐらい探索したが成果はあんまりなかったのである。わかったことがあるとすればここは昔に存在していた国の王様の別荘でここには側室の娘が暮らしていた。だが、ここの王国は昔、500年前にに滅び今では建物はもうすべてなくなっていると考えたほうが良い。それなのにこの建物はまるでついこの前まで暮らしていたかのように残っているのである。もちろんこの辺一帯には人は誰もいない。それなのに・・・それとなぜか不気味な視線が多く感じられるようになった。幽霊が集まってきたのかなと考えていたら勝虎の前に体中から血を出し生気が完全になくなっている女性と言うより少女がいたのであった。



勝虎はそれを見てすぐに話し始めたのであった。



「君がここの洋館の主かな。私は七代目・魔王の上杉勝虎と言うものだが実はここに用があってきたのだがぜひとも君の名前を聞かせていただけないであろうか。」


向こうの返事はなく突然の攻撃で話し合いはできないと分かり勝虎は急いでアーナスたちのところに向かったのである。今、ここにいる幽霊と話し合いができない以上ここにいるのは危ないと判断し部下たちと一緒に逃げることにしたのであった。アーナスたちを探していたら部下の一人の斎藤が姿を現したのであった。





勝虎は急いで斎藤のところに行き何があったと聞いてみたところ急に幽霊が「現れて逃げている最中にみんなとはぐれてしまったというのであった。それを聞いた勝虎はほかのみんなを斎藤と一緒に探し始めたのであった。そしてすぐに直江が見つかって斎藤が喜んで直江のところに行こうとしたが勝虎が止めたのであった。それは直江から不気味な気配を感じ取れたのであった。そして来ないことが分かった直江が近くに迫ってきた。そして近くになるほどその姿が分かってきたのである。勝虎はその姿を見て思わず斎藤を引き連れて入り口に走ったのである。その理由は直江が生気もない笑顔でこちらに向かって来ていたのである。そしてその目は間違いなく獲物を見つけた眼であった。勝虎はまず斎藤だけでも逃がそうと入り口に走ったのである。



だが、入り口はなぜか開かないのであった。勝虎が必死に開けようとしても開けられなかったのである。その間にもゆっくりと生気を失った直江が近くまで迫ってきていたのであった。状況を整理するために逃げろうとしたその瞬間、斎藤に止められたのであった。勝虎は必死に斎藤に向かって



「斎藤、お前が直江に対する気持ちはわかるが今は逃げないと取り返しがつかないことになるぞ。」



その言葉に反応して斎藤が言葉を出したのであった。



「大丈夫ですよ、魔王様・・・・・もう直に魔王様も・・・・仲間になるから。」



勝虎は自分の目を疑った先ほどまで普通であった斎藤までもが生気を失った笑顔と言うより狂気の末にできた笑顔ともいえるべき姿で勝虎を逃がさないようにしがみついたのであった。勝虎は二人はすでに・・・と思いながらも二人を助けるために斎藤を振り払ってその場から逃げ出そうとしたが目の前からにも月姫が現れたのである。もちろん、生気はなく不気味な気配を出していた。



ここで勝虎はあることに気が付いたのであった。幽霊は最初に数よりも怖がっている者のところに向かう習性があったことに思い出したのである。恐らく最初はアーナスたちの方から襲われてバラバラになったところを幽霊にやられたのであろうと考えた。そして次々幽霊を増やしていき最後にあんまり怖がっていない人のところに集まったというべきであろう。それでここに入る前の部下の様子を考えておそらく自分以外はもうここの幽霊となっていると分かってしまったのである。その証拠に時間がたつにつれて視線が増えていった理由も納得いくのである。



勝虎は自分が置かれている状況を理解し一旦身を隠すことにした。勝虎はかつてない速さで二階のある部屋に入って一息つけると思って後ろを振り向いた瞬間、目の前に生気がなく不気味に笑顔を出していたアレナがいたのである。



そう最初から気づくべきであった。この洋館に入った瞬間から安全の場所はないことに噂通りに一回入ったら二度と出てこれないことに勝虎はここに来て気づくのであった。



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