第十三話、アーナスの受難??

勝虎はどうしてこうなったとため息をついていたのであった。それは数時間前にさかのぼる。勝虎はエルフたちを引き連れて城まで帰ってきたところまではよかったがその後から問題は発生したのであった。月魔族の者たちがなぜにエルフと一緒に戦わなければならないのですかと一部の者たちが反抗してきたのである。特にアーナスや斎藤辺りがすごい不満が持って言ってきたのであった。もちろん何とかしようと考えた結果、そんなに戦いをしたければしてもいいが条件付きの戦いだがなと言ったらアーナスとアレナが側近の座をかけて勝負することになったのである。正直、勝虎はどうでもいいなと思っていた。その理由は・・・政治に関して手伝ってもらえることがないからどっちでもいいと言う理由であった。だが、男子の場合はできる限り避けたい・・・・美少女もしくは美人と一緒に仕事をしたいから。そんな下心を思いながら勝負をすることになったのである。



三回の勝負で決めることになったのである。まず一回戦は知識勝負になった。先に十問正解したほうが勝ちと言うものであった。最初の一問目は



第一問、今いるこの城の名前は何というでしょうか



それを聞いた二人はさっそく頭を抱え込んだのであった。勝虎は知らないのかよと思ったのである。まあ、アレナはまだ来たばっかりだからしょうがないとしてアーナスはずっとここにいるでしょうとある意味勝虎も頭を抱え込んだのであった。ついでにこの城は戦国時代の安土桃山時代にみたいな城にしたために桃山城と決めたのだがアーナスには何回も伝えたはずだが・・・覚えていないのかと分かってしまったのである。時間も経ち時間もただ過ぎて時間もないから結局一問だけ正解したら勝ちになり勝負が続いた。二人はいろいろな答えを出したがすべて外れ一人助っ人を呼んでもいいことになった。アーナスは直江を選んでアレナは安田を選んだのであった。そして勝負を再開した瞬間に安田がアレナに助言してアレナがついに答えを出したのであった。



勝虎はようやく終わったとため息をついたのであった。二つ目の勝負に移動する目での間、アーナスは


「罠だ、これは罠だ。これは私を負けさせるために仕組んだ罠。助っ人を呼んで一瞬で正解するなんておかしいじゃないですか。それが罠だと言う証拠。」


勝虎は昔、どこかのアニメで聞いたことがあるようなないようなセリフを聞きながら次の勝負の準備をするのであった。次は料理対決になったのである。勝虎はこれは別に側近がやることではないよなと疑問に思いつつ勝負の審査員になるのであった。勝虎はこれでアーナスは終わったなと思ったのであった。アーナスの料理の腕は知らないがアレナの料理の腕はものすごい実力がありアーナスがそれ以上の実力があるように見えないからであった。まあ、まずくなければいいかなと勝虎がそう思うのであった。



一方、アーナスは大ピンチを迎えていた。実のところ料理なんてしたこともなくまず何をするのかもわからずパニック状態になっていた。ついでに料理はそれぞれ個室のために誰も見られていないので本心が丸出しであった。そんな時にどこからか声がしたのであった。



「まったく、女子なのに料理も出来ぬとはこれではいつまでも結婚できぬぞ。」



アーナスは驚いてすぐに臨時体制をしたのである。それからどこからか獣耳がある女性が出てきたのであった。アーナスは誰だと尋ねたところ向こうの女性が



「相手を知りたいときにはまず自分から名乗るでしょう、アーナスちゃん。不審者に見えるかもしれないけど怪しい者じゃないわ。」


だが、アーナスはいきなり現れた女性に深く警戒心を持っていたのであった。まず、ここまで誰にも気づかれずに侵入できたと言うことは少なからずただ者ではないと言うことが分かりアーナス自身もこの底知れない実力を感じていたのである。向こうの女性が警戒心を解くためかね乗り始めたのであった。



「私の名前は災狐と言うの。先ほどから見ていたけどこのままじゃ確実にあなたは負けるわよ、エルフのアレナちゃんに。」



アーナスはどこまでこの女性は我々のことを知っているのだと思い戦闘態勢を始めたのであった。そして剣を抜こうとしたのを見ていた災狐はため息をつきながら



「まったく警戒心が本当に強い子ね。別にあなたを助けるために来たのにこれじゃ話にもならないわ・・・・仕方ないからあなたを助けるためにあなたの体を貸してちょうだい。」



そう言って災狐は霧になりアーナスの体に吸い込まれるように入っていったのであった。それからアーナスは急激に調子が悪くなりアーナス自身、一体どうなっているんだと思っていた時にどこから声がしたのである。



「流石だな・・・・まさか、ここまで入り込んで意識を保っているとはな。お主、精神乗っ取りをしてくる相手に強いであろうな。じゃが、生憎、童はそれ以上の力であるのでの。」


それを最後にアーナスは意識を失い倒れかけたがなんとか踏みとどまったのであったが意識は完全にアーナスではなく災狐になっていたのであった。



「さあ、この体の主のためにも久々に料理をしてみるかの。」


そう言ってアーナスの体を乗っ取った災狐は料理を始めるのであった。




そのころ勝虎はアレナの料理を召し上がっていたのであった。みんな、流石アレナだなと感心していたのである。勝虎も含めてみんなはアーナスがこれ以上の料理を出してくるとは思えないでいたのである。もちろんアレナもそう思っておりそれが言葉に出て



「この戦い、私の勝利ですね。」


と高らかに勝利宣言したのであった。勝虎は昔、アニメでそんな負けフラグのセリフだった気がするがたしかにここまでうまい料理を超えるとなるとそれこそ騎士なんかより料理人なれよとアーナスに対してツコッムレベルである。




そんな時にアーナスが姿を現したのであった。勝虎は目を疑ったのである。明らかに元々いた世界でプロ中のプロが作ったであろう料理と同じぐらいの物を持ってきたのである。ついでに驚いているのはほかの者も同じであった。勝虎はあ、味は大したことはないかもしれないと思いながら食べてみた。



結果はおいしさのあまりに涙が出るほどであった。元居た世界でもこんなにおいしい料理は食べたことがなかったほどである。アレナはまさかと思い一口食べてみたがそれを食べた瞬間、アレナは完璧な敗北を悟った顔になったのであった。ほかの者も食べたがすべてアーナスのほうがうまいと決まり二回戦目はアーナスの勝利に終わった。



最後の三回戦目は美貌である。勝虎はだからそのスキルが必要なのは側近じゃなくてむしろ側室じゃないかと思い始めていたが勝負は始まったのであった。内容はシンプルで好きな服を選んで自分の美貌をよりうまく見せつけられたほうが勝ちよ言うものである。アレナは先ほどの負けを取り返すために必死に選んでいたのであった。勝虎はいつも騎士の精神が強いアーナスがそんな女子みたいなことができるはずが・・・・ないと言い切れない。先ほどの料理は完璧に不意打ちを食らったのであった。




そんなことを勝虎が考える間にもアーナスに取りついた災狐はゆっくりおしゃれをしていたのであった。そんな時に精神の中でアーナスが目覚めたのであった。アーナスは勝手に人の体でいろんなことをやるなと必死に言ったが災狐は



(まあ、まあ、この勝負が終わったら素直に返してやるからもうちょっと貸してくれないかの。それにお主はそこから見ておくと良い。お主もかなりの美貌があることを皆に見せつけるためにもね。)



アーナスはそんなことはしなくもいいからと言ったが災狐はガン無視し勝負の準備をするのであった。アーナスはもうどうにもなれと思い災狐に任せるのであった。




そして勝負がついに始まったのである。先手はアレナで自分の似合った服でさらに魅力を高めたのであった。これには審査が厳しい月姫も高評価を得らえたのであった。勝虎もまさか、月姫があそこまで高い評価をするとは思いもしなくさすがに・・・いや、ここから逆転劇が怒るかもしれないと考えていたのであった。そんな時にアーナスが姿を現したのであった。勝虎は心の底からあることを思ったのである。



(お前は誰だーー。こんなアーナスは知らないですが???)



あまりにも普段と違く絶世の美女と今の姿を見れば納得してしまうほど今のアーナスは美しかったのである。それはアレナも思いアレナから自分の負けですと言うのであった。ついでに精神の中にいる本当のアーナスは



(ごめん、アレナ。それは私じゃなくて変な狐なんだよね。たしかに体は私の物だけど精神は私じゃないだよね・・・・それよりも自分で自分を見たけど・・・・正直にこの人だれ?と自分でも思ったレベルなんですけど・・・)



そう思っていたのである。災狐はまあ、勝ったことだしいいじゃないというのであった。その後は素直に災狐はアーナスの体から出て行ったのである。アーナスはもう二度と私の体に入ってくるなと言ったが災狐は意地悪そうにまあ、努力はしてみるかのと言って姿を消したのであった。



翌日、アレナは素直に敗北を受け入れ側近の座を諦めていたがアーナスの方から別に側近は一人じゃなくてもいいじゃないと言ってアレナも側近になることになった。これにはアレナも大変喜び、アーナスに感謝したのであった。だが、アーナスはまあ、勝ったのは自分じゃないけどアレナに恩を売っておいたし自分も側近の座を守り抜いた。それにアレナと言うエルフは思っている以上にいい感じであった。その証拠にほかの者よりもいろいろとできるのに絶対に上目線から話したりすることはなかったのである。そしてアーナスの考えも少し変わりまあ、エルフでも性格がよくいい奴はいるのだなと思いながら今回の事件?は素直に本当に丸く収まってよかったと思うのであった。



そんな時にどこからかそれだったらまた体を借りて言いかとどこから聞こえ反射的にアーナスが



「それはだめに決まっている。その前にどこに隠れているだー。」


一人、声を出して叫ぶのであった。後日、勝虎がアーナスは状態不安定なのかと疑問に思いアーナスに聞いたところ。それを聞いたアーナスは必死に否定をするのであった。



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