第十二話、結ばれる想い

勝虎は族長の家に帰りアレナが起きるのを待ったのである。それから数時間後、アレナが目を覚ましたのである。しかし、厄介なことにアレナは昨夜のことを覚えていなかったのである。それもそのはずである。本能に支配されていたから記憶がないのは当たり前であった。そこで勝虎がとった行動はそれを制御させる魔法と道具をつかうことであった。ついでにこの道具は伝説級の品物であったがこの先のことを考えた結果、今ここで使ったほうが良いなと思い使うことにした。それにいくら伝説級の道具でも使わないとただの荷物である。それだったら今ここで使ったほうが良いそうして使ったのである。



それから勝虎は族長たちと会議を開いたのである。それは族長はもちろんエルフたちは神々と戦うことに決めた。だがエルフたちだけでは到底神々に戦いを挑んだところで負けることは最初から決まっているがもし魔王軍の配下になればまだ勝機はあると考えそれと里を二度も救ってくれたと言う二つの理由で里の意見は決まったのである。



このことには勝虎も大変喜んだのである。だが、族長はある提案を出してきたのである。それは里にかかる税金を減らしてほしいと言うものであった。勝虎はついでに前はどれぐらいだったと尋ねたところなんと九割も持っていかれていたことが分かったのである。それが分かった勝虎は衝撃を隠せないでいたのである。そんなに取られたら暮らしなんてできはしないだからエルフたちはこの森の奥で隠れながら暮らしていたのかと思ったのである。そうして勝虎が新しく決めた税金の設定を言うのであった。



「わかった。これからは二割でよい。八割はお前たちの物だ。それと子供を養っている家族に関しては子供が成人するまで税金は免除する。族長殿、これでよろしいですかね。」


族長は泣きながら喜んで承諾したのである。それもそのはずである基本的に良くて六割ぐらいが限界でありひどい所では一割ぐらいしか残らないところもあった。だが、この勝虎はその上の八割を残してもいいと言ったのである。族長は感謝しかなかったのである。



その後、勝虎は里のエルフで義勇軍になる者たちを募集したのである。そうしたら集まったエルフたちは何と二千人にも上ったのである。その中で子供がいる者を除外したがそれでも千人以上は残ったのである。勝虎は族長にこの義勇軍を引き連れてもいいですかと尋ねたところ族長はもちろん構いませんと言ったのであった。勝虎はわかりましたと言い集まってきたエルフたち、全員に言葉をかけるのであった。



「よくぞ私のために集まってきてくれた。まずは私の底紹介からすることにしよう。私は七代目、魔王の上杉勝虎である。わかっているかもしれないが私はエルフたちの力を高く評価している。私自身はエルフは数は少ないが天使や月魔族よりも優れていると思っている。世間ではエルフの実力は天使や月魔族よりも下に見られている。たしかに魔法だけでは確かに月魔族や天使に劣るところはあるがそれでもかなりの力を持ちその上、白兵戦を行える君たちは大変この先の戦いで活躍できるであろう。そして証明させてくれ君たち、エルフはどこも劣っていない月魔族と肩を並べることができる種族だと言うことをぜひ私に証明させていただきたい。そのためにこの魔王・勝虎にどうか力を貸してほしい。」



勝虎は集まってきた義勇軍に対して演説をしたのである。それは勝虎が心から思っていることであった。そもそも勝虎自身、差別が嫌いなものでありそれもなくしていきたいと心から思っている者でもあった。その熱意に集まってきたエルフたちはどんどん高まっていたのである。そして勝虎が



「そして、未来への子供たちに明るい未来を・・・そして自分たちは未来のために子供や子孫のために戦ったと誇れるためにも今こそ、この魔王と共に立ち上がろうではないか、エルフの戦士たちよ。」



広場で行われていた演説は最高の高まりを見せたのである。義勇軍皆で魔王様、万歳と声が上がるのであった。そして勝虎は演説を終えて出発は三日後にすると伝え解散させたのであった。



その後は一旦族長の家に戻り休憩しようとして時にアレナが訪問してきたのである。何事かと思い聞いてみるとアレナはもっと力をつけて勝虎の役に立ちたいと言うものであった。勝虎は準備のために三日間を用意したが確かに何もしないのはよくはないなと思いアレナの修行に付き合うことにしたのであった。それが大変なフラグになることはこの時の勝虎は知る由もなかったのである。



翌日から修行のために森に入ったのである。そこで勝虎はアレナに修行をさせながらいろんなところを歩いたのであった。アレナが不思議に思い聞いてみたところ勝虎は地形を見ることも大切なことだと言うのであった。



昔の人は天、地、人の三つがある。天はその時の天候や状況のことを差し地は地形のことをそして人は結集や信念の強さをさしているとアレナに教えたのであった。もし、この三つが完璧に揃ってなおかつ敵も知れば負けることはないと言うのであった。勝虎は個人の修行だけでもなく集団戦闘の心構えも教えたのであった。



二日目は森で歩いていたらなんとアクアドラゴンに遭遇したのである。アクアドラゴンは基本水場がある森で生息しており基本的にドラゴンの中ではおとなしい部類に入るが敵だと判断したら下手なドラゴンよりも凶暴になる習性をもつドラゴンで名前の通りに水系魔法も得意で中でもアクアレーザーと言うものも使い鋼鉄も貫くほどの威力が出ると言われ森の番龍とも呼ばれている。それが今、目の前に現れたのである。勝虎はアレナのいい修行相手になるなと思いアレナに戦うように言うのであった。



アレナは勝虎の期待を応えるべくアクアドラゴンに戦うように伝えたのであった。勝虎はそれでわかるのかと疑問に思っていたがアクアドラゴンは理解をしたかのように戦闘態勢をしたのであった。そうして戦いが幕を開けたのであった。勝負は程互角であった。そんな激しい戦闘が行われている中で勝虎は森でいい宝石を見つけ磨いているのであった。時々扇を持って応援をするのであった。そして戦いは長く続き勝虎の方も宝石を磨き終わり大変きれいなサファイヤとなりそしてそれを加工していたのであった。そんな時であったついに均衡状態であった勝負に動きが見られたのであった。



アクアドラゴンが飛びながら戦っていたが知らないうちに翼が巨木の蔓がいくらかも絡まってしまったのである。それはアレナがうまく地形を利用しアクアドラゴンに気付かれずに罠にはめたのであった。それを見ていた勝虎は純粋に・・・・俺の近くはなぜこんなに天才が多いだと思ったのである。勝虎はまあ、アレナはハイ・エルフだししょうがないけどと思うのであった。そうも思っているうちに勝負が決まりアレナの勝ちに終わった。その後はなんと龍との契約もしたのであった。ついでにアクアドラゴンは上位クラスである。勝虎は・・・実は俺はいらない子なのかと思い始めるのであった。



夜にもなり巨木の枝で一夜を過ごすことにしたのであった。だが、アレナの様子が変化があったのである。勝虎はまさかと思いながらも見ていたがそれはあの数日前のあれと似ていたのであった。昨日は別に大丈夫だったのにと思っていたがアレナ自身もそれなりの体力を失っておりすぐに襲い掛かることはしなかった。まだ片目が青緑目をしているためであった。




勝虎はどうすればいいと思いながら考えていたらアレナがほしいと言ったのである。ないが欲しいのかは勝虎は状況的に感じたのであるがそれでも本人にどうしても聞きたいことがあったのである。



「・・・アレナ、俺のこと・・・好き・・・かな?」



物凄く恥ずかしそうにしながら勝虎が言ったのである。日本では誰も告白はしたこともなくまあ、童貞歴&彼女いない歴=実年齢の男だったのでまさか本気で好きになれる女性はいるとは思いもしなかったために告白の練習もしたこともないので結果的にこんなことになったのである。ついでにこれを言った瞬間、勝虎は深く後悔していた。普通ならもっと時間をかけるものなのにこんな出会って間もない女性に告白するなんて正気じゃないと思いながらしていたら



「はい、大好きです、魔王様・・・いや勝虎様どうか私の想いを受け取ってください。」



勝虎はつまりいいと言いうことなんだよねと自分に言い聞かせながらわかったと言って深くキスをするのであった。それから二人は満月の月夜の中で抱き合うのであった。






しばらくして二人は疲れ果ててそのまま寝てしまったのであった。そこに狐妖怪の災狐が現れたのであった。二人に暖かい毛布で二人をかぶせてあげたのであった。



「まったく、若いだけにあってとても暑いのじゃな。ついでにそこにいるアクアドラゴン。お主の主人とその主人の大切な者に危害を加える気はないから安心するのじゃ。新たな絆が結ばれた祝いにこれでも置いておくのじゃ。」


それは紅白饅頭に日本酒を出して置いていくのであった。ついでにアクアドラゴンには大きな魚をあげたのであった。そうしてある言葉を言うのであった。



「結ばれてよかったな、アレナに魔王もしくは勇者・勝虎よ。また今度はちゃんと言葉で言うからまた会いましょう。」


それだけを言ってその場から霧のように消えるのであった。




翌日、二人は起きたら昨夜のことを恥ずかしそうにもしながらまた軽くキスをするのであった。それから近くに紅白饅頭と日本酒が置かれいることに気が付いた。二人は誰が置かれていたのかと思いもしながら昨夜のことを見られていたじゃないかと思い一層、二人は赤くなるのであった。その日のうちに勝虎たちは里に戻ったのであった。安田は昨夜はお楽しみにできましたと言われ犯人はお前なのかと聞いたところ犯人ではないと言うのであった。二人はそれでは一体誰なのかと思ったがこのことは二人の秘密にすることにしたのであった。そうして勝虎たちは出発をするのであった。里のみんなが盛大に見送ったのである。



それを遠くから見守るかのように見ている災狐の姿もあった。なぜ、勝虎たちを見守っているかは誰も知るもよしもなかったのであった。




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