第九話、勝虎とアレナ

そうしてエルフの有力者たちが集まって会議を開いたのであった。それはもちろん、安田のことと勝虎は魔王軍に所属しており一緒に戦ってほしいと言う目的で来たために協力するかの会議であった。だが、なかなか思うように話は進まなかったのである。それもそのはずである。大事な戦力がいなくなっては里が危険な状況に落ちいた時に誰も助けてくれなるからである。それに月魔族に味方すると言うことは天使族はもちろん人間も敵に回す可能性が高くなるからである。それに月魔族に味方するのを反対するのには理由があった。五代目の時代までエルフは月魔族の支配下置かれて長い苦渋の時代を過ごしたのである。そのため未だに月魔族を敵対する者もまだ里にいるのである。



実のところ勝虎自身もエルフを何人か殺したこともありその時の記憶がよみがえり何も強くいないのであった。しばらくして保留と言う形で一度終えたのであった。その後に勝虎は族長と安田に話がしたいと言って三人以外はその場を後にしたのであった。



族長と安田は何事かと思ったのであった。何か大切なごとなのは勝虎の目を見えばすぐに分かったのである。それほどの重要なことは一体なんだと思いながらも勝虎が口にしたのであった。



「ここに昔、リーフそれとシーナと言うエルフはいましたか。どうか素直に答えてください。」



二人は驚いたのであった。それはかつて里の英雄と呼ばれていた二人であるから二人は大変仲いい夫婦でもあった。五代目、魔王軍の時でもその強さで大変貢献したがある時に二人が勇者に負けて捕まりその後に勇者に殺されたと伝えられたのであった。最初は誰も信じていなかったが時間がそう信じさせるようになったのである。そしてその勇者が五代目、魔王を倒した後にこの里は誰にも見つからないように森に結界を張り外の世界と鎖国状態にしたのである。安田がなぜ、二人を知っているのかが気になり聞いたところ衝撃な答えが返ってきたのであった。



「そのリーフさんそれとシーナさんの二人を殺した勇者は・・・・私です。かつて人間だったもしくは勇者だった時にその二人を殺しました。その証拠に私の大きなバックの中にシーナさんの形見とも言える弓を持ってきました。」



二人は急いでそれを確認したのであった。二人は言葉を失った。それはまさしくシーナが使っていた弓であった。この男は嘘は全く言っておらず二人の仇とも言えるものであった。その時に外から聞いていた一人のエルフが出てきたのであった。それはアレナであった。そして



「あ、あなたが私の両親の仇なのね。答えなさいよ。」



勝虎はその後静かに言葉を出したのであった。その言葉は冷徹さを感じるほどの声で



「そうだ、最期まで最愛の娘に会いたいと言っていたお前の両親を殺したのはほかの誰でもないこの私だ。」



その言葉を聞いたアレナは飛び掛かるように勝虎を襲ったのであった。勝虎は避けようともせずに攻撃を食らったのであった。その後も息もつかずにアレナは攻撃し続けた。勝虎はそれをすべて避けずにすべて受けていたのであった。それを見た安田と族長がアレナを止めたのであった。安田は暴れているアレナを別の部屋に一緒に移動したのであった。その後、部屋には族長と勝虎の二人のみだけであった。




族長は冷静であった。それはアレナに殴られている時に勝虎は泣いていたのであった。その涙は明らかに体の痛みではなく心の痛みだと族長は感じていたのであった。それに本当にただの理由で二人を殺したなら言うわけもないそれとこのシーナの弓はすごくきれいに整備されていた。おそらく二人が死んだ後も大切に持っていたに違いないだとすれば二人を殺した理由はもっと大きな理由があるに違いないと考えた。少なからずにこの勝虎と言う人物は二人を殺したことをずっと後悔していたのであった。族長は真実を知るために勝虎に言ったのであった。



「あなたとリーフ、シーナの関係それと真実を話していただけませんか。」



それを聞いた、勝虎はほかの者に絶対に言わないでくださいと言ったので族長が無言でうなずき。その後、勝虎は泣きながら語りだしたのであった。それは族長が考えていたよりもずっと深い闇の真実であった。





語り終えた勝虎は聞いてくれた族長に感謝したのであった。族長も勝虎に感謝したのであった。そして族長は勝虎に向かって言うのであった。



「もう知っているかもしれませんがアレナはリーフとシーナの間の子供で家族仲良くアレナも両親のことが大好きでありました。ですのでどうか先ほどのアレナの無礼を許してください。」


勝虎は当たり前ですよと言った。その後、族長が私の家でも今日は泊ってくださいと言ってそのまま族長の家に泊まることになったのである。勝虎は族長の家で荷物を整理終えた。その後は夕食を取り一夜を過ごしたのであった。翌日、朝早くに族長から里の温泉はいかがかなと言われ言葉に甘えて勝虎は温泉に向かったのであった。族長曰くその時間帯は混浴だがあんまり来ないらしいのでゆっくりできると思い温泉に入ったその時に一人先客がいたのであった。それはアレナであった。




勝虎は急いですまなかったと言って出ようとしたがアレナが話があるから一緒に入りなさいと言われ勝虎は素直にアレナの言うことに従ったのであった。それからアレナが言い出したのであった。



「昨日はすまなかった。一方的に殴ってよく考えたら理由もなしであんなことを言わないよね。それに自分を殺してくる相手も助けようとするはずもない。もしただ、単純に殺したならあの時、私も見殺しされるよね。あなたが真剣に私たちを助けてくれた時、真剣そのものだった。だから知りたい。そんなあなたはどうして私の両親を殺したの?」


勝虎はどう返したらいいかわからなくなった。ただこう言い返したのであった。



「お前の両親は誇り高い戦士であり親であった。それだけしか今は言えない・・・すまない、アレナ。」



アレナは自分が思っていた答えは返って来なかったが少なからずに親のことをよく思っていて深い事情があったことにはわかったのであった。アレナはいずれは話して網からと言って温泉から出て行ったのであった。その後、勝虎は温泉につかりながら考えるのであった。あの子にどう言えばいいのか見つからなかったのである。しばらくして勝虎が温泉を後にしようとした瞬間、里の外から強い殺気を感じたのであった。勝虎は急いで里の入り口に向かったのであった。



そこには大きな聖龍がいたのであった。来た理由は簡単で神々に協力しろと言うものであった。だが、族長は首を横に振ったのである。エルフはあくまで中立であると言ったが聖龍がそうかそれがエルフの答えかと言って里に攻撃を開始をしたのであった。それに真っ先に応戦したのがアレナであった。



それを見た聖龍が思い出したかのようにアレナを見て言うのであった。



「お前を見ていると研究材料にしていたシーナとエルフを思い出す。」



アレナは驚いた顔で聖龍に対して言い返したのであった。



「なぜ、母さんの名前をお前が知っているだ。それに研究材料とはなんだ。」



聖龍が当たり前のように言い出したのであった、それも楽しそうに。



「簡単なことだ。神々の最強の軍隊を作るための第一段階死も恐れぬものを作り出す。それの研究材料にお前の母と父はなったわけだ。なかなかいいところまでいったが廃棄処分したかな。理性もない失敗作であったが最後まで娘のことを気にしてまるで獣のようであったぞ。」



アレナは泣き止まったのである。自分の大好きな両親はそんな理由で殺されたのである。ショックで何も出てこなかったのである。それを見ていた聖龍が安心しろお前も親の元に連れってあげようと言って大きな爪でアレナを引き裂こうとした瞬間、目の前に怒りそして魔王の気を待っている者に



「・・・・この外道が。」


そう言って聖龍を斬り飛ばしたのであった。聖龍は痛みにこらえながらお前は誰だと問いただしたら



「生憎、獣以下の外道に名乗る名はないが今回は名乗ろう。我は魔王、上杉勝虎なり。そして、お前を殺すものだ。覚悟しろ、生まれてきたことを後悔させてやる。」



そうして聖龍と魔王の戦いの火蓋は切って落とされたのであった。


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