第八話、エルフの里

二人は急いでエルフの里に向かって走り続け約一時間後には到着したのである。ついてまず勝虎が思ったことはあまりにも活気がないと言うことであった。基本的に警戒用に作られていた櫓に見張りのエルフがいないことに里に入っても誰もいないことに勝虎はかつていない危機感を覚えていた。勝虎は急いでアレナに患者はどこに集まっているかと聞いたのである。


「里の集会場に集まっている。私が案内するから急いで。」



アレナが急いで里の集会場に勝虎誘導しようとしたが勝虎は場所はわかっているからアレナは薬の材料を集めてくれと言って材料の一覧をメモに書いてアレナに渡してから勝虎は急いで里の集会場に向かった。そこで勝虎は悲惨な現場を目撃することになった。



そこには無数のエルフが猛毒感染症によって苦しんでいた。ある者は猛毒で血を吐きある者はその毒で体の一部が変化していた者もいた。さらにはその両方の症状を出ていた患者もいた。もしあんまり戦闘を経験していなかったら吐き気は避けられないだろう。だが、生憎なことに勝虎はそれ以上のことを経験していたためにすぐに患者の治療に当たったのである。



幸いなことに体力を回復させる薬草は山ほど採ってために重体な患者はまず薬草で回復と毒の進行を遅らせたのである。そして軽い者から解毒剤を打っていた。軽い者から打ったのには理由があったそれは動けるものの人数が足りないことであった。解毒剤を作るにも手順がある。一人では到底間に合わないだからここは軽い患者を直して人手を増やそうとしたのである。



勝虎の努力のおかげで診断初日には大体患者の一割が回復したのである。まず、回復したエルフが驚いたことは自身の回復と月魔族がここにいると言うことであった。最初は警戒して拘束しようとしたがアレナが必死にほかのエルフたちを説得したのである。今、元気になっているのはここにいる月魔族のおけげでしょう。この月魔族はほかのエルフも助けようとしているのにお礼どころか拘束するのはあんまりですと言ってエルフたちは拘束することをやめたのである。



それから勝虎はほかのエルフたちも助けたいから病気が治ったエルフたちに土下座をして頼み込んだのである。ほかのエルフたちはまさか土下座をしてくるとは思いもよらなかったみたいで罠かと最初は思ったが勝虎の熱意が徐々に伝わりエルフたちは協力することにしたのである。



翌日からみんなでほかの患者の治療に当たり次第に患者の数も減りそして半月後には里のみんなを救い出すことに成功したのである。それを確認した勝虎はずっと徹夜状態であったために倒れるかのように眠りについたのであった。





・・・・勝虎は懐かしい夢を見ていた。それはまだ自分が勇者であった時に魔獣に不覚を負い森で重体になっている時にあるエルフがわざわざ里まで運んで治療をしてもらったのである。もちろん勝虎は深く感謝してエルフにできることがありましたらなんか言ってくださいと言ったがそのエルフは困っている者がいたら助けるのは当たり前であろうと言って何も求めなかったのである。勝虎は失礼だと分かりながらもその理由を訊ねるのであった。そのエルフは



「まあ、信じてもらえないかもしれないが拙者は昔、日の本の越後を支配していた上杉家の家臣であった。それで大将であった上杉謙信様は困っている者はどんな人でも助けるお方じゃた。某はそれを憧れてただ同じことをしただけだ。もし、本当にお礼をしたいならその正義を持っていた上杉謙信様に感謝してほしいものだ。」



勝虎は驚きながらその話を聞いていたのであった。それはそのはずである。勝虎のご先祖は上杉謙信の養子、上杉景虎であったためであるからである。その話が正しければご先祖の家臣に当たるものになるから確認も含めてまた尋ねったのであった。



「お名前は何と申しますか。ぜひとも覚えていたいのです。どうか教えていただきたら幸いです。」


そうしたらそのエルフは笑顔にしながら答えたのであった。


「わかりました。拙者の名は・・・・・」



勝虎は目を覚ましたのであった。それは懐かしい夢でありそしてこの里を知っていた理由でもあった。とりあえず状況を確認することにしたのであった。近くで心配してくれたアレナが横で寝ていたのであった。勝虎はまた、寝起き開幕ですかと思いながらも起き上がろうとしたがまた枕代わりにされて動ける状況ではなかったのでしばらくそのままで待つことにしたのである。



勝虎は考えことをしていた。それは一応、恩は売れたけどこちらも昔にエルフに助けてもらったことがあるため強くは言えない。それに里は助けられたとは言え数は減っただろうしと考えていたらアレナが目を覚ましたのであった。アレナはまた抱き枕代わりに使ったことに謝ったのである。勝虎は普通に別にいいと言ったのである。理由は単純で美人もしくは美少女みたいな人に抱き枕代わりにされて怒るやつはまずほとんどいないだろう。まあ、ホモは別かもしれないが勝虎はノーマルであるためにむしろご褒美に入るぐらいであった。




そんなことは考えていたらエルフの族長らしきものが出てきたのである。それは里を助け頂きありがとうと言う感謝しに来たのである。勝虎は笑顔にしながら困っている人がいたら助けるのは当たり前ですよと言ったのである。そうしたら族長があのエルフに似ているなと言ったのである。勝虎は返すように



「そのエルフの名前は安田長秀と言うものでございますね。実はその者に会いたいのですが会わせていただきませんか。」


族長がそうですかと言って使いの者に呼んで来いと言った。それからしばらくして一人のエルフが到着したのであった。その者は歴戦の猛者なりながらも誰でも接しやすい感じであった。その者が族長何の用ですかと尋ねたところ族長がこの者が会いたいと言ってきたので呼んだのだと言った。勝虎が先に言いだしたのであった。



「覚えていますか、安田長秀さん。私は森で重体にあっていた時に助けてもらいました。その時は勇者でしたが今ではこの通りに月魔族になってしまいましたが人の心それにあの時の恩は忘れたことはありません。」



それを聞いた安田はそうでありましたかと言いながらあの時に名前を聞き忘れていたので改めて安田は勝虎に対して尋ねたのであった。


「そう言えば、あの時に聞きそびえたが名前は何と申す。」


勝虎は笑顔にしながら言うのである。


「私は上杉勝虎と言います。安田長秀さんが分かりやすく言いますと上杉景虎の子孫にあたるものです。まあ、四百年後の子孫ですがね。」



安田は衝撃を受けて返す言葉が見つからなかったのであった。それもそのはずだまさか、日本から来た人は自分だけだと思っていたら目の前にいる者は日本から来ただけではなく主の子孫だと言ったからである。だが、安田はそれは嘘に思えなかったのである。その理由はかつての主、上杉謙信に重なるところが彼、勝虎にあったからであるためなんとなくであるが安田はそれを信じていた。そうして安田が言い出した言葉が



「それでは勝虎殿はエルフの里をお救いさせてもらった恩とかつての主、謙信公と同じ正義を感じました。ぜひとも某を家臣に加えていただけませんか。」



勝虎にとってうれしい話ではあったが今の安田はこの里に必要な存在であったために族長がそれでは困ると言ったのである。そうなると安田も困った表情になるのであった。ここには人間の生きてきた時間よりもここでいる時間も長いために恩義もあり迷いだしたのである。勝虎は最終的にここではなくちゃんとした場所で話し合いをしようと言ってエルフの集会場に集まることになったのであった。





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