第四話、水没森突破戦(後)
・・・どこだここはー。ある男がそう叫んだ。それもそのはずだ、男は違う世界から呼び出された者であるから。それから男はあることを考えていた。これはよく小説である異世界召喚じゃないかと思い始めたのであった。そのためか男は元気よく嬉しそうに飛び跳ねながら
「俺の夢、幻まで見た異世界生活がついに始めるんだ。さあ、何をしようかな。できればほかの作品の主人公みたいになればいいけどな。」
男は楽しそうにしながら歩きだしたのであった。だが、現実は非道であったのであることがわかっるのはまだ先のことであったのである。そう、これから起こる己の運命も分からずただ楽しそうであった。
勝虎は目を覚ました。昔、人間でこの世界に来た時のことが夢で見たのであった。あの時は本当に頭の中がお花畑であったな、今でも大して変わらないかもしれないがな。そんなことを思いながら現実に戻り今日、この先の戦いを勝つことを専念することにしようと思いながら朝食を作り出した。
それからしばらくして二人が調理していることに気が付き目を覚ました。二人は申し訳ありませんと謝ったが勝虎は子供がそんなことで謝らなくてもいいよ。それよりも御飯ができるからもうちょっと待っていてね。そうしてご飯を食べて改めて作戦内容を確認したのであった。二人は真剣に聞いて戦いの準備をしたのであった。
そして目的地に到着し作戦の準備をした。それから一時間後に多くのヒュドールセルパンが勝虎たちに向かってきたのであった。沼地の真ん中で待機しており全部のヒュドールセルパンが沼地に入った瞬間、勝虎たちは空に飛んで三人一斉に氷魔法を沼地に向かって放ったのである。沼地が一瞬にして氷の板状態になりヒュドールセルパンの群れを一気に動きを止めてその上で休む暇もなく三人は雷魔法を放ったのであった。結果はあっという間に戦いは終わり水没森から脱出しようとした時に勝虎は疲れもあったせいでかどこから出てきた糸に捕まって引っ張ってしまったのである。状況を確認したら巨大な蜘蛛に捕まっていたのである。ついでに勝虎は大の蜘蛛嫌いである。それを見た瞬間
「ぎゃあー、気持ち悪いーー。誰か、助けてくださいー、お願いしますから。」
カリスマ崩壊もいいところである。先ほどまで頼れていた、魔王は一体どこに行ってしまったのであろうか。おそらくカリスマは逃げるだよーと言って逃げたのであろう。あまりにも泣きながらお願いする勝虎を見てあっぜんとしていた二人だがすぐに助けに向かったのであった。朝信は火魔法で糸を燃やし愛は風魔法で糸切ったのであった。その後は自由の身となった勝虎が気持ち悪いだよーと叫びながら巨大蜘蛛に向かって思いっきり剣をバット代わりにして吹き飛ばした。
勝虎は二人に泣きながら感謝しながらその場を後にしたのであった。その後、二人は魔王の威厳もなくなったせいで話しやすくなったのは言うまでもない。勝虎にとってある意味ラッキーであった。そうして後は水没森から抜けるだけになったがこの場所自体が広いためなかなか抜け出せなかったのであった。ついにこの森で二日目の夜を迎えてしまったのである。だいぶ開いた場所に出たのでそこで休むことにしたのであった。昨夜と違くさらに話しやすくなった勝虎といろんな話を楽しみながら食事をしていた時に勝虎が違和感を感じ辺りを見渡しても特に変わったところがないなと確認して疲れて感覚がおかしくなったかと思いながら二人の話に戻り話をした。そんな時に朝信からこんな質問されたのであった。
「魔王様はどうして魔王となりたかったの、教えて。」
勝虎は素直に答えのであった。子供に簡単に説明しやすいようにお前たちを守りたかったために魔王となったのかなと言うのであった。二人ともかっこいいと言ったのである。ここは恥ずかしそうにそ、そうかなと言うのであった。そうして食事も終わり結界も張り、眠りにつくのであった。
そうして三日目の朝を迎えたのであった。その前に勝虎は二人を分析をしていたのであった。
まず、斎藤朝信は槍や弓、一部の魔法が得意な月魔族でこの中でも一番若いと思われる。性格は本当に素直でとてもいい子だ。次に直江愛はこちらは魔法全般的に才能を秘めており月魔族の中でも五本指には入れる実力は間違いなくある。性格も比較的におとなしく年下には面倒見がいい。絶対に将来はいい嫁さんになるなと思いながらもあることを考えていた。
それは先ほどから視線を感じるのである。最初は魔獣だと思っていたがどうやら魔獣にしては静かすぎたのであった。だが、人間でもおそらくない。この危険な森に一人で入れるものはほとんどないからである。それで残った可能性は同じ月魔族かもしくはエルフ族ではないかと考えたのであった。それだったら見つからずに監視できるのもうなずけるからである。そうなると昨日よりも厄介なことになるなと思いながらも二人に余計な心配かけたくなったので気づいていないふりをしたのであった。それから二人が目を覚まして歩きだしたのであった。
しばらくして勝虎たちはドラゴンの巣を見つけたのであったがそこには無残な光景が広がっていた。ドラゴンの子供の死体が無残にあったのである。それも四匹もである。犯人はこの傷からしておそらくヒュドールセルパン、しかも規格外の大きさを持っていることが分かつ他のである。勝虎は手を合わせて供養しようとした時に四匹のうち一匹がまだかすかに息をしていたのであった。それに気が付いた勝虎たちは勝虎と愛で回復魔法を唱えて回復させ朝信は薬で傷口を治療したのである。
だいぶ良くなってきたその時に巣の後ろから巨大な生き物が動く音を勝虎が感じ取った。臨時体制で準備していたらそこに出てきたのは文献にも書かれていないほどの巨大すぎるヒュドールセルパンの姿があった。通常の百倍ぐらいの大きさはあるかもしれないほどであった。それを見て真っ先に動き出したのは朝信であった。それを見た勝虎も朝信の後を追った。勝虎は驚いていた。朝信の速さもそうであったが攻撃力もかなりの物であった。勝虎は巨大ヒュドールセルパンの攻撃をかわしながら反撃しながら朝信のところまで行った。勝虎はなぜあんな無茶をしたんだと尋ねたところ朝信は言った。
「あんな虐殺する害獣が許せないからです。それも子供狙ったならなおさらあいつはここで仕留めておかないといけません。どんなに弱くてあいつに一矢報いってやります。」
それを聞いた、勝虎はうれしそうに
「それでこそ、男だ。やっぱりお前たちは気に入ったぜ。帰ったら俺自ら鍛えてやるから絶対に死ぬじゃないぞ。それと愛ちゃんはそのドラゴンの治療を続けてくれ。もちろん、そこには強力な結界を張ってあるから大丈夫だ。」
二人は攻撃しながら巨大なヒュドールセルパンが巻いてある中で二人同時に
「「お前を殺してやるから覚悟しろー。」」
そう二人は巨大なヒュドールセルパンに向かって叫んだのであった。
一方、それを様子を見ていた者がいた。たいへんな美少女であったがその者は人であらず一見すると天使のように見えるが羽は黒く輪も黒くにじんでいた。そう、堕天使であった。その彼女が壊れたように楽しみなながら光景を見ていた。まるで何かを見極めているようにも見えるのであった。
「せいぜい、頑張ってくださいね、魔王さん。私の主にふさわしいか試してみますよ。よい結果になることをここから祈っておきますから。」
その美少女の笑顔はあまりにも恐ろしい笑顔であった。
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