第三話、水没森突破戦(前)

アーナスたちは心配していた。あれから十日もたったが一向に戻らない魔王が心配になりアーナスはみんなを集めて会議をしていたら空からドラゴンが舞い降りてきたのであった。それもアグニドラゴンは上級クラスにぎりぎり入るぐらい強い竜である。みんなで警戒していたらそこに乗っているのは勝虎であった。勝虎は竜から降りて楽しそうに


「みんな、とてもいい場所を発見した。これからそこに向かおう。ついにでもこの竜はこの前に俺と契約した竜で名前はアグドと言うからよろしくな。」


みんなは驚いていた。場所を見つけ出すだけではなく上位のドラゴンを従えてくるとは新参の魔王がすることはではなかった。改めて魔王の実力に感心したアーナスたちであった。それから間もなく勝虎たちは付き従う月魔族を引き連れて大移動をしたのであった。最短距離でいくためその途中、水没森と呼ばれている場所を通ることになった。だが、そこで怪我をした少女が出たのである。だが、ほとんどの月魔族は気にしないで歩ていった。だが、それを気が付いた一人の月魔族が勝虎に報告に向かった。それを聞いた勝虎は急いでストップさせて後方のほうに向かって走り出した。勝虎はほかの月魔族に対してなぜ見捨てるようなことをしたと訊ねたら誰も何も言ってこないのである。それを気が付いたアーナスがほかの月魔族の代わりに代弁した。


「魔王様、ここ一帯は水没森でそこら中に巨大なヒュドールセルパンがウロウロいる場所です。ここで立ち止まれば多くの者が餌食になります。一人のために立ち止まっている場所ではないのです。ここは諦めて急いでここを出ることに専念してください。それにヒュドールセルパンは少数なるほど狙われます。」


それを聞いた報告した月魔族は俺一人でも助けに行きますと言って行こうとした時に勝虎が呼び止めたのであった。その月魔族はたとえ魔王様に止められても行きますと言ったが勝虎は意外なことを口に出したのであった。


「お前一人だけではただエサが増えるだけだ。俺もついて行く。お前たち異論は許さなぞ。アーナス、あいつらは少人数ばかり狙われるだろそれだったら俺たちが囮になるからその内にこの水没森から出ろ。これだったら文句はないだろう。」


アーナスは不満を通り過ぎて何を言っているのかがわからなかったのであった。一番偉い人が自ら囮になるなんて聞いたこともない話だ。アーナスは反対しようとしたが先ほどの言葉はおそらく自分に対してでも言った言葉であろうと理解したアーナスは反対せずに素直に大勢を急いで水没森から脱出させることに専念した。無事に魔王が帰ってくるように祈りながら。



一方、残った勝虎たちは急いで少女のところに向かった。そこには今にも食べられそうな少女がいた。勝虎は急いで周りのヒュドールセルパンをなぎ倒し少女を助け出したのであった。だが、少人数のためどんどんヒュドールセルパンが集まってきたのである。いくら勝虎が強いと言っても守りながら大群と戦うのは分が悪かった。それもそのはずである。ヒュドールセルパンは一匹、一匹でも厄介で大きさも大蛇の半分以上の大きさでそれも猛毒の持ち群れで攻撃してくるため状況次第では最上位クラスの脅威ある生物である。それでも勝虎は二人を守っていたが夕暮れとなり急いで安全を確保する場所を見つけないと暗い中、二人を守りくるのは難しいと判断し場所を探していたら水没森の中で小山を見つけそこに小さな洞穴でがあり。勝虎たちはそこで休憩することにしたのであった。



勝虎は二人と話を始めたのであった。まず、手始めに自己紹介から始めたのであった。少女の名前は直江愛と言った。もう一人の少年は斎藤朝信と名乗ったのである。二人は昔からの幼馴染であり自我がないころからよくいる仲であった。だが、勝虎は何かを悟ったのであった。それは二人は幼馴染以上の好意をお互いに持っていることも分かったのである。ここはせっかくだから二人にしておくほうが良いなと思い。勝虎は簡単に料理できそうな物を取ってくるからしばらくそこで待ってくれ、もちろん二人の周りに強力な防御結界を張って外に出たのであった。そして外には無数のヒュドールセルパンが待ち構えていた。勝虎は当分の間は蛇の料理になりそうだなと思いながら狩りを始めたのであった。



一方、朝信と愛は数時間も経っても戻ってこない勝虎を心配して洞穴から外を見てみるとそこには無数のヒュドールセルパン相手に一人で戦っている勝虎の姿があった。二人はその姿に目を奪われたのであった。それはまさしく絶対強者の姿でそれを見ずにはいられなかったのである。さすがのヒュドールセルパンも懲りたのか逃げ始めたのであった。それを確認した勝虎は笑顔で大量に食糧確保できたーと叫んだのであった。勝虎は二人の存在に気が付き。



「笑顔でごめん、遅くなったけど夕食は確保できたよ。これからそちらに戻って料理するね。こう見えて料理は得意なんだ。たとえ蛇でも・・・・大丈夫はず。」



そうして一時間後に出された料理は信じられないぐらいに大変おいしいものであった。そして食事をしながらいろんなことを話したのであった。愛と朝信はここが危険地帯だと言うことを忘れるかごとく楽しんでいた。食事が終わったら勝虎は真剣そうな顔で話し始めたのである。それはここから無事に脱出する方法である。まず、ここら一帯にいるヒュドールセルパンを沼地まで誘導して沼地にたくさんのヒュドールセルパンが入ったら氷魔法で沼地を凍らせる。そして動けなくなったところで雷魔法で一気にせん滅する作戦である。勝虎はこれを電気ウナギ作戦と言った。そしてこの作戦に二人も参加してほしいと言うことである。勝虎は仮にも魔王であったため月魔族の二人の才能もほとんど見抜いていたのであった。うまくこの二人を成長させることができたなら大きな力になると確信していた。簡単に表すと幹部クラスになれる実力を秘めているのであった。それを開花させるいい機会かもしれないと考えた。もちろん、危なくなれば助けるがどこまで頑張れるかも期待をしていた。それで勝虎は二人にこう言ったのであった。


「もし作戦が成功した暁には二人を側近衆に加える。」


今現在、魔王以外で大きな力を持っている者だけ側近をしていた。それは今ではアーナスのみだがそれに加わることになるかもしれないと聞いた二人は頑張りますと元気よく言ったのであった。勝虎はさすが若いだけにあって元気がいいなと思いつつ明日の戦いのためにも早く寝るぞと言って二人を寝かしたのであった。自分は結界をさらに増やし安全を確認したのちに睡眠をとるのであった。後に魔王軍最強の部隊、神風母衣隊の隊長(朝信)と副長(愛)の初戦闘であった。









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