手。
あなたの手はとても冷たかった。わたしの体温は少し高いけれど、それでもあなたの手は平均的な体温よりも低いとわかる。冬場なんかは特にそう。手先が氷みたいに冷たい。それと一緒で、彼はよく冷たい遠い目をする。
そんな彼をみたくなくて、わたしは自分の体温が移ればいいと思って何回も手に触れる。
彼の冷たい手は気持ちよくて、悔しいことに、わたしよりも肌の色が白い。
そうやって、この季節を彼と過ごせればいいとおもった。
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