カイロ
一緒に帰れなくなった代わりに、彼がくれたのは大きめのカイロ。今日はとても寒いから、助かった。
帰り道に、ふと立ち止まる。
ポケットの中に突っ込んで温めておいたそれを取り出す。
できることなら、一緒に帰りたかったなぁ。
くるんとカイロをひっくり返すと、彼のまるみを帯びた字で、「気をつけて帰れよ」なんてあった。ブサイクなうさぎ?とともに。
「ばーか」
カイロを握る手が熱い。
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