第2話 遭遇

告白されたのは初めてではない。変態のくせに、モテるのはいかがなものかと思うので、僕は変態なんですよ、大丈夫ですか、とこちらからも「告白」してから振らせていただくことにしている。未だに承認してくれる子は現れない。なかなか難しい問題だ。心地よい秋は過ぎ、僕の一番嫌いな季節、冬がやってきた。雪がまた降り始めたので、僕は傘を広げて、雪かきの終わった小道を歩いた。

おや。何かある。道のわき、森の入口のあたりで、なにかが煙を上げている。薪なんかではない。何やら巨大な鉄の塊が、大破して積み重なっている。

「んっ!」

何と人らしきものが挟まっている。僕は必死でそれを引っ張り出し、上着を脱いでそれの上に寝かせた。しかし…妙だ。ほとんどヒトの形をしているのに、肌が…緑色だ。これは…どう考えても宇宙人だ。ミドリ星人の体を調べてみることにした。どうやら少女のようである。僕と同じ、高校生ほどの女の子。服は…予想を裏切らない全身タイツ。未来人の可能性も視野に入れるべきか。そしてなんとも興味深いのは…その目だった。一つ、ない。つまり、一つ目の少女ということだ。なんということだろう!僕の求めていたものが、今目の前にいある!僕は柄にもなく喜びの舞いにいそしんだ。そうしていると、彼女が目を覚ました。美しい赤の瞳を瞬かせて、不思議そうに僕を見る。「…あなたは…?私は誰…?」

僕は、一つ目の、かわいい記憶喪失少女と仲間になった!!!

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