一つ目の恋

雪村紫苑

第1話 告白

一つ目が好きだ。僕がそう思った動機は、あまりに不純すぎるので言うのもはばかられる。でも特別に言うことにする。不純、というよりも、不謹慎と言った方が正しいかもしれないが。僕の母親は、僕が小学校の時に死んでしまった。事故だった。部屋でゲームしていたんだ。その時丁度大事な試合でさ。あっサッカーのゲームだったから。それではじめ爆発が聞こえたんだけど、母は料理が超が付くほど苦手で、嘘かと思うかもしれないけど何かしらを爆発させることも珍しくなかった。それで、僕は呑気にゲームしてたんだよ。その時、僕が助けに行ってれば、助かったかもしれないけど、まぁ、仕方がなかったと今でも思うね。あのひと美人でさ、お父さんに隠れて浮気してるの、僕知ってたんだ。話がそれたね。まぁとにかく、その爆発で、(多分揚げ物をしていた)母の右目が飛び出しちゃったみたいで。そんで、ぶらぶらさせたまま僕のいる二階まで上がってきたんだ。それで、その途中で持ってた包丁が何かの拍子で太ももに刺さったらしい。それで、僕の部屋までたどり着いた時には、死んでた。僕見たんだ。千切れた目玉が落ちて、肉の壁が見える、本当に節穴みたいになっちゃったお母さんの右目をさ。それで、普通は怖いだろ?でもさ、僕はとんでもない奴だから、それ見て、興奮したんだ。

 それからかな、一つ目好きのアブノーマルなイラストばかり集めたサイトを見るのが毎日の習慣になった。それで、1人ですることもあった。それ見て、また興奮してる自分見て、僕は変態だなぁって(笑)…こんな僕でもいいなら付き合うけど?…あっやっぱり無理?…そうだよね。あっちょっと…逃げなくていいのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る