1-番外 序章の座談会

白い広めの部屋にテーブルと2脚の椅子があり、ジークとシャルロットが座っていた。

メイドが2人に紅茶を出すと、部屋を出て行き2人きりとなった。


ジーク「なんで、俺たちこの部屋に呼び出されたんだ?」

シャル「なんでも、作者が次の話を考えるまでの時間稼ぎで呼ばれたみたいよ」

ジーク「これ、書いてる暇があったら、次の話書けよ」

シャル「なんか、自分の書いてる小説の登場人物に喋らせるのも書きたかったみたいよ」

ジーク「なんだ、そりゃ。要するに作者の我が儘の為にここに呼ばれたって事か」

シャル「みたいね。なんか、作者からのメモがあるのよ」

ジーク「何が書いてあるんだ?」

シャル「序章で一旦、山場を超えたから裏話でも話して欲しいって書いてある」

ジーク「裏話?そんなのあったか?」

シャル「まぁ、どうせ作者の時間稼ぎのあがきだから、適当で良いのよ」


ジーク「で、何を話せば良いんだ?」

シャル「そうね、作者のお題が適当すぎるから、こっちで勝手に決めちゃいましょう」

ジーク「良いのか?作者、泣くぞ」

シャル「良いのよ。私をこんな事に利用したんだから、罰が当たれば良いのよ」

ジーク「なんか、あったのか?」

シャル「だって、闘技大会であたしが優勝するはずだったのに、変な魔獣出してきたじゃ無い」

ジーク「あぁ、ガルムだっけ?アレは俺もしんどかったなぁ」

シャル「おかげで、私の活躍を世の皆様にお見せする事が出来なかったじゃ無い」

ジーク「そもそも、この小説って読んで貰えてるのか?」

シャル「・・・・・・・・・・・」

ジーク「未だにブックマークも評価もされてない作品だぞ、この小説」

シャル「読んでくれてる私のファンが世界には一杯居るのよ!!」

ジーク「世界って、日本語しか無くないか?」

シャル「居るの!!私が居るって言ったら、居るのよ!!!」

ジーク「そんな涙目で訴えられてもなぁ」


ジーク「話題を変えよう。序章の話だったんだろ?その話をしよう」

シャル「そうね。そっちの方が精神衛生上、良さそうだわ」

ジーク「そういや、シャルは獄炎の槍フレイムランス以外にも即時展開出来る魔法有るのか?」

シャル「いくつか有るわよ。炎系の魔法とは相性が良いみたいで、結構溜め込んでるわよ」

ジーク「なんで、ガルムの時使わなかったんだ?」

シャル「作者が忘れてたんでしょ?設定メモってるみたいだけど、要領悪そうだもの」

ジーク「そういうもんか?」

シャル「そのうち、どっかの話で思い出した様に書くはずよ」

ジーク「俺も忘れられてる設定が一杯有りそうだな」

シャル「ジークの方は大丈夫よ。作者、考えてないって言ってたから」

ジーク「おい!!」

シャル「ジークをとにかく、とんでもない場面に突入させて暴れさせたいんだって」

ジーク「常に命の危険と隣り合わせか!?」

シャル「ジークについては殺しに掛かってる様子だったわよ、書いてる様子見てたら」

ジーク「後で、裏庭でボコボコにしてやる」

シャル「まぁ、程ほどにしときなさいよ。作者、只でさえ打たれ弱いんだから」

ジーク「知るか、そんなもん!!」


シャル「で、次の話ってどんな話になるかってジーク聞いてる?」

ジーク「いや、聞いてない」

シャル「と言う事は、考えてないわね、本当に・・・」

ジーク「それって、作家って言えるのか?」

シャル「普通は言わないわね。出なければ、こんな話を書いてるはずがないもの」

ジーク「作者は何がしたいんだ?」

シャル「物書きの真似事じゃ無い?本職には遠く及ばないのは自分でも分かってるだろうし」

ジーク「下手な物好きって奴か・・・」

シャル「次の話の展開を考える時間が足りないって、叫んでたから次の話はしばらく先じゃ無い?」

ジーク「だったら、余計にこれ書いてる暇無くないか?」

シャル「現実逃避したいだけでしょ」

ジーク「次は、どんな命の危険に遭わされるのか、堪ったもんじゃないな」

シャル「諦めなさい。ジークは作者のおもちゃなんだから」

ジーク「絶対、後で泣かす」


シャル「もうこんな時間、私これから用事なのよ」

ジーク「そうなのか?」

シャル「そういうことにして、ジークから逃げたいってさっき、メモが渡されたわ」

ジーク「逃げる為かよ!?」

シャル「そんなわけで、次は第2章が始まるはずなので、期待して待っててね」

ジーク「ネタ、無いんだろ?」

シャル「私の事を書かせておけば、3章分くらいは十分に有るわよ」

ジーク「本当か?」

シャル「(ジークを無視して)では、皆さん、第2章での私の活躍に期待しててね♪」

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