ボス攻略 Ⅰ
水爆でもびくりともしなかった外来大陸の表面が大きく割れる。
GOGOGOGONNNNNNN
と大袈裟な爆音を伴って表面に留まらず、全大陸がグシャグシャに崩れていく。
少し拳がじんじんしたが、腫れてはいない。
よく見ると崩れた岩で多くの魔物が既に絶命していた。
空中からシマシマの呆けたアホ顔を見てると
、耳が吹き飛びそうなぐらいの叫び声に頭の中を掻き回された。
「GYOOOOOOOOOOOOOOOOO」
それは黒い名状しがたい馬のような生き物だった。まるで神話に出てくるユニコーンのようだ。
それに1匹だけではない。
5匹の漆黒のユニコーンは目を充血させながらこちらを睨んでいた。
頭の先の角は電気を浴びているらしくバチバチと乾いた音を立てていた。
地面に不規則な亀裂が走る。
「来るか」
それは電気のスピードを超えていた。
5匹のユニコーンは莫大なエネルギーを伴って、副産物の衝撃は周囲の瓦礫を悉く吹き飛ばし、辺り一帯を更地にした。
「だが、弱い。」
僕は筋肉を収縮させて5匹のユニコーンの同時突進を避けることなく、腹筋と背筋ですべてを受け止めていた。
流石に服は全部吹き飛んで、僕ははイチモツを隠さないまま全裸でユニコーンに囲まれていた。ユニコーンの荒い鼻息が肌に触れる。
遠くからシマシマの心配するような声が聞こえたが、ここも無視した。
ユニコーンとのにらめっこが続く。
不意に僕が動き出した。
勝負は一瞬だった。
予備動作すら必要ない僕は一瞬でユニコーンの一体の目の前まで距離を詰めると、容赦なく下からユニコーンの腹を蹴り上げた。
ゴムが爆ぜる感覚がしてユニコーンは真っ二つになった。
暖かい黒い内臓が零れ出て僕の足にしがみつく。
意外にも嘔吐を誘う異臭に僕は動じなかった。
残りのユニコーンを睨むと僅かに奴らが後ずさる。
今更力の差を知ったところでもう遅い。
とはいえ最初から逃がすつもりなど毛頭なかったが。
同じ手順で残りの4匹もぱぱっと始末した。
ユニコーンは血の量が多いのか、辺り一面は生暖かい血の池と化していた。
全身を血でコーディングした僕の近くにシマシマがパンツ一丁で降りてくる。
「....あなた、ほんと何者なの」
「ただの受験生だよ。」
イチモツを出しながら、僕はパンツ一丁の彼女にそう告げた。
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