第9回『昔の少女漫画にありそうな』
靴に画鋲が入ってた、なんてことありますか?
ミヤタスさんは一度だけあります。
あれは思い返せば中3の春、人生で最初で最後の転校を経験してひと月かそこらの頃だった。
いつも通り下駄箱から上靴出したら、まず靴の紐がギッチギチに固結びになってて。
その時点で絶対誰かの悪戯でしかないなと思いつつ、どうにかこうにか解いて、よし!って靴履いたらなんか踵に刺さったの。
見たら靴の中敷きの裏から表に出てるわけ。短い針みたいなやつが。
めくったら……いましたいました、ご丁寧に中敷きの裏から刺さってる画鋲が。
ひと昔前の少女漫画かよ!トウシューズに画鋲が!的なアレかよ!!
ってとりあえず心の中で全力でツッコミしといた。
アレみたいに爪先の方に固まっていっぱい無造作に入ってる感じじゃなくて、確実に刺さるように踵部分の中敷きの下からわざわざ針を上向きにしとくというthe陰湿、the姑息なやり方だったけどね。
で、カッチーンと来て、そっからもう教室で大声で友達に「いたいけな転校生に何たる仕打ち!随分なクソ野郎がいたもんだな?!絶対見つけ出して闇討ちにしてやるからな!!帰り道気を付けろよってんだ!!!」みたいなことを言って騒いだわけだよ。
意訳だけどね★(でも当時ガチの中二病だったから闇討ち云々は原文ママっす←)
残念ながら悲劇のヒロインよろしくへたり込んで泣くとかしなかった。
ミヤタスさんその時点で結構年季の入ったいじめられっ子だったからさ、新天地になってもまたいじめられんのかよって内心凹んではいたんだけど。
逆に新天地だからこそ強気でいくチャンスだ、とも思ったんだよね。
あと前の年に人生プランぶち壊されて精神状態どん底でジャックナイフのように荒んでいたから、ついついオラついてしまったのかもしれない。笑
でもそれが功を奏したのか?同じことは起きなかったし、それ以上いじめに遭うことはなかった。
こいつやべー奴だなってビビったんでしょうね……ウフフ肝っ玉の小さい犯人ですこと。
ただ、つまり犯人は私のクラスメイトだったのはほぼ間違いないね。
誰だったのかなっ☆(にっこり)
それでさ、その中学校には私と同じタイミングで転校した子がもうひとりいたの。
保護者同伴の事前説明?みたいな時に一緒に来てた一学年下の男の子で、私みたいに結構遠いとこから転校してきたんだよ、確か。
後で、うちの親が私の上靴画鋲の件を学校に話した時に知ったんだけど、その子もやられてたの。
彼の場合は上靴隠されて、トイレの水溜まるとこから出てきたって話だった。
……正直、上靴トイレのタンクにぶち込まれる方がショックだなあと思ったね。
画鋲ならこうやってまだネタにも出来るけどさすがに笑えない。私がそっちだったらちょっと泣いたかも。
しかもだよ。転校生が来た時の恒例行事みたいなもんだって言うんだよ、先生が。
犯人が見つからない、転校生に対しての先制パンチ。
そんなもんが恒例行事としてまかり通ってるとかどんな学校やねーん!!!
って家でオカンとめっちゃキレた思い出……。
ロクに遊ぶ場所もない田舎の中学生にとっちゃ、都会から来る転校生ってだけでなんかいけ好かないからちょっと困らせたろ、くらいの体のいいストレス発散なのかもしれない。
けど転校する側からしたら知らない土地で友達もいなくて、完全アウェーの中で不安と緊張感MAXなわけだからさあ。
無理に仲良くしてくれなくてもいいけど、弱い立場なのをこれ幸いといじめの標的にするっちゅうのはどうよ?あかんやろ?
むしろ控え目に言ってクソでしかないと思うの。
そんな先制パンチから始まり、中3の時は本っ当に色々あった。
市の英語弁論大会に毎年選ばれてた生徒会長のクラスメイトを差し置いてうっかり選ばれちゃって軽くバトったり。(勉強出来なかったけど8年英会話習ってたから発音だけはよく褒められてた)
授業中手紙回してたのバレて理科の先生に「あなたの学校ではこういうの普通に許されてたの?」って露骨な嫌味言われてムカついたから勢いで「はい、普通にみんなやってましたけど?」ってメンチ切りながら言い返して廊下に立たされたり。(実際横浜では市内有数の荒れた中学行ってたからそんなん普通だったし。そのあとどんなにテスト高得点でも通知表3止まりだった)
いちばん仲良かった友達が雨が降ると休む、みたいなちょっと心の弱い子だったから度々独りぼっちで寂しかったり。(風の噂で早くに結婚したって聞いたなあ。元気でいてくれたらいいな)
特に理科の先生とバトった時は修羅場だったね、教室超ざわついたから。ドラマみたいだった。
思春期ジャックナイフだったから出来たけど、今の私にはあの攻撃力はもう欠片もないです。笑
そういう毎日だったから、あの頃は放課後給食のおばちゃんに余りのパンもらって、近所の公園で鳩にパンあげながらぼーっとするのが日課であり癒しの時間でした。
鳩すごい手懐けて、最終的に手から餌食べたり肩に乗せたりしてた。
一応部活は美術部に入ってたけど、そういえば結局一度も部室行かなかったや。まさに幽霊部員。
そんなミヤタス暗黒時代の思い出話でしたとさ。
ていうか、前回のおっぱい祭りからの温度差が半端なさ過ぎてひどいね?我ながら驚きだぜ!
お相手は私、雅タスクでした!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます