第14話 属性種別と上位構造
魔術における属性は、
地水火風を、四大属性とも呼ぶ。武術の世界では、五行、
天属性は創造系列、そして冥属性は観察を主体とする
雷は、文字通り、ただの雷属性に該当する。
まず、どうして雷だけが別になっているのか――これは、雷そのものが複合現象であり、ほかの、四大属性とは一線を画しているからだ。
それが、限りなく自然現象そのものだから、雷の特性だけは、別扱い。現実に雷の
閉じているのではなく、最初から、ない。
つまり雷の特性であることを自覚した魔術師は、それしかないことに絶望するのではなく、ただ、それを突き詰める道を選択する。であればこそ、迷いが少ないため、必然的に錬度が高くなり、脅威を感じる魔術師は多い。
四大属性に関しては、相互干渉している。単一属性の魔術特性を持つ場合、当人の性格でだいたい属性がわかるけれど、まあ、ここで明言は避けておこう。ただ、火が水に弱いなど、そうした影響は日常的に見かける光景と、ほぼ変わらないが、錬度次第では覆る。
有利不利ではないことを、まず前提として欲しいが、ここで魔術における上位構造、下位構造の説明もしておこう。
これは
〇下位構造――――上位構造〇
単一属性→四大属性→七則
このように、下位構造を完全に内包しつつも、更に付加されたものを上位構造と呼ぶ。実際に四大属性という魔術特性も存在するし、できることは増えるが、逆にどっちつかずになる可能性もあるので、一概に良し悪しを言えないのである。
これに関しては属性種別だけでなく、多くの魔術特性に見られる光景であるが、究極的には、全ての術式が法則の下位構造に該当する。
だが、自分の特性がどこに位置しているのかを知ることは良いことだろう。それは時に、自身の可能性を見つけることになる。
魔術特性については、個別に後述するとは思う。どうしてこの話をここでしたかというと、環境情報そのものに七則は含まれるため、状況に応じて〝制御〟しなくてはならないからだ。
これは実験などの研究中であっても、常に影響を考えなくてはならず、一度失敗したのならば、否応なく気にするだろう。
環境属性と呼ばれるものだ。
当たり前のことだが、雨が降っている日は水属性が強く、砂漠地帯では地と火、山岳地帯では地と風、湿地帯や森では水と地――と、各属性が環境において強く表れるため、術式の行使に影響を与える。
弱くなるのなら、それはそれで構わないが、逆の方が怖い。自身の制御可能な幅を一気に超えて、威力だけが増幅する可能性があるからだ。
それを逆に利用もできるし、環境属性を知らなくては、魔術素材の収集は難しいだろう。
タカの目薬、なんて呼ばれる魔術素材は、たった一滴で半径二百メートル以内に、滝つぼに落ちたような水気を展開するほど、水属性が強い。であるのならば、水属性の強い場所を探さなくては、ならないだろう。
そしてまた、天や冥属性が強い場所も、存在するし、作ることが可能だ。
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