15.第二新聞部の日常記録
「おい、俺に出前してたのってお前らだよな?」
そう言ってドアを乱暴に開けたのは機械同好会のメガネ。そして気づく...あ・・・
そういえばセナが出前をして迷惑をかけたということで特上の寿司を届けてもらったのだ。お金どうしたっけ?
「そちらの部活もマナーを知らないのですね」
なんだかどこかで聞いたような刺々しくも懐かしい言葉を朱里先輩が眼鏡に言う。
それに反応してしまったら負けなんのだがまんまと朱里先輩のペースに巻き込まれてしまったようで先程よりもメガネは眉をつりあげどこかの悪党のような発言になっていく。
「吹雪朱里。またしても嫌がせか?」
「私は嫌がらせなんてしたことないわ。私の部員の前でそんなほら話をするなんて名誉毀損にあたいするわよ?」
「これは事実だ。お前は、俺を停学に追い込んだよな?」
「そういえば記事を書いたら偶然そうなりましたね。でも全て事実よ?」
「確かに全て事実だったが都合の良い部分しか抜き出さず俺を悪者にした悪質な記事だった。おかげで学校側から聞かれたとき嘘とは言えなかった」
「それは大変でしたね。でも停学レベルのことだったじゃない」
「あれはやっていないことを読者にその後の展開を予想させるという更に悪質さが込められている記事だった。まるで俺が犯罪者みたいになっちまったじゃないか。ただ廃品をもらいに行っていただけなのに」
「事実犯罪ですよ。だってあそこは業者の私有地でしたから。しかも無断で持ち帰るなんて」
「そんなの知らん。とにかく俺たちはお前に一度はめられた」
ここまでの会話を聞いていると最初は悪役のようだった朱里先輩が実は正しいことをしていたのではないかと思えてくる。でも、もう少し違う指摘のしかたをすればよかったとも思えるが・・・
なにはともあれ寿司の出前から話がそれたことはラッキーだった。
「それは大変でしたね。ご苦労様でした」
そう一言言って朱里先輩は部室の扉を締め鍵をかけた。扉からはノックと怒号が聞こえてくる。
「出前の件はこれよりなかったことになりました」
僕を見ながらそういうものだからつい焦って目をそらしてしまう。もしかしたら朱里先輩にはすべてお見通しなのかもしれない。
「では、昨日の成果を報告しまししょう」
そう宣言するが、まだ外から怒号が聞こえてくる。それは無視をしていて大丈夫なのだろうか?
「じゃあ、あたしからね」
優香先輩はそう宣言して始める
「あれは、日が沈みかかった頃あたしは見てしまったの・・・・・・」
「それは怪談やないかーい」
優香先輩のボケに便乗した萌声=チー先輩がありきたりなツッコミをしたことでしらけ中が静かになり、いつの間にか外も静かになっていた。聞いてたのかな?
「あれれ?チーのツッコミ難しすぎた?」
『どこが難しいんだよ』
一斉にバッシングをくらい悲しそうにうつむいているチー先輩。そうして今日も平和に時は過ぎていく…
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