第3話


あの日から1週間が経った。いつものように学校に行き、帰りに彼女の家に寄り、一緒に夜ご飯を食べて家に帰る。そんな生活をしていた。彼女の家では終始私を抱きしめて離さなかった。動きづらいと思いつつもこれが彼女なりの愛情表現なのだろうと受け入れていた。そして私もそれに応えようと自分なりに彼女を愛した。


元々束縛の強い彼女だったが、日が経つにつれて酷くなっていった。はじめの頃はなるべく連絡を取ってほしいと言っていたが今では誰と遊んだか、どこで何をしたか、何時まで遊んでどこで解散したか、事細かに聞いてくるようになっていた。私は少し疑問を感じながらもそれも彼女の愛だと思い、それに応じた。


ある日、授業の前にクラスで友達と話していると廊下を彼女が通った。私に気付くと途端に不機嫌な顔になり、教室に入ってきた。私たちの目の前に来て

「あかり、ちょっといい?」

「えっ? ちょっと…」

彼女は強引に私の手を取り階段の踊り場まで連れてきた。

「何話してたの?」

手を離しこちらを向くと唐突に質問してきた。

「何って…普通に授業のこととかだよ」

私の答えが気に食わなかったのか、手を掴み自分の方に引き寄せた。

「じゃあなんでそんなに仲良さそうだったの?」

「友達ならあれくらい普通だよ! みなみ最近どうしたの? なんか前と変わった…」

「あかりのことが好きで心配だからだよ。誰にも取られたくない」

さらに強く引き抱き締め、私の首元に唇を当てた。

「こんなところで何してるの!?」

彼女の手を解こうとしたが力が篭っており解くことは出来なかった。

「ッ……」

首筋に少し痛みが走り咄嗟に彼女を突き放した。私の首には彼女が付けた赤い痕が付いていた。

「あかりは私のもの。誰にも取られないようにしなきゃ」

彼女の行動や言動に恐怖を覚え、私はその場から逃げたし家に帰った。

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