第11話 グダグダ斜女神 第7階層

白い背景に巧と望がいる。

「巧くん、ついにグダグダ斜女神も最終回だね。」

「ふう~、やっと愛美露出手様の恐怖世界から脱出できる。」

告知から入るグダグダ感。

「これからは巧くんと二人っきりで、静かに幸せに暮らしたいな。」

「僕も望だけ側に居てくれれば、それでいい。」

そして、意味ありげな表情で見つめ合う二人。

「巧くん・・・。」

「望・・・。」

そして二人はスムーズに近づき瞳を閉じ、唇と唇を触れさせようとした。

「ストップ!」

「愛美露出手様!?」

他人の幸せは、化身であっても許さない愛美露出手の登場である。

「おまえたちは最終回の冒頭から何をやっている!?」

「グダグダしています。ね~。」

「ね~。巧くん。」

巧と望は少し愛美露出手を軽んじている。

「雪の舞い散る真冬の夜に、学校のグランドに男二人の見つめ合い愛を誓いあう美しい銅像を建設してやろうか?」

愛美露出手は優しく笑っているが本気であった。

「ほ、本気だ!? 愛美露出手様は僕たちを銅像にするつもりだ!?」

「や、やりかねない!? 愛美露出手様なら!?」

巧と望はブルブル全身が震えて、愛と美の女神のプレッシャーを感じていた。

「きょ、教室に戻ります!」

「お、置いてかないで! 巧くん!」

巧は逃げ出し、望も後を追うように逃げ去って行った。

「最終回なのに、こんなもので500字も使ってどうするんだ?」

呆れる愛美露出手だが、何もないのに途中で諦めずに10万字まで頑張る巧と望を可愛らしくも思うのであった。



教室の男子生徒。

「最終回!?」

グダグダ学校生活を暮らしていた生徒たちは、初めて最終回と聞いて衝撃が走る。

「僕は最終回バージョンのグダグダ星人のコスプレ衣装をまだ作っていないよ!?」

「作らんでいい!」

碧はグダグダ斜女神が終わってしまうことよりも、自分の趣味のコスプレ衣装の制作の方が大切だった。

「俺様は、ほとんど活躍してないぞ!?」

「知るか!」

渉は邪悪なるある方の頃の方が出番が多く、それなりの存在感があったので、男子生徒になったことを少し後悔している。

「私、改心したばかりなんですが?」

「お花畑に帰れ!」

築の住所はお花畑だった。

「我々はどうなるんだ!?」

「誰?」

翔・嵐・漣の3人組も築と一緒に渋谷塚高校に転入していた。

「ダメだ!? グダグダ過ぎる!?」

「巧くん!? グダグダ過ぎて、巧くんが壊れちゃうよ!?」

巧と望はグダグダした嵐の最終回に巻き込まれていた。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


教室の女子生徒。

「なんだか男子が騒がしいわね?」

美歌恵流が騒いでいる男子をうっとおしく思っている。

「大変よ!」

そこに佐藤さくらが走ってやって来る。

「どうしたの佐藤さくらさん?」

「グダグダ斜女神が終わっちゃうんだって!?」

「なんですって!?」

女子生徒たちは重大ニュースに驚く。

「興味はない。やっと芝居に集中できる。」

刃覇夢徒は芝居にしか興味がなかった。

「もう出れないのは寂しくなりますね。」

瑠詩富亜は少し哀愁が漂っている。

「学食でカレーライスが食べれないじゃないか!? どうしてくれるんだ!?」

辺陽藻栖は食べることしか考えていなかった。

「良かった。入院して精密検査を受けなくっちゃ。ゴホゴホ。」

璃羽威亜紗は入院の予約をしようと考えた。

「え!? 私!? どうしよう? 今後の進路なんて何も考えてない?」

慈豆は念願の女子高生役にまれて満足の一時だった。

「ふっふふ。いいじゃない! 最終回! 第3シリーズが始まる時には、私が主役で物語が始まるのよ! ミカ・ミカ・美歌恵流のレッツ―! 人類大虐殺! が始まるのよ! きっと、そうに違いない! ワッハッハー!」

美歌恵流は勘違いしていた。今日が11月12日で、11月末までにキャラ文芸コンテストを書き上げないといけないので、このグダグダ斜女神は早急にグダグダ書かれているのだった。どこもかしこもコンテストが多過ぎて、リアル仕事も忙しくて、即興でも1か月1作品書くのも苦しいのである。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


職員室。

「なんだか周りが騒がしいな? 背霊寝とナナメか?」

愛美露出手はテストの採点もする気も無いので、シナモンティーを飲んでゆっくりグダグダしている。

「違いますよ、愛美露出手お姉さま。なんてったって最終回ですからね。」

宛名は安定のイエスマンである。

「グダグダしてないな~、最終回で必死で自分の存在感をアピールする奴って。」

愛美露出手はアピールする必要が無いのである。

「そうですね。グダグダしてないですよね。」

宛名もおいしいポジションにいるので自身の存在感に不安はなかった。

「もう少しで、太陽光発電レーザーが完成するのに残念です。」

尼寺須は太陽による破壊兵器が完成しないのが心残りだった。

「私は、ただ優しいだけの人で終わってしまった。」

九兵衛、二重人格説を描く機会がなかったの残念だ。

「ポイズン・料理コンテストの優勝は・・・ポイズン・ぴよこのポイぴよに決定しました!」

「ぴよぴよ。」

手矢的は温泉でポイズン・温泉たまごから生まれてしまったひよこをペットとして飼っていた。

「地面を掘った思い出しかないんだが?」

外野は協調性があったので、話をつなぐ役割が多かった。サンクス。

「背霊寝はグラウンドでナナメと遊んでいるから、一回パスでいいだろう。」

背霊寝は安らかに眠れ。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


グラウンド。

「クシュン。」

「ワン。」

「大丈夫だよ、ナナメ。」

背霊寝とナナメは寒いので二人で丸まって暖を取っていた。

「クシュン。誰かが私の噂話でもしているのかな?」

「ワン。」

「ナナメ、おまえは可愛いな。よしよし。」

「ワンワン。」

幸せそうな背霊寝とナナメであった。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


職員室。

「サマエル・・・いや、昴はどこに行ったのかしら?」

値盤は相方の昴が、安全な遠回りから帰ってこないことを心配した。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


中国。

「こんにちは! 日本のみなさん! 昴です! 私は3か国目の中国にやって来ました!」

昴は安全な遠回り世界一周の旅に出ていた。

「韓国のジウ姫に続いて、北朝鮮でも新しい仲間が出来ました! 紹介します! ヨジョンちゃんです!」

「アンニョンハセヨ! ヨジョンです!」

こんにちわとヨジョンちゃんは言っている。

「それでは昴の世界一周ハーレムの旅は次回に続きます! さようなら!」

昴は今回が最終回とは知らなかった。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


職員室。

「ああ~、本当に最終回と思えない様な最終回だな。」

だってグダグダ斜女神だもの。

「愛美露出手お姉さま、やることもありませんし、季節イベントでもやって話を進めますか?」

「おお! さすが宛名! 私の司会進行役だ!」

「ありがたきお言葉です。思わず涙が・・・ウルウル。」

ここまで宛名も愛美露出手の逆鱗に触れないように精神をすり減らしてきた苦労が報われる瞬間であった。

「11月のイベントは何?」

「紅葉狩り何て言うのはどうでしょう?」

「松茸狩りもいいんじゃないですか?」

「どちらもいいアイデアですね。」

「ポイズン・松茸いかがですか?」

「ぴよぴよ。」

「それ、毒キノコだよ・・・。」

「ナナメ! 私たちの出番だ! 松茸を探しに行くぞ!」

「ワン!」

「昴は御飯をちゃんと食べてるかしら?」

職員室の全ての女神教師と2匹の動物の鳴き声で11月のイベントを考えてみた。

「これでいいのかな?」

「グダグダ具合が丁度いいんじゃないですか?」

「んん~、よく分からない。12月のイベントもいってみようか。」

こうしてグダグダと12月のイベントも考えることになった。

「では、尼寺須から。」

「ずるい!? 宛名も言わなきゃ!?」

「私は司会進行役だからいいの。」

「も~う。クリスマスのライトアップかな?」

「12月はイルミネーションがきれいね。」

「ポイズン・クリスマスケーキいかがですか?」

「ぴよぴよ。」

「クリスマスケーキを食べて死にたくないな・・・。」

「私がサンタクロースなら、ナナメは真っ赤なお鼻のトナカイだ。・・・夜勤手当は出るのかな?」

「ワンワン。」

「女神教師の安月給で、クリスマスプレゼントはもらえるのかしら?」

こうして12月のイベントも打者一巡した。

「こうやって、書きだしていくと、本当にグダグダしてるな。」

「グダグダ斜女神ですから。」

「優秀な編集さんが見たらタイトルが変わりそうだな。」

「そうかもしれませんね。」

愛美露出手と宛名も何かしっくりこなかった。

「仕方がない。1月のイベントもいってみようか。」

「愛美露出手お姉さまがおっしゃるのなら。」

こうして、特に悪の大魔王を倒す必要もなく、さらわれた姫を救出する予定もなく、伝説の剣を作るために貴重なレア資源を探す必要もないので、1月のイベント編に向かうことになった。

「クソッ。宛名め。連想ゲームから逃げたな。」

「まあまあ、みんな仲良くしましょうね。」

「ポイズン・おせちいかがですか?」

「ぴよぴよ。」

「なんなんだ!? このグダグダな展開は!?」

「ナナメ、私たちは縁起の良い獅子舞いにしよう。きっと愛美露出手お姉さまも喜んでくれるはずだ!」

「ワン!」

「どうせ、この調子で2月もやって、10月までやり切るのね。」

値盤、大正解であった。

「鋭いな値盤は。さすがグダグダの中でも真面目なキャラなことはある。」

「これも愛美露出手お姉さまの日頃の指導がいきとどいている証拠ですよ。」

「やっぱり! 私って、グダグダしていても世界を平和にしちゃうのよね。ワッハッハー!」

「そんな訳ないだろう。」

「何か言った?」

「いいえ!? 何も言ってませんよ!? さあ! 2月のイベントいってみよう!」

思わず本音を言ってしまった宛名は、愛美露出手から逃げ出すように2月のイベントを進めた。

「ふん。もう宛名は限界だな。この尼寺須が愛美露出手お姉さまの司会進行役になる日も近い!」

「がんばって。尼寺須。応援してるわよ。」

「ポイズン・バレンタインチョコレートはいかがですか?」

「ぴよぴよ。」

「毒チョコレートは嫌いな人にプレゼントしよう!」

「ちゃんとナナメには本命チョコレートをあげるね。よしよし。」

「ワン!」

「私、毒チョコレートを普通に食べれますよ?」

セリフだけで回していると、物語は早く進むが、まったく字数が稼げないグダグダ。こんなにがんばって書いているのに。

「んん~。考えるだけ無駄だな。次の月もいってみよう!」

「ほら、3月だ。尼寺須。働け。」

「命令するな! おまえも同じ女神教師だろうに!?」

「みんな平等ですよ。仲良くしましょうね。」

「仲直りのポイズン・お雛様あられ、いかがですか?」

「ぴよぴよ。」

「何でも喜ぶピヨコだな。」

「なんだか、職員室にいるのが馬鹿らしく思えてきた・・・。ナナメ、校門に逃亡しよう。」

「ワンワン。」

「こういう時、背霊寝はポジションが自由で羨ましいわ。」

こうして背霊寝とナナメが去り、職員室には7人の女神教師と1匹が残った。

「背霊寝に呆れられるとは・・・本当にグダグダしてるんだな・・・。休憩にしよう。気分転換も必要だ。」

こうして職員室の女神教師たちは休憩することにした。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


教室の男子生徒たち。

「最終回なのにやることがなくて、出番を女神教師たちが放棄したぞ!?」

「巧くん、もう出番は回ってこないと思っていたのにね!?」

巧と望は愛美露出手たちが出番を投げ出したのが不思議だった。

「といっても僕たちもやることがないんだな。」

「碧くんは何をやってるだろう?」

とりあえず他の男子生徒の様子を見に行くことにした。

「できた!」

「碧くん、何ができたの?」

「グダグダ星人のコスプレ衣装の最終回バージョン!」

碧はグダグダ星人のコスプレ衣装の最新作を作っていた。

「ゲッ・・・まだ生きていたのか・・・グダグダ星人。」

「で、できれば着たくない・・・。渉! グダグダ星人のコスプレ衣装ができたってよ!」

望は渉に任せて逃げようとした。

「zzz。」

元々、魔王気質な渉は教室でも居眠りしているのであった。

「くれ! グダグダ星人のコスプレ衣装!」

その時、グダグダ星人のコスプレ衣装に目を輝かせた築が現れた。

「はい、どうぞ。」

「ありがとう。」

碧からグダグダ星人のコスプレ衣装をもらって喜ぶ築。

「神だ! 築が神に見える!」

「どこの世界にもいるんだな。物好きが・・・。」

巧と望は危機を脱出した。

「俺たちも登場させてくれ!」

「いいだろう! 尺は余っているんだ!」

「そうだ! やることも何もないんだろう!」

翔、嵐、漣の三馬鹿トリオが呼んでもないのに現れた。

「それは無理。」

「どうしてだよ!?」

「次は女子生徒の番だもの。」

「巧くん、優しい。」

こうして男子生徒は出番をパスした。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


体育館の女子生徒たち。

「よし! リハーサルもバッチリだ! 先生と全校生徒を体育館に招待しよう!」

「おお!」

女子生徒は何やら良からぬ企みをしていた。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


職員室。

「招待状。体育館に来てね? なんだろう?」

女神教師は招待状を女子生徒から受け取る。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


教室。

「招待状。体育館に来てね? なんだ?」

「愛の告白に決まってるじゃないか!? 巧くんの浮気者!」

男子生徒も招待状を女子生徒から受け取った。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


体育館。

「いったい何なんだ?」

女神教師たちと男子生徒たちが体育館にやって来た。

「うわあ!? これは!?」

体育館には祝勝会の料理や飲み物が用意されていた。

「パン! パン!」

クラッカーが鳴らされ盛大にオープニングを盛り上げる。

「グダグダ斜女神、無事に最終回を迎えられたことを祝う会の会場へようこそ! 渋谷塚高校歌劇団部のトップスター、刃覇夢徒です。今宵は今までお世話になった先生方、男子生徒の皆様に渋谷塚高校歌劇団部からささやかなショーを日頃の感謝を込めて演じたいと思います。それでは皆様、どうぞ最後まで楽しんでください。」

そこに声だけではあるが渋谷塚高校歌劇団部のトップスター刃覇夢徒から女神教師と男子生徒に対してお祝いが述べられる。

「教師やってて良かった!」

「ウエエエ~ン!」

「クソッ! 人間の癖に女神を泣かせるなんて!」

女生徒の演出に女神教師たちは感動の涙を流していた。自分たちの教育人生は間違っていなかったのだ。普段は陰から生徒を支える立場だが、最終回ぐらいは陽が当たるのだった。

「し、しまった!? 男子生徒はお世話になった先生方に感謝の演目など考えてないぞ!?」

男子生徒はグダグダ斜女神産なのでグダグダしていたのだった。

「巧くん!? まずいよ!? まずいよ!? 愛美露出手様に殺される!?」

巧と望は知っている。愛美露出手様を怒らせると良くないことが自分たちに降り注ぐと・・・。

「こうなったら・・・あれをやるしかない!」

「そうだね! あれしかない!」

巧と望は何かをやることを思いついた。

「男子生徒集合!」

「こそこそ。」

男子生徒は円陣を組んでヒソヒソ話を始めた。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


体育館。

「ビー!」

女性生徒による渋谷塚高校歌劇団部のステージの開演のベルが鳴り、緞帳が上がりステージの大階段が現れる。

「おお!」

「パチパチパチパチ!」

歓声と大きな拍手で迎えられる。

「グダ! それは気怠く!」

トップスターの刃覇夢徒が燕尾服を身にまとい大階段の上部から降りてくる。

「グダ! それは垂れ流し放し!」

娘役のトップスター佐藤さくらも綺麗なパーティードレスでステージに現れる。

「グダ! グダ! グ~~~ダ!」

ステージ中央で刃覇夢徒と佐藤さくらが寄り添いながら、視線は二階席を眺めるような遠い目をしながら、グダグダ斜女神の最終回を祝う。

「グダグダは愛ある美しい地球を救い、地球はグダグダがあるから水と緑の惑星でいられる。もしグダグダがなければ、勤勉な地球人は世界の資源を食いつぶしてしまうだろう。それでは地球は青い惑星で無くなってしまう。人間がグダグダしているから地球の自己再生能力で、なんとか地球が保てているのだ!」

「グダグダ! 最高!」

「グダグダは地球を救っているわ!」

グダグダの意義が最終回に覆された。

「そうだったのか!? グダグダは自然環境に優しかったのか!?」

「よし! もっとグダグダするぞ!」

女神教師たちは自分たちがグダグダすることに意味を見出した。

「グダグダ! グダグダ!」

女生徒たちは全員男装し燕尾服でキレキレの整ったダンスを披露した。

「グダ! グダ! グダ! グダ!」

次に女生徒たちは全員バニーガール衣装にチェンジして、ラインダンスを披露した

「グダグダ斜女神! グダグダ斜女神!」

最後は華やかな衣装と背中に羽がたくさんついたランドセルを背負い、女生徒たちが現れ、大階段を降りてきて、会場の女神教師たちの元に駆け寄り、ファンサービスを行う念入りの教師サービスを行う。

「先生!」

「女生徒!」

女神教師と女生徒の感動の抱擁である。

「ウエエエ~ン!」

両者ともに抱きしめ合い涙をこぼして感動している。

「続きまして、男子生徒による奇跡の演目を披露いたします。」

その時、体育館に不吉なアナウンスが入る。

「男子も先生のために何かしてくれるのか?」

「私たち女子は、そんなことは聞いてませんよ?」

「え?」

女神教師と女生徒は感動の後に戸惑いを感じ、嫌な予感しかしなかった。

「グダ!」

「グダ!」

「グダ!」

「グダグダ星人参上!」

現れたのは碧が作ったグダグダ星人最終回バージョンのコスプレ衣装を着た男子生徒たちだった。

「ゲ・・・。」

「ダサイ・・・。」

女神教師と女生徒は涙は乾き、感動した心はどこかに旅に出てしまった。

「グダグダ盆踊りの始まりです!」

「さあ! みなさんでグダグダして楽しく終わりましょう!」

「グダグダ! グダグダ! グダグダ音頭でグ~ダグダ!」

男子生徒はステージ上で手を叩いてリズムを取り、夏祭りでよく見る盆踊りを踊り始めた。

「尼寺須。」

「はい。愛美露出手お姉さま。」

「太陽光発電システムの全エネルギーを私のラブ&ビューティーにチャージしろ。」

ラブ&ビューティーとは愛美露出手のハイパー・メガ粒子・グダグダ波動砲のことで、威力は地球を破壊することができるぐらいである。

「そ、それでは地球が吹き飛んでしまいますよ!?」

「構うものか、もう私たちは登場しないのだから。」

「そうですね。分かりました。」

尼寺須は理解が早く、グダグダ斜女神は自分たちの登場しない地球など、人類が森林伐採しようが、オゾン層が破壊されようが関係ないのであった。

「グダグダ盆踊り! グダグダ盆踊り! グダグダ盆踊り!」

そうとは知らない巧や望は命懸けの盆踊りをずっと踊っているのだった。

「愛美露出手お姉さま! チャージ10000%できました!」

「お日様、いつも降り注いでくれてありがとうございます。」

太陽には礼儀正しい愛美露出手の破壊兵器の準備が整った。

「汚らわしき者共よ! 消え去るがよい! グダグダと共に!」

愛美露出手はゴーグルを装着し、ラブ&ビューティーの引き金を引いた。

「ドキューン!」

体育館のステージで盆踊りを踊っている巧や望を目掛けて。超強力な黄金の女神のオーラのエネルギー破が飛んで行く。

「ギャア!?」

愛美露出手の攻撃を受けた巧たちは宇宙に吹き飛ばされてしまった。

「まったく最後まで世話のかかる奴らだ。」

愛美露出手は有終の美を締めくくった。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


宇宙。

「ここは・・・宇宙? 宇宙なのか!?」

巧は自分が宇宙にいることを確認した。

「巧くん!? 見て! 私たちの吹きとばされた軌道に愛ある美しい花が咲いているよ!?」

望は花の道を見つめ、これも愛美露出手様の愛情だと信じた。

「の、望!? おまえ!? その格好は!?」

「え?」

望は巧に指摘され自分の姿を見ると、愛美露出手の悪戯魔法が解け、初めて巧と出会った時の愛と美の女神アプロディーテーの化身であるヴィーナスの美しい姿に戻っていた。

「やったー! 元の姿に戻れた! わ~い!」

望は悪の女神の呪いから解放されたのを喜んだ。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


「巧くん。一緒に飛ばされた碧や渉と、おまけたちは星になったね。」

築、翔、嵐、漣はおまけであった。

「きれいな夜空のお星さまになったね。」

巧と望は大宇宙に敷き詰められた愛ある美しい花の道から、きれいに光り輝く星々を眺めていた。

「巧くん。」

「なんだい? 望。」

巧と望の二人だけのロマンチックな空間が広がる。

「今なら、何をしてもいいよ。」

望はヴィーナスの女の姿に戻れたので、巧の気持ちに答えるつもりである。

「え!?」

巧は望の提案にドキっとする。

「はーい! 私を好きにしていいんだよ! 食べて食べて! ブチュー!」

望は最終回ならではのサービスで押しまくる。

「断る!」

その時、巧は大きな声で望のラブアタックを拒絶する。

「え? なんで?」

望は巧とラブラブと思っていたので、なぜ巧が拒絶するのか不思議に思った。

「僕が好きなのは、男の望であって、女になった望に用はない!」

説明しよう。巧は長い連載期間中に、本物のボーイズ・ラブ・ボーイになっていたのだった。

「ガーン!? なんてこった!?」

巧のカミングアウトに望は衝撃的で大ダメージを受ける。

「だから望、男に戻ってくれ!」

「エエ~!? そっちですか!?」

巧くんが女好きではなく、実は男好きだった・・・男の望と一緒に暮らすうちに男好きになっていたという、グダグダ斜めなオチである。

「お別れだ、望。」

巧は女の姿になった望には興味がなかったので去って行こうとする。

「待って! 巧くん! 捨てないで!」

巧のことが大好きな望は巧にすがりつく。

「離せ! 女の望には用はない! 離せ!」

「嫌だ! 離れないぞ! どこまでもついて行く!」

巧と望は宇宙の星々に見守られながら、幸せに痴話ゲンカしたとさ。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


渋谷塚高校の職員室。

「いや~、シナモンティーの香りがたまりませんな。」

愛美露出手は午後のティータイムを楽しんでいた。

「まったくですな。愛美露出手お姉さまの言う通り!」

「最終回が終わると卒業式が終わったみたいだ。。」

「ハッピーエンドで良かったですね。」

「ポイズン・アップルティーいかがですか?」

「ピヨピヨ。」

「学校から生徒を無くせば、いじめも無くなるな!」

「でも、こういう時って、事件が起こるのよね。ね~ナナメ。」

「ワンワン。」

「何か空から近づいてきますよ?」

女神教師一巡後に、何かが大気圏を突入してくる。

「愛美露出手様!!!」

望だった。望が巧への愛の力で大気圏を突破して来る。摩擦でチリチリに燃えながら職員室を目掛けて落下してくる。

「ゲッ!? あれはバカ化身!?」

愛美露出手が気づいた時には遅かった。

「ズドーン!!!!!!!」

望は渋谷塚高校の職員室に墜落した。

「ゴホゴホ!?」

職員室は書類や埃が舞い散り、視界や空気は最悪だった。

「愛美露出手様! 愛美露出手様! どこですか! 隠れてないで出てきて下さい!」

望は巧と添い遂げるために、愛美露出手に男の姿にしてもらわなければいけなかった。

「ギラーン!」

視界の悪い中、目と思われる二つの光が光る。

「ゾク!?」

望はプレッシャーを感じ、背筋に寒気を覚える。

「クククククッ! よくも私のティータイムを邪魔してくれたな!」

愛美露出手のお茶の時間を遮るものは誰であっても許されない。

「あ、あ、愛美露出手様!? お許しください!? 私は愛美露出手様にお願い事があって急いで着ただけなんです!?」

望は跪ずき手を合わせて、愛美露出手にお願いをしようとする。

「許さん!」

愛美露出手のお怒りは火山の噴火のように治まることはなかった。

「ヒイイイイイ!?」

望は怯えることしかできなかった。

「罰として、おまえを男の姿に戻してやる! 女の幸せを諦めて暮らすがいい!」

「え? いいんですか?」

「男になあれ!」

愛美露出手はビームを出し、望の姿を女から男に変えた。

「わ~い! 男に戻れた! ラッキー!」

望は男の姿に戻れたことを心から喜んだ。

「どうだ! 少しは反省したか?」

「愛美露出手様! ありがとうございます。さすが女神の中の女神です。」

望は愛美露出手に深々と頭を下げる。

「そ、そうかな? 真面目に言われると照れるな。アハアハ。」

愛美露出手は褒められて純粋に恥ずかしそうに照れた。

「それでは失礼します。」

望は巧を探すために職員室から猛スピードで逃亡した。


グダグダ(⋈◍>◡<◍)。✧♡


巧に会いに行こうと駆けている望。

「巧くん! 巧くんの好きな、男の姿に戻れたよ! もうすぐ会いに行くから待っててね!」

望は恋する乙女の女神の化身ではなく、恋する少年になって愛しい巧くんをグダグダ探すのであった。


めでたし、めでたし。


あとがき。

ここで望と巧が再会して、ボーイズラブを楽しんでしまうと18禁になってしまうので字数的にも再会させずに終える。これぐらいの方が友情、絆とかでいいのかな? まあ、内容はグダグダ斜めにいっているので、こんなもんだろう。


おわり。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

グダグダ斜女神(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ