第5話 OLとゲームと異世界
次の日、アラームを消してスマホに手を伸ばす。いつものように『幻想世界レノアード~カードキャプチャー~』のアイコンを押した。
「おはよ~ございます~」
ニコニコ顔でパックと朝から爽やかなセイに向かいいれられた。
どうやや異世界レノアードに来たらしい。本来のゲームは一体どうしたのだろう。
毎朝忙しい中、インして植物の収穫や時間のかかるアイテムの自動製作ボタンを押して、パックやセイにすることを伝えてログアウトする。
今朝も地球でどれだけの時間が過ぎるか分からなかったから急いで、畑の薬草や野菜、収穫をするシルフのシーちゃんとノームのノーちゃんとエルフのエーちゃんを呼ぶ。シーちゃんは美少女で、ノーちゃんは美少年。エーちゃんは、ネーミングのなさに本当にすまない気持ちになるけれど気高きエルフのハイエルフの清楚な美女様だ。
全員R幻想生物だ。
料理人ジン、ノビちゃんにポーションの加工を頼んで鍛冶師ドアーフのジャイちゃんにポーションの瓶作りを頼む。それぞれに魔力を渡して、急いでログオフをした。
魔力を使い切って生産するたびに、サトコのレベルが高くなり、体力も魔力も上がった。
◇
デパートは金曜日で人の出入りが多かった。とくに地下の食品売り場には特売のある店舗は行列だ。サトコは一応正社員だから忙しい店舗の臨時売り子だ。
「神崎さん。日曜日のマグロの解体ショーには二時間前にちゃんと来てくださいね。今回は本部からも企画部の人たちがわざわざ見学に来るから決してトラブルのないように注意してください」
昼食もオフィスで食べていたら上司に言われた。ラフ画を元にイラストを描いて昼休みを過ごした。やっぱり三次元の方が想像力が湧く。
最近、サトコの住んでいる町に新幹線が通って、東京にあるデパートの本社もこの町に目をかけるようになった。
いつもは昼休みにもゲームにインして魔力を使い切るけれど、本来のゲームではなく異世界に行ったら大変だから辞めた。
久しぶりにゲームやネットで使うメールを開いた。このメールは本メールじゃないから一日一回チャックするだけだ。
『幻想世界レノアード~カードキャプチャー~』の提供会社からメールが来ていた。
内容はシステムがハッキングされてウイルスでしばらく復興期間が必要と言う内容だった。
いそいでネットで『幻想世界レノアード~カードキャプチャー~』について調べてみた。2chでも他のチャットルームでもゲームの愚痴が書かれていた。
ハッキングによって個人情報やクレジットカードの情報漏れについても論議されていた。
サトコは急いでクレジットカードのアカントにアクセスしたが、無事だった。
その日は今後『幻想世界レノアード~カードキャプチャー~』はどうなるか不安になりながたら仕事を終えて帰宅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。