消えない

第1話

みなさんは、わけもなく怖いとかあったりするか？

俺はある

俺の名前は 月咲 拓真 （ツキサキ タクマ）

しがないサラリーマン

嫁も子供もいるのに

たまに嫁が・・・女の人が怖いんだ

おかしいだろ？妻子持ちの癖にって

嫁だけ平気っていうのならまだよかった

だがそうじゃなかった

女性に対する恐怖体験があるわけでもない

何が原因かわからない

その恐怖は唐突にやってくる

不安定な時に、よに甘えられた日には

暴れ出す。振り解く

それでも、嫁は側にいてもくれる

変なことで、細かい俺と

記念日とか忘れられる割りに

祝われるのを期待してる

予定を先に言わないとすぐ怒る

それでも俺は嫁も子供も好きなのに

怖くて、怖くてたまらない

不安定やから、側に居てくれ

だけど抱きしめないでくれ

俺からは触れれるのに

嫁からは触られたくない

子供ですら

そんな時は、友達とかも会いたくなくなる

嫁は多分知らない

昔知り合いになったおにいさんを

今は会うことがないが

癒しを求めて話を聞いてもらってる

たまに会って話を聞いてもらいたくなる

けどそれだけはできない

浮気？になるのかもしれない

俺はゆわゆるバイだ

ノーマル側に近いというよりはゲイよりのバイ

ゲイよりのバイって表現があるのかはわからない

普段は異性にしか興奮しないし

けど不安定な時はおにいさんや

男に興奮を覚える

だから悩む

あのおにいさんに会いたくて、会いたくて

たまらない

たった一回思い出ってキスしてそれ以来

ずっと文面だけの連絡だけ

嫁に悪いことをして気がしてたまらない

罪意識で苦しいのに

今だけはあのおにいさんに会いたくてたまらない

甘えさせてもらいたい

抱きしめてくれ、心を温めてくれ

言えない、送れない

言葉というメッセージ

あの人の、優しさ 温もり もう一度だけ

だが

きっとその一度の安心感をまた

味わってしまったらもう抜け出せない

定期的に、会って

ハグして、話して心温めて帰る

そんなことをしたら

もう俺は俺で居られなくなる

すでに、俺は俺でなくなりつつあるのだから

私でありたい

俺であり続け、嫁と子供を守りたい

俺は・・・俺は・・・

どうすればいいのかわからない

ずっと嫁に、助けられてばかりなのに

俺は、声を押し殺して泣いた

聞こえるはずのない声が聞こえた

『タクマ、無理はするな 自分に嘘をつくな

タクマは、どうしたいんだ？

結婚して家庭を築いていきたいなら

・・・わかるだろ？』

昔、俺が結婚するかおにいさんを選ぶかを

迫られて自分の中で煮詰まってるのを

見透かされるように言われた言葉たちが

聞こえた気がした

そして俺は

［おにいさんへ

俺は、もう連絡すらやめる

番号も今までのメッセージすら

消します。

さようなら 拓真］

おにいさんからは返信はなかった

きっとあのおにいさんさんは

大切な人として消えない

これから

向き合っていくものはたくさんあるけれど

嫁と子供を愛して生きていく