第2話 小さな人
トカゲを食べていると、木の陰に隠れていた小さな人達のうちの1人が、恐る恐る近付いてきた。
「美しい毛皮の強き者よ、我らの言葉が通じますか?」
小さな人たちは、言葉が通じるから、面白いんだよ。小さいのにね。えっと、身長が30センチくらい。
「言葉はわかるよ、小さな人。何か用?」
「おお、それは良かった。今、我々は狩をしていたところなのです。強き者の狩りを拝見し、ぜひ名を交換し、お力を貸していただきたいと思ったのです。」
「あ、ごめん。僕はもう名前の交換してるから。あまりあちこちから呼ばれると分かんなくなるので、ごめんね。」
「そうですか」
項垂れて仲間のところに戻る小さな人が気の毒になってしまった。
「ねえ、小さな人、このトカゲ、食べ残しだけど、いる?」
「え、このファイアリザードの素材を、頂いてもよいのですか?」
だって、シッポは美味しくないし。
どうぞどうぞ。
小さな人たちは喜んで、トカゲの尻尾や頭を重そうに引きずって持って帰った。
今日のトカゲは、結構大きくて、食べ応えもあったし、ジューシーだった。お腹もポカポカしてるよ。鼻の火傷を一生懸命舐めて治したら、しばらく虫を追っかけて遊ぶ。
遊びに飽きたら、また穴に潜って、家に帰るんだよ。
「にゃあ」
ふふふ。意味はないんだけどね。
ほら、ドアを開けてくれる。さあ、カリカリ頂戴!
大丈夫。オヤツは別腹だから!
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