第4話 ロッカーが入口です
「で、異世界への扉ってどこなんですか?」
今日から君は勇者だと言われて、すんなりと受け入れれる人間がどこに居るんだろうかと思いつつも、先輩の超絶真面目な顔と声に、これが嘘でも偽りでもなく、ガチの現実なんだと気がついた。
それからゲッソリした声で質問すると、
「うん?ここだよ?」
とヤスキ部長は、何でも無いようにロッカーを示した。
「いや、それはロッカーですし。服とかを収納する為の」
見ると、よく部活とかで見る5,6個繋がった縦長の灰色のロッカーがそこには鎮座していた。
「うん。だから、ここなんだって」
と部長は普通に頷いた。
今までの感じから、この人が嘘をついていないことは分かった。
僕はロッカーに視線を戻して、「マジかよ」と心の中で思った。
部長はそんな僕の様子を無視して、鼻歌を歌いながら、
「右から~4番目~魔の扉~♪」
と節をつけて、あるロッカーの扉を勢いよく開けた。
開けたらそこには、普通に見られるロッカーの内部ではなくて、
よくテレビで見たブラックホールとか時空が歪んだ時に表現されるみたいなものが広がっていた。
「マジで……?!」
と口をひきつっていたら、
「さあさあ、レッツラゴー!」
と僕は部長に背中を蹴られて、その中に放り込まれた。
「蹴んなよ―――――!!!!!!」
と抗議の声をあげながら、僕はグルグルと脳みそと体が回転する様を感じつつ意識が途切れていった。
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