第11話しぶしぶ調査。

「・・・で。私は部員と、読書人数を増やさなきゃいけないのね」

 次の日の放課後。私は図書館へ行く途中、ぶつぶつと念仏を唱えるように独り言をしゃべっていた。

 くそお。皆で勝手に決めちゃって。でも巧の本の事があるからしょうがない。やってやろうじゃないの。

 

 まず、部員集めについて。

巧は新入生勧誘を、と言っていたが、在校生はもっと簡単ではないかとちょっと考えてみる。

ちょっと考えてみたが、

・ ・・駄目か。

普通にお願いしたって皆来てくれないよねえ。

 圭ちゃんも美鳥は勿論、巧も結構人気あるみたいだから、メンバー目当てで入ってきそうなもんだけど・・逆に動機がバレバレだから皆躊躇してるみたいだし。

 そもそも、活動の地味さ加減に来ないんだよねえ・・。

 そりゃそうだよね、私だって巧との一件がなかったら、絶対入ってなかったもん。読書なんていい子ぶってるとか、真面目とかガリ勉とかオタクっぽいとか地味とか、大人は知らないけど、読書って私達にはいいイメージないもんなあ・・。


 イメージねえ。イメージ。

 そうか。まずイメージを変えたらどうだろう。

 読書はいい子ぶってるわけでも頭がいい人やオタクだけが読むわけでも地味でもないって事が伝われば。


 悶々と考えている間に図書館に着いた。

 扉を開けると、がらんとした空間におなじみリーディング部のメンバーのみが各々本を読んでいる。

 私は挨拶もそこそこに、後ろの本棚へと向かった。

 やっぱりいつも部員しかいないみたいね。

 何で皆本を読みに来ないんだろ。

 そこで、はたと思った。

 ・・・大体、ここにある本ってどんな感じなのよ。

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