第7話 潜入!Reading部

いつもは最後の授業が終わるととても嬉しいものなのに、今日はとっても憂鬱だった。巧との約束どおり、放課後にリーディング部へ行かないといけないからだ。


ああ、気楽な帰宅部生活よ、たった一年でさようなら。

これなら、どこか運動部にでもさっさと入っておくんだった。

だったら今頃こんな、一番入りたくなかったリーディング部へ入る事はなかったのに!!



リーディング部とは、巧が一年生の時に立ち上げたクラブだ。意味は、ずばり、そのまま‘読書部’。内容は知らない(と言うより知りたくもない)けれど、要は本を読むクラブなのだろう。

巧に今まで何度もしつこく勧誘されたけれど、漫画しか読まない私にとって、読書なんてまっぴらと、ずっと断り続けてきた。

彼も最近ようやく諦めたと思ったら、まさか二年生になってから入会させられるなんて!しかも強制的に!!

朝、彼が持っていた本だって、きっと部活で使う予定の物だったのだろう。まさかそれがこんな結果になるなんて・・。朝のアクシデントを思い出し、また腹が立ってくる。


まさか私が一番合わないリーディング部なんて!大体、リーディング部の事は、活動内容自体全く知らないのだ。

メンバーは巧を入れて二年生ばかりのたった三人、すごい豪華な顔ぶれだって言うのは知っているけれど。読書しない私が四人目とは。


どうせ読書好き、本馬鹿の巧が放課後に図書館を長時間利用できる言い訳の為だけに作った物に決まってる。

読書するためだけのクラブなんて、どーせ暗いんでしょ。そんな暗くてもさっとした所、そこだけは入りたくなかったのに!


私は大きいため息を吐きつつ、リーディング部の活動場所だと言う図書館にやって来た。校舎とは別棟になっている図書館は、放課後にここで過ごそうと言う生徒はほとんどいず、いつも閑散としている。かく言う私も、放課後はキンコンダッシュで帰るから、一度も利用した事がない。


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