第6話トラブルは突然に その5
私は一瞬、何の話か分からず、キョトンとした。
キョトンとした後、彼の言わんとしている事を悟り、思い切り首を横に振った。
「えっ!ええっ!? 今、その話!? ・・・い、嫌よ、冗談じゃないからね!」
巧はますます凶悪な顔になる。彼は元々180センチ近くある長身だけど、何か、それ以上
今彼がとてつもなく大きく見えるのは目の錯覚だろうか。
「そんな事言っていいのか、真琴? 学校のクラブ活動なんて入ったとしてもたかが数年。でも親父はどうかなー。この本大事にしてたから。落ち込むだろうなあ。たった数年で立ち直るかなあ。いや、それどころか、一生許してくれないんじゃないかなー」
ぐっ。それを言われると・・・
「真琴はうちに入部するだけで、親父の信頼を保ち、俺への義理も果たせるんだ。入部しないのとどっちが得かは一目瞭然じゃないのか?」
う、うううう。
___そうして私は、始業のチャイムが鳴った時には、例の部へ強制入部させられていた。ひらひらと手を振りながら去っていく巧の後姿を、呆然と見送りながら。
今日ってやっぱりツイてない____。
と言うか、現国の教科書借りれなかった___。
去り際に巧が得意げに放った言葉がまだ耳に残っている。
「ようこそ、わがリーディング部へ」
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