第5話 トラブルは突然にその4
巧のお父さん。
ご近所さんであり、私が小さい頃、巧とよく遊んでいた頃からすごく可愛がってくれて、私も大好きな優しいおじさん。親同士が仲のいい事から、今でも家族ぐるみでお付き合いをしている。
巧は、本をぽんぽんと叩き、不敵な笑みを浮かべたまましゃべり続ける。
「そう。しかも大のお気に入りの。・・・どうしようかなー、まさか本が壊されたって言ったらがっかりするだろうなあー」
「ちょ、ちょっと、待って! やめてよ!!」
「しかもその犯人が真琴だって知ったらどうするだろうなぁー」
「お、お願い!!言わないで!! お願い!!」
嫌だ。すごくお世話になっているおじさんを失望させたくない。
しかも私は昔から、巧のご両親には「素直で・明るくて・いい子の真琴ちゃん」で通っているのだ。
おじさんの中の、その私の良いイメージも絶対壊したくない!!
泣きそうになった私の顔を見て、巧は悪魔のようにニヤリと笑った。
「じゃあこの本、俺が落として壊した事にしてやるよ」
「え!? い、いいの!? ・・・あ、ありが・・」
「ただし!!! 真琴、今度こそ入部してもらうからな」
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