首席卒業って、どういうことだろう

 小説や漫画で「頭が良いキャラ」を表すわかりやすい記号として、“東大主席卒業”ってのがあるよね。法学部を抜群の成績で卒業してエリート官僚になりそうなイメージ。(筆者がすぐに浮かぶのは男塾塾長の江田島平八くらいだけど……。)

 でも、あれって「君が主席だ」なんて言われるわけじゃないんだよ。


 確かに、卒業式で“総代”(答辞を読む人)ってのはいるし、あれは成績で決めているって噂があるから、総代に選ばれた人=いわゆる主席、なのかもしれない。

 でも、そもそも東大の卒業式は理系学部と文系学部に分かれてやるんだよ。それに“総代”をどの学部から選出するのかって決まりもないみたい。

 ちなみに東大には、法学部、医学部、工学部、文学部、理学部、農学部、経済学部、教養学部、教育学部、薬学部の10の学部があって、法・文・経済・教育は文系に、医・工・理・農は理系に、教養学部は学科によって分かれる感じ。

(※ちなみに、上記の学部の並べ方は組織規約で決められているみたいです。コメントで教えていただきました。全く知らんかった……。)


 あとは“総代”とは別に、“東京大学総長賞”っていうのもあるらしい。課外活動や社会活動での表彰と、学業での表彰と、2つで選考をするんだって。

 なんとなくこっちの方がすごそうな気がするけど、今回改めて調べるまで筆者は全く知らなかった。学生の認知度もかなり低い気がする。



 ちなみに入学式の方は全員一緒にやる。保護者の同伴は学生1名につき2名まで。

 1学年で3,000人以上いるから、参加者は全部で約1万人の計算になる。こう考えるとすごい人数だ。

 入学式は場所も日時も毎年決まっていて、4月12日に日本武道館で行う。この日が創立記念日だかららしい。

 曜日に限らず入学式はこの日だから、年によっては授業を数回受けたあとで、入学式に出るという不思議なパターンもありえる。

 で、入学式の方も“総代”が代表の宣誓をするんだけど、こっちも入試の成績で決まるという噂がある。新入生の代表は全学年から一人だけだから(デスノートでは月とLが同時にやってたけど)、こっちの方が難しい気がする。



 ——ここからは個人的な想い出です。


 入学式と卒業式、両方を振り返ってみると、印象に残っているのは断然、入学式だったな。

 地方から出てきて、日本武道館なんてテレビでしか見たことのない建物に入って、田舎じゃ見たこともない人数に圧倒されて。

 で、入学式が終わって建物から出たら、桜吹雪が舞っていて。

 きっと、あの桜の花弁が吹雪く光景は一生忘れない。


 ちなみに卒業式の方は、ほとんど覚えてない……。

 前日の夜、友人達とお祝いで遅くまで飲んでて、うたた寝しながら参加してたから……。

(人間、初心を忘れるとこうなるという駄目な見本です。)

 筆者は文学部を卒業したので、卒業式のゲストには大江健三郎先生がいらっしゃってた。でも、話す内容が難しすぎて、何一つ理解できなかった。大江先生、ごめんなさい。


 ちなみに母親も卒業式に参加してたけど、「さすが大江先生、ええことうねぇ」なんて言ってた。ほんまかい。

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