第4話
豚貴族牧場。
それは奇跡の土地。偶然に草木が残り、家畜が育つ環境にある。
豚貴族は元は落ちぶれた十余名のならず者達であった、この場所を見つけ、占有し、次第にその力を増していった。
豊富な肉に労働力。女子供を攫い、奴隷を養殖する。
「豚男爵様!捕虜の移送が間も無く完了します」
豚男爵と呼ばれたのは彼ら豚貴族を束ねる王であり、絶対の存在。
蓄えた脂肪は今や芸術であり、時としてそれは筋肉に勝る。
「ブフォ!順調ブフォ!」
豚男爵はご満悦に肉を頬張る。彼は素材の味がわかる男。しかし豚男爵は気がかりなことがあり、いつもより食が進まない。それでも常人の3倍は食べている。
「ブフォ、豚将軍。この間失踪した豚博士の行方はわかったのかブフォ?」
「はっ。現在目下探索中であります」
先日、豚貴族のブレイン、豚博士が忽然と消えた。家畜の養殖を確立し、豚貴族牧場の設備に多大に貢献した人物である。
豚博士無しに豚貴族牧場の存続は無いと言っても過言では無い。
「ブフォ。最悪、豚博士が居なくても施設が維持できるように対策を練るブフォ!」
「畏まりました!豚男爵様!」
そう言って豚将軍は踵を返す。どたどたと重たい体を揺すりながら部屋を出て行く。
しかし困ったものだ。と豚将軍は考える。豚博士をカバーできる人材に心当たりがない。豚貴族の殆どが知恵より武闘派であるため、豚博士は大変貴重な存在なのだ。
1人ブツブツと考えながら廊下を歩いていた時、豚将軍は何か違和感を感じた。
「この気配ーーーー」
何か、脂肪ではない者が近くにいる。我々と似てはいるが決して相入れることの無い者がーーーー
豚将軍の予感は当たっている。マッスルは牧場に潜入し、身を隠している。
捕虜の安全を優先しての事だった。ココナはマッスルのそばについており、同じく息をひそめる。彼女に今出来ることはマッスルの邪魔にならないようにする事だけだ。
夜ーー
豚貴族達の就寝を待ちマッスルは行動を開始した。
夜の見張りはいるが全て捕虜が行う。逃げれば集落を破壊されると脅されており、従順に見張りを行う。
だがマッスルを見れば見張りの捕虜も安堵の色を隠す事は出来ない。身動きがとれる捕虜を集め捕まっている者が詰め込まれる庁舎へ案内してくれた。
「マッスルになら、全てを任せられるっす!」
「こっちだ、マッスル!」
「お母さん?お母さん?」
ココナは捕虜の中から母を探す。しかし見つからない。
「ココナの母は豚男爵の部屋だーーーー豚男爵に気に入られ、連れていかれちまった!」
「そんな!お母さん!」
マッスルは立ち上がり、ココナを優しく見つめる。
「え?マッスル1人で行くの?無茶よ!危険よ!?」
大丈夫ーーーーマッスルがそう言っている気がする。
豚男爵は豚程に強い。ココナはマッスルを心配する。
でもマッスルなら、もしかしたらーーーー。
捕虜達は全員難なく逃げおおせた。
残るはココナの母1人!
マッスルとココナは豚男爵の寝室へ闇に消えて行った。
寝室までの道中、豚貴族の末端の寝室を見つけたので屠殺した。
豚男爵の寝室には何不自由なく到着した。
「お母さん…待っててね!」
ココナは呟き、マッスルは静かにドアを開けた。
豚男爵は眠っておらず、女に慰みを受けていた。
女は一糸まとわぬ姿で豚男爵のイチモツを頬張っている。その姿は強要された様には見えず、自ら喜んで奉仕している様だった。
女は必死そのもの。豚男爵は快楽に未だマッスル達には気づいていない。
「お、お母さん!」
ココナから声が漏れる。
「ジュポッ、ハァっハァっ!ーーーー!!ココナ!!」
母子感動の再会だ。「あなふぁ!ぶひだっふぁのへ!?(貴方、無事だったのね)」豚のナニを咥えながら、母は娘の無事を喜ぶ。
「ブフォ!?何だ貴様は!?」
遅れて豚男爵もマッスル達に気づく。
「お母さんを返して!」
ココナは震える足を踏ん張り、豚男爵にたてつく。
「それはダメブフォ!この女は実に具合がいいブフォ!返すのは勿体無い!」
「そんなーー!!」
「こんな名器他では味わえないブフォ!そこのハゲダルマ、とっとと餓鬼を連れて消えるブフォ!」
そう言って豚男爵は拳銃を突きつける。
「てっぽう!ひどい!」
ココナは叫んだがマッスルがそれを制する。任せろ。と言わんばかりに。
ダンッダンッと2発立て続けに銃声がした。マッスルに向いた銃口から鉛の弾が飛び出す。避ければココナに当たる。避ける?マッスルが避ける訳がない。子バエを掴む様に、弾丸を握り掴む。マッスルにかかれば造作もない事。
そしてマッスルはゆっくりと右へ向く。左足のカカトを上げ、両腕でゆっくり円を描き、体の前で組む。肘を自身の方へ強く引き、ゆっくりと体を捻り豚男爵を向く!!サイドチェスト!!
胸の圧倒的筋肉を見せつける!!それだけでは飽き足らず腕や足の太さをも同時に、アピール!!分厚い体を存分に堪能しろ!豚男爵!!
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