第4話「少女とアフロ」

 俺は何もいわず、頭のアフロをむしりだした。

 い、いてえ、なんで俺はこんなことを?

しかし、何かに命じられるように俺はこの行為をやめられねぇ!とまらねぇっ!


 そして、黙ってそのアフロを目の前の少女に差し出した。


 二人の間をしばらく沈黙が包み込んだ。


「…これを下さるんですか?」


 俺は黙ってうなずく。


 そして少女は素直にそれを受け取った。


「…な、なんで私がこれを欲しいとわかったんですか?」


 なぜか少女は嬉しそうにした。


 なぜだ、なぜ喜ぶ。


「…あの私は人形使いの弟子をやってまして、人形の関節部には、ちぢれた男の人の体毛が一番使いやすいから持って来い、って師匠に言われて探してたんです。

 どうしようと思ってたのに、こんなに楽にたくさん手に入るなんて!!」


 …アフロにそんな使い道があるのか…。


「よければ頭の毛を全部もらってもいいですか。」


 どうする?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る