第四話 パフェットの仕事場にて!

 パフェットが家の中を案内してくれるのを、俺は遊びに来た気分で付いて回っていた。

 異世界の建築物の内装が、目に新しく映り込んでくる。

 一階はダイニングキッチンと、洋室が二つある。一つはパフェットの部屋らしい。トイレと風呂も一階にあった。二階には洋室が三つある。その一つを俺の部屋にしてくれた。

 そして、二階の中でひときわ大きな部屋があった。


「ここが、仕事場ですっ!」


 一見すると執務室のような印象の部屋だ。どうやら怪しくはなさそうなので、俺はホッと胸を撫で下ろしていた。仕事は簡単なのか、逆に難しいのか。書類が部屋中に散在している。他の部屋は綺麗に片付いていたのだが、ここはやけに賑やかな有様だ。どうやら、多忙を極めているらしい。


「完璧のパフェットなのに、お散らかしのようだな」

「そうですっ! 忙しいので完璧に散らかしているわけですっ!」

「……」


 俺のギャグを完璧に言い返されてしまった。

 パフェットは、フード付きの上着を脱いだ。


「それで、パフェットはどんな依頼をこなしているんだ?」

「ガーリックさん、ちょっと待ってくださいっ!」


 問いかけてみたものの、パフェットはマイペースにハンガーに上着を掛けていた。

 パフェットの耳にはイヤリングがキラリと光っている。しかし、片耳だけだ。


「あれ? パフェットのイヤリング、一つしかないぞ? 落としたのか?」

「ハイ、どこで落としたのか分からないけど、前からなので気にしてないですっ!」

「新しいの買わないのか?」

「気に入っているので、これで良いんですっ!」

「ふーん……」


 やけに古いイヤリングだ。

 使い古しているところから察するに、相当気に入っているらしい。


「それはともかくですねっ! これですっ!」


 パフェットはようやく書類を一つ見繕って、俺に寄越してきた。


「これは?」

「依頼の一部ですっ!」


 俺はその書類の文面に目を落とした。

 そうして、依頼の内容に、またもや俺は愕然となった。

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