烈華少女キリカ
美作為朝
烈華少女キリカ
太陽は、
それは、
捕らえた、魔族の斥候兵たちは、
これは、東伐軍の諸将、諸兵を眠らせない意味もあったのだろう。行軍の疲れと慣れから、全将兵、飯さえ食えば、腹がくちくなって、ぐっすり寝られた。
虜囚には過酷な死が戦の前にあるはずである、それに言葉は風に過ぎず切っ先であるはずがなかった。
「
禿頭のひときわ小柄な少年魔導僧が声を上げた。大きな一つ目を描いた目隠しで両目を覆い、真っ白な僧服を着用している
「これ、
年嵩の魔導僧、
「鞘をひきずる音でわかる」
「私が、わかっても、ここがどこかわかるまい、このメナシめ」
「わかるわ、この幼き女剣士」
「もう日が暮れ、みなそれほどうまくもない夕飯を喰らい、星が
「見えないのに、どうして分かる?」
「風が、匂いが、音が、寒さが、すべてが教えてくれる」
「魔導僧侶にはかなわん」
「
どかっと、この魔導僧侶たちの車座に
「臆病者の
「五国一の女剣士よ、メナシに読み物をくれとは、これ、いかに?」
と
「悪いか」
「しょうがないやつじゃ、五国一の女剣士よ、これでも、読んで、時を潰せ」
「なんの書物か、訊かぬのか、五国一の女剣士よ」
切華は、立ち上がると、割り当てられた、陣立てに戻ろうとした。
「読めれば、なんでもよい」
「
「さすが、魔導僧侶の書物よ、ちっとも面白くなさそうじゃ、
と、、ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
「これは、魔導の技か」と
教壇のメガネを掛けた、世界史の教師は、
「えー、このときの軍師真将軍の策略は見事で、
『あああ、なんで、退屈なんだ、この本の中でも、、、』
その時、終業を告げる、チャイムが鳴った。
「それでは、今日の授業は、これまで、次回は、
日直が声をかけた。
「起立、礼、着席」
簡単に終わりのHRを担任が済ませ生徒がそれぞれ騒ぎ出す。
カバンでなく、なぜか、長剣を持って帰る
「
しかし、この本は退屈だ、卑猥な誘いを書けてくる男、これでは、
読むの辞めようかな、、、、。
ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
もう慣れたが、不気味なことには、違いない。
ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
「こっち、こっち」
日本には、銃刀法があるのだ、おもちゃに決まっている。
間が持たないのか、やたら喋る、
「あのさ、この日常っていうか、さ、今の、生活っていうかさ、政治ってどう思う?」
何言ってのこいつ?。
「どうして、こう世の中が、よくならないか、とか、思わない、漠然とだけど、、、本当に漠然と、、なんでも、いいんだよ、問題提起はさ。きっかけってやつ?」
漠然とだけど、おまえがおかしいって、思うよ、マジで、と
「今日さ、このあと、集会があるんだよ、悩める青少年たちが一歩、踏み出す」
あえ??。何これ、デートじゃないの?。
「でね、、」
しかし、よく喋る、この男は、イケメンでなければ、切り捨てているところだ。
「私、そういうのよくわかんないから」
これはヤバそうだ。
「ちょっと付き合ってほしいのよ、ほんのちょっとだけ」
ここからが、マジのデートなのか、、、?。東夷どもは面倒チックで、ややこしい。
公園には、なにやら旗指し物に、のぼりが乱立している。かなりの人も集まっている。
なぜか、旗の色は、赤が多い。
これも、
公園の広場の入口には受付があった。そこで、年齢不詳の若者に
「おおっ須田くん、早くも、一名ゲット!、やるじゃん」
「はい、
と言われながらも、この
ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
やっぱり、無理だ、この東夷の書物、サイコーに面白くない。これなら、まだ星でも眺めているほうがマシだ。そう思い、。
ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
「でね、
えっ、金取られんの、、?
その時だった。
ピーっとすごい勢いで笛が吹かれ、拡声器による、割れた大音声が公園内に響き出した。
「こちらは、県警です。この場所での集会は一切認められていません。直ちに、解散しなさい。繰り返します、直ちに解散しなさい」
声の主は見えなかったが、黒い盾を持ち、面頬のついた黒い兜をかぶったもった何重にもなった横帯が迫って来た。これは現実か書物の中の出来事なのか?。
と同時に、赤い旗指し物で、集まっている集会の人間たちも、拡声器で、
「公権力に負けるな」
「断固反対」
「総理の退陣を即刻要求!」
「賃上げ」
「同一労働同一賃金」
「保育所の設置」
「サブロク協定を守れ」
「サービス残業の廃止」
とか、口々に叫びだした。もうなにがなんだか、わからなくなった。
しかし、戦争とはこういうものだ。
そして、どこからか、放水が始まった。
と同時に、
「押しだせ」集会側の指揮官と思しき人物がハンドマイクで命を下した。
集会は、一気に、黒い盾と武装した集団に前進を始めた。
戦端は開かれたのである。
しかし、
これも、戦場では よくある光景である。
気がついたら、
「えあああああ」
烈火の気合で、
この東夷の書物おもしろいじゃん。
機動隊の真ん中に降り立った
「秘技、
そう言うや、、長剣の柄ギリギリを握り、リーチを最大限に活かし、だーっと円を描き、機動隊隊員の十人ぶんの首を落とした。
円周を描くように、首がぼとぼとと落ちていく。躰は、動脈から噴水のように血しぶきがあがり、まるで、何かの芸のようである。
「ひー、この女、刀を持っているぞ、、、」
機動隊の中から、悲鳴にもにた叫び声が上がった。
機動隊も活動家の面々と同じだった。
「秘技、
茉優は、五人ごと、長剣で腹部を串刺しにすると、そのまま、横にないだ。
血しぶきと臓腑が、刀をないだ側にどばーっと飛び出て、血の花が咲いたようになった。
五国一の女剣士はどんどん技を繰り出した。
「秘技、
「ぐえええええ」
「ぐわあああああああ」
目指すは、本陣、大将の首。
「秘技、
を繰り出した。
これまでの秘技は、戦場での一対多に対する、技である。此れは違う。確実にこのデモ集会を鎮圧に来ている、県警の現場司令官の首をはねた。
DJポリスならぬ、地方採用の叩き上げの草野警部の首は、公園の外まで飛んで行き、この県を支配していたさる著名な戦国大名の首塚まで飛んでいった。
ブーンブーンブーンブブーン。
と頭の中で、虻が飛び始めた。
東の空が白々と明けていた、
ぶおーっと
突撃の合図、戦陣太鼓が、どんどんどんリズムカルになっている。叩いているのは、力の強い巨人だ。
「敵襲、敵襲!!」母衣を付けた、馬に乗った使番のお触れが陣幕を駆け巡る。
夜明けとともに、魔族は、
上空には魔族のグリフォンが幾匹も飛び、首には、魔族の将校が足には、特別降下隊が左右の足に、二名づつ載っている。
まず、虜囚として、囚えられた、魔族の斥候たちが、檻から出され、一人づつ、魔族の目の前で首をはねられていく。
そして、幻獣使いが中華の各地から連れてきた、幻獣たちが放たれる。
犬と熊の間のような獣六歩の足を持つ、
針のような毛の生えた、牛、
人の顔を持つ、虎、
これまた、人の顔をもち、角に虎の牙をもち、体は牛か羊をした、
放たれた、瞬間に、幻獣使いたちが、逃げ惑っているぐらいだ。
最後に、この軍を率いる、総大将、
魔族は雲霞の如く、次々と
勝つのは、どちらの陣営だ!!。
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