第24話 小さな少女の奮闘記

ラエル様御一家が闇の大庭園ナイト・ガーデンから研修に来て、丁度、一ヶ月が経ちました。

研修は順調に行われております。


今日から、実地現場研修ですが、今週は現場見学研修になります。

と言う訳で、私はアス姐とルーモ主任に現場研修はお任せして、ラエル様ご夫妻の娘、ラファちゃんの様子を見に地下基礎学校に来ました。

正面から、堂々と入ってもいいんだけど、お子様達に見つかると色々と言われるので、裏門からコッソリと入ろうとした所。


「アニスお姉ちゃん、今日は何してるの?」


「アニス姉ちゃん、お仕事サボってるの?」


「お仕事のサボりはいけないんだよ。ズルいなぁ~。」


「アニスお姉ちゃん、今日は学校の日なの??」


登校中のお子様達に見つかってしまい、やっぱり、色々と言われる始末…。

なので、開き直って、一緒に登校することにしました。


「今日はね、学校でお仕事をするから、学校ここに来たんだよ。サボりじゃないんだからね。」


「ふーん、そうなんだ。じゃあ、今日はアニス姉ちゃんの授業があるの?」


「授業は無いと思うけど、授業参観はするよ。皆がちゃんとお勉強しているのか、しっかり見学させてもらうからね。」


「別にアニス姉ちゃんに見られても、関係ないもん。」


「あら?そんなこと言っていいのかな?皆のお父さんお母さんにしっかり報告するつもりなんだけど。」


「うわー、そんなのズルいよ~。」


「私、ちゃんとお勉強してるもん。だから、一緒にしないで。」


一緒に登校しながら、ラファちゃんの様子を聞いてみることに。


「そういえば、皆、新しく転校してきた子とは仲良くできてる?」


「ラファちゃんのこと?ううん、ラファちゃん、話しかけても何もお返事してくれないの。」


「ラファの奴、一緒に遊ぼうって誘っても俯いて、何も言わないんだ。」


「あらら、それは困ったわね。それで皆は、どうしたいの?」


「ラファちゃん、可愛いし、私達はお友達になりたいの。喋りかけても俯いて黙っちゃうから。」


「俺たちだって、友達になりたいぞ。でも、喋りかけても、何も言わないんだもん。」


「そう、それを聞けて良かったわ。あっ、でも、もう一つ聞きたいんだけど、ラファちゃんがすぐにまた転校することになってもお友達になりたい?」


「てんこう?アニス姉ちゃん、転校って何?」


「うんとね、また他の学校に行ってしまうということ。」


「えー、それは悲しい。ずっと一緒じゃないの?それなら、俺は無理してお友達にならなくてもいい。」


「私は、それでもお友達になりたい。独りぼっちはつまらないし、悲しいし、可哀想だもん。」


「離れ離れになっちゃうけど、大丈夫?」


「離れ離れになっても、お友達はお友達でしょ。アニスお姉ちゃん。違うの?」


「ううん、そうだよ。離れ離れになっても、お友達はずっとお友達だよ。お手紙とかでお話とかできるでしょ。」


「うん、私、絶対にラファちゃんと友達になる。」


「ルノお姉ちゃんが言うなら、私も友達になりたい。」


確か、この女の子達は、ルーモ主任の娘さんの双子のルノちゃんにルネちゃんね。

男の子達は、確か魔族の子がナハト君で、ハーフエルフの子がニュイ君だったっけ…。

種族がバラバラでも、この4人は仲がいいのね。


「っで、ルノちゃんとルネちゃんは、お友達になるって言ってるけど、ナハト君とニュイ君はお友達にはならなくていいの?」


「ルノちゃんとルネちゃんが友達になるんだったら、俺たちも一緒に友達になる。抜け駆けはズルいぞ!」


「抜け駆けなんてしてないもん。大体、お別れになるから友達にならないなんて、変なことを言うからでしょ。」


「それはそうだけど…。」


「ナハト、ルノちゃんには敵わないんだから、変なことを言ったのだから謝っておこう。一緒に謝るからさ。」


「わかったよ。ニュイ。ルノちゃん、ゴメン。変なことをいった俺が悪かった。だから、一緒に友達になるの協力しよう。」


「わかればいいのよ。ナハトはいつも自分のことばっかりなんだから。ニュイもルネも言いたいことは、きちんと自分で言ってね。」


こうして、私は登校中に小さな味方をつけて、地下基礎学校へと一緒に行きました。

学校の下駄箱で、ルノちゃんたちと別れ、先に4年生の教室を見てくることに。

4年生の教室を見てみると、ラファちゃんは、既に学校に来ていて、自分の席に座ってました。

でも、なんだか、いつものラファちゃんと違って、お人形さんみたくなってました。


教室を後にして、教務員室へ足を運び、琉璃ラズリ様に会うことにしました。

瑠璃ラピス様は、講義以外の時間は、大抵、図書館の司書室なので、臨時講師の琉璃ラズリ様は教務室に居るだろうと思ったのです。

思った通りに琉璃ラズリ様は、4年生の臨時講師として、学校に赴任しているので教務員室に居ました。


琉璃ラズリ様、お久しぶりです。」


「あら?アニス様、今日はどういったご用件ですか?」


「ラファちゃんの様子を見に来たんです。」


「あぁ、そうですか。立ち話も何ですから、あちらでお話をしましょう。」


琉璃ラズリ様はそういうと教務員室内の来客用のソファーへ案内してくれる。

教務員室なんて、庭園整備学校以来、入ったことないから新鮮だけど、少し緊張もするものね。


「それで、ラファちゃんの様子なんですけど?」


「はい。転校初日からラファ様に話しかけてくれる子達は多くいたんですが、ラファ様が何も喋らずに俯いてしまって、今では数名の子達しか話しかけないような状況なんです。それでも、ラファ様は何も喋ろうともしないんです。困ったものです。」


闇の大庭園向こうでの学校では、どうだったんですか?」


闇の大庭園あちらの学校では、ご学友も多くおられ、笑顔も沢山見れましたよ。」


「あのご学友って、もしかして、ラファちゃんってお嬢様学校みたいな所に通っていたんですか?」


「言われてみると、そうかもしれませんね。上位天族やハイ・エルフや知能の高い人のお子様などが通う学校でしたから。」


「もしかして、ここの授業のレベルが低いとかそういう問題ですか?」


「いえ、学校の授業レベルを言えば、こちらの方が比較的に高い位です。ただ、子ども達の喋り方とかが違うので、ある意味、カルチャーショックみたいな感じでしょうか…。」


「なるほど、そういうことですか。お嬢様が庶民の学校に来てしまったみたいな感じですかね。」


「はい。簡単に言うとそういうことになりますね。」


「変なことをお聞きしますが、琉璃ラズリ様的には、ラファちゃんがここでお友達を作ることをどう思いますか?」


「変なことではありません。様々な種族の方々に触れて、いろいろな方と親しくなって貰いたいです。ここの子供たちはとても賢いですし、優しいので、是非にでも友達になって貰いたいです。これは、ラエル様ご夫妻も同意見です。」


「それを聞いて安心しました。今日、こちらに来る際に、以前、学校訪問をした際に知り合ったお子様達に会って、登校しながら聞いたんですよ。そしたら、友達になりたいって。だから、それに協力をしてあげようと思って。」


「でしたら、是非、お願いします。一限必要なら、差し上げられますけど。」


「いえ、そこまでしなくても、大丈夫です。ただ、今日一日、授業参観をさせてください。」


「わかりました。この件は、アニス様にお任せします。宜しくお願いしますね。」


「では、椅子をお借りして、先に教室の後ろで座っていますね。」


「わかりました。それでは、また後で。」


こうして、私は椅子を一脚借りて、4年生の教室へ行き、教室の後ろに椅子を置いて座ることに。

すると、朝、一緒に来たナハト君達から話しかけられる。


「アニス姉ちゃん、ホントに授業参観するんだ。でも普通、立って見るものじゃないの?」


「一日中、立って授業参観するなんて一言も言ってないわよ。ナハト君。私は座って、皆の様子を見るだけよ。」


「アニスお姉ちゃん、今日、一日中、授業参観するの?」


「そうよ。ルネちゃん。今日は皆の授業を後ろから見てるからね。」


「アニスお姉ちゃん、朝のことなんだけど、内緒だよ。」


「ルノちゃん、私は別に何も言わないわよ。だから、ガンバってね。」


「うん、ありがとう。絶対になるからね。」


「アニス姉ちゃん、先生には授業参観のこと知らせてあるの?」


「ニュイ君、ちゃんと先生の許可は取ってあるから大丈夫よ。心配してくれてありがとうね。」


そんな話をしている中、風の精霊さんが私に囁きかけてくる。

この精霊さんは、自然花壇でラファちゃんの友達になった精霊さんだね。


「アニスちゃん、何で今日はここに来たの?ラファちゃんが驚いて、急に私にお願いして、聞いてきてって言われたんだけど。」


「そうね、簡単なことよ。私との約束をラファちゃんがちゃんと守れてるのか確認をしにきたのよ。風の精霊さんも聞いていたでしょ。」


「アニスちゃんとラファちゃんの約束?うーんと、あぁ、学校でお友達を作るってことね。」


「そうよ。でも、これはラファちゃんに伝えちゃダメよ。『聞きたいのなら自分で聞きに来るように』って伝えてね。」


「はーい。了解しました~。」


風の精霊さんは、ラファちゃんの方に行き、私が言った通りに伝えたみたい。

するとラファちゃんは私に聞きに来ようと、一瞬、立とうとするがホームルームの鐘が鳴る。

琉璃ラズリ様が教室に入って来られる。


「はーい。皆さん、おはようございます。今日は、もう皆、気づいていると思うけれど、後ろにアニスさんが来てます。皆の授業を一日見学されるそうです。私はこの前、来たばかりなので知らないのですが、妹の瑠璃ラピス先生から聞いたところ、盛大に質問攻めにしたらしいわね。でも、皆、アニスさんのことはもう知ってるでしょうから、質問攻めとかしてイジメないようにね。それと、授業中に居眠りやお喋りなんかしてたら、お父さんやお母さんに報告されちゃうかもしれないので、注意するようにね。それでは、続けて授業を始めるわね。」


「「「「「「「「「「はーい。」」」」」」」」」」


こうして、一時間目の授業が始まり、皆、熱心に授業を聞いている。

それでも、やっぱりお子様なのか、少しの時間を見つけてはお喋りしたりしている子や居眠りをしている子もいるわね。

ラファちゃんは、真剣に授業を聞いていて、ナハト君やルノちゃん達も授業を聞いている。

しかし、4年生の授業って、こういう授業だったっけ?

もう、昔のことで覚えてないわ。でも、授業には、ちゃんと解るけどね。


こうして、一時間目の授業が終わり、小休憩時間になるとラファちゃんが私の所に来ようかどうかで迷っている様子。

精霊さんに頼もうとしても、私が精霊さんにダメって言ってあるので頼めないのです。


そうこうする内に二時間目、三時間目が終わり、四時間目が始まる前の休憩時間にようやく私の所にラファちゃんがやって来ました。


「アニスお姉さま。なんで、今日は授業参観にいらしたのですか?」


「うん、皆の様子を見に来たのよ。」


「ねぇねぇ、ラファちゃんがアニス姉ちゃんとお話ししてるよ。」


「うんうん、ラファちゃんの声ってすごい可愛いんだね。」


するとナハト君とルノちゃんも私の所にやってきます。


「ラファちゃん、アニスお姉ちゃんに何のお話してるの?」


「えぇーっと、うーんと…。」


急にルノちゃんに声を掛けられて返事に困ったようで、俯いて黙ろうとする。


「ほら、ラファちゃん、ちゃんとお話をしないと嫌われちゃうよ。」


「それは嫌! えっとね。アニスお姉さまに何で今日、授業参観にいらしたのか聞き来たの…。」


「そうなんだ。一緒だね。私達も朝、アニスお姉ちゃんに同じ質問をしたんだよ。」


「えぇ!そうなの?アニスお姉さまと一緒に登校してきたの?」


「途中からだけどな。裏門から入ろうとしてたから、アニス姉ちゃんに声かけたんだ。」


「裏門から入ろうとしてたのに、一緒に登校したのですか?」


「そうよ。この子達とも私は友達だもの。だから、裏門じゃなくて正門まで一緒に登校したのよ。」


「そうなのですか。アニスお姉さまは、やっぱり凄いのですね。」


「アニスお姉ちゃんは凄いんだよ。学校に見学しに来て、質問攻めにされて。それに答えようとしてたんだけど、一気に質問するから、急に大きな声で「私と友達になりたい人は、手を挙げて!」って言って、皆を黙らせちゃたの。それで、私が一番に手を挙げたのよ。」


「二番目に手を挙げたは俺だぜ。そしたら、いつの間にか、皆、手を挙げていて、皆と友達になっちゃたんだよ。凄いだろう。」


「皆ね。人が始めてで、沢山の質問を考えてたんだけど、お友達になれるのなら、関係ないやって思って質問を止めちゃったの。」


「そうそう、だって、僕たちと一緒で変わらないんです。だから、アニス姉ちゃんは凄い人で、僕たちの友達なんです。」


いつの間にか、ルネちゃんとニュイ君が話に混ざっている。

すると、ラファちゃんは、何か、決心したようで、私に集まった4人を見る。


「あの、皆さん。私とお友達になってくれますか?」


「うん、いいよ。お友達になろうよ。」


「ねぇ、なんで、喋りかけた時に黙っちゃったの?」


「えっと、皆さんがいろいろと質問してきて、答えようと思っている内に沢山の質問があって、答えられず、俯いてしまったんです。ゴメンなさい。」


「何、私と同じことをラファちゃんにしたの?」


「えーっと、そうかもしれない。」


「ということは、ナハト君、君の仕業ね。初めての人に対して、質問攻めにするのは良くないって言ったよね。」


「アニス姉ちゃん、だって、あんな可愛い子が来たら、いろいろと聞きたくなるでしょ。」


「ルノちゃんもナハト君と一緒かな?」


「私とルネで止めたんだよ。皆で質問をいっぱいしてたから。だから、大丈夫?って聞いたんだけど、お返事が無かったの。」


「はい、ルノさんとルネさんは、私を庇ってくれたんです。すごくありがたかったんですけど、緊張して声が出なくて。」


「じゃあ、もう今、話せてるから、大丈夫よね?」


「はい。ルノさん、ルネさん、あの時は本当にありがとうございました。庇ってくれたのにお返事できなくてゴメンなさい。」


「ううん、いいの。それより、私達とお友達になって欲しいの。」


「ルノお姉ちゃんと一緒で、ルネも友達になって欲しい。」


「はい。私からも、是非、改めてお願いします。」


「僕たちともお友達になってくれますか?」


「はい。是非、宜しくお願いします。」


「やったー。ラファちゃんみたいな可愛い子と友達になれた。」


すると、私を含めた6人のやり取りを聞いていた皆が集まってきて、皆、友達になりたかったみたいで、声を掛けてくる。

休憩時間はとっくに終わっているのだけれど、琉璃ラズリ様は、それを黙ってみている。

授業より大切なことだから、この時間をくれたのかな?


皆がラファちゃんを中心に集まってきているので、私はそっと離れて、琉璃ラズリ様の元に。


琉璃ラズリ様、この授業時間、私に戴けませんか?」


「えぇ、いいですよ。何よりラファ様が、クラス全員の子ども達と友達になるとは思いもよりませんでしたから。これもアニス様のお考えですか?」


「いえ、きっかけを作ったのはラファちゃんです。それに気づいたルノちゃんとナハト君が私の所に来ただけですよ。」


「アニス様は、案外、策士な面もお持ちなのですね。」


「まぁ、それより、質問攻めにされるのは、ラファちゃんだけでは、可哀想なので、琉璃ラズリ様も同じ目に遭って貰いますね。」


「それは、どういうことでしょうか?」


私は、教壇に立ち、皆に向かって声を掛ける。


「はーい、皆、着席してください。授業時間は始まってますよー。それとこの時間は、私が担当します。」


「何、アニス姉ちゃんが授業するの?何するの?」


「ナハト君、いいから座りなさい。」


「はーい。」


すると、皆、着席したので、私なりの授業を開始することに。


「それでは、授業を始めますね。まずは、ラファちゃん、前に来てくれますか?」


「はい。アニス先生。」


ゆっくりと前に出てくるラファちゃん。


「それでは、今日、ラファちゃんと友達になった人、手を挙げて。」


数人が手を挙げる。


「では、ラファちゃんと友達になって、仲良くなりたい人、手を挙げて。」


すると皆が手を挙げる。


「ラファちゃん、皆が手を挙げてるけど、仲良くなって友達になれるかな?」


「はい。アニス先生。ありがとうございます。」


「皆、先に行っておきますね。ラファちゃんは、この学校には、あと4ヶ月間しか居られません。皆さんは知らないかもしれませんが、交換研修でこの丘にやってきた天族の方なので、また元の学校に戻らないといけないのです。それでも、お友達で居られますか?」


教室内が少しざわつくも、ルノちゃんが一言。


「そんなこと関係ないわ。向こうの学校に戻っても文通とかすれば、いいことだもん。」


「ラファちゃんも皆と友達で居られる?」


「はい。大丈夫です。風の精霊さんに頼んで、皆に私の近況を伝えますから。」


「うん、いい返事ね。それじゃあ、皆も聞きたいことが沢山、あるでしょうけど、この時間は、まずラファちゃんから皆に質問の時間を取りたいと思います。では、ラファちゃん、皆に聞きたいことを質問して。」


「はい。それじゃあ、まず、改めて、先に私の自己紹介をさせてください。」


ラファちゃんは、一旦、眼を閉じ、背中に純白の羽根を広げると、目を開けて挨拶を始めました。


「皆さん、改めまして、私は天族のラファと言います。闇の大庭園ナイト・ガーデンの上位基礎学校から参りました。父と母の研修期間の短い間ですが、この学校でお世話になります。皆さんと仲良くなりたいので、宜しくお願い致します。」


すると、いつも寡黙で俯いていた少女が、美しい純白の羽根を出して皆に堂々と挨拶する天族の少女に驚く様子も見られましたが、騒ぐことは無く、静かでした。

それもそのはず、可憐で可愛らしい女の子が笑顔で挨拶をしてるのです。

この瞬間に、恋に落ちた少年たちは、きっと何名もいたことでしょう。

少女たちは、可憐で可愛いというの目のあたりにして、妬みや嫉妬のような感情が湧く様子は無く、皆して見惚れてました。


「ラファちゃん、羽根はしまってね。それで、質問は?」


「あっ、はい。あの、皆さん、私は魔族の方をよく知りません。できれば、魔族の方の翼を見せていただけないでしょうか?」


「それじゃあ、勇気をもって、翼を見せてくれる人。」


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こうして、私の受け持った授業時間は、ラファちゃんからの質問と琉璃ラズリ様への質問の時間と変わりました。

小さな少女が、沢山の友達を作るべく、勇気をもって、精一杯の自己紹介をして、質問をしたりされたりと奮闘した時間となりました。

そして、琉璃ラズリ様への質問は、瑠璃ラピス様との関係やどこから来たのか、恋人はいるのか?等の子供らしい質問が沢山、ありました。

質問に答えるのに、いつも冷静な琉璃ラズリ様が慌てる姿は面白かったわ。


こうして、また一つ、約束を守り、叶えるということができました。

これで、ちゃんとラエル様ご夫妻にきちんと報告が出来そうなので、一安心です。

さて、次は実地現場研修の補佐をしっかりとガンバろうっと。

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