第5話 研修前の準備
臨時朝礼にて、古竜さまの勅令で、半年という期限付きで役職に就いた私。
とりあえず、交換研修の始まる前の一ヶ月の間にお勉強です。
まず、勅命を受けた
この光の庭園の役職図を調べてみたら、すぐに判明したんです。
特別役職:特別管理顧問官>特別管理整備官>特別管理整備補佐官>管理整備長官
(一般役職)
一般上位役職:管理整備長官>管理整備官主任>管理整備官=管理整備主任補佐官
>管理整備補佐官
一般役職:上位管理官>管理官>管理補佐官=管理主任>一般管理者
上位整備官>整備官>整備補佐官=整備主任>整備副主任>一般整備士
これがこの庭園の簡易役職図。基本的には、どこの大庭園でも同じような役職図みたいです。
特別役職で一番下の役職だけど、中央管理局の長官より上なのよね。
各庭園によって、管理補佐官を管理主任と言ったり、整備主任を整備補佐官という庭園があるみたいです。これは、区分特区での呼び名の違いだけで、業務に変化はないけど、簡単に言うと種族差別ってことみたいです。
特別役職の待遇は、ここでは平等であるため、基本的に普段の生活通りで問題ないのですが、中央管理局に行くと待遇が恐ろしく変わるそうです。なので、この6ヶ月の間は簡単に中央地下都市への里帰りをすることは、特別待遇されるみたいなので、出来そうにありません。
この件は、一応、両親にも内緒にしてあります。反応が怖いので…。
役職を調べた後、
種族に関しても載っていたのですが、とりあえず、天族のことだけを調べてみました。天族の方々については、魔族の方々と違い、背中に白い翼があり、天族特有の天術を使うということ。また、魔族の方々同様に、上位、中位、下位の3つに区分されているとのこと。ちなみに魔族の方々にも、背中に黒き翼があるのですが、普段は隠しており、また魔族特有の魔術を使われます。
それぞれの種族には固有の術式や技能など、色々とあるのです。
ちなみに人は、固有の術式や技能はありませんが、学ぶことや契約をすること等で使うことが出来ます。
整備及び管理中に不要な攻撃系術式は禁忌とされているので、使うと直ぐに
私は、人の子なので、簡易的な術とかを学び、使うことはできるのですが、正直、面倒なので治癒関連の術のみしか覚えていません。
あと、夜と影は違うのは知っているのですが、闇について調べてみたのですが、まったく資料が無くわからず…。
中央の特別書庫に行けば、何かわかるのかもしれませんが…。
うーん、でも中央には、今行くのは気が引ける。両親には、この人事、話してないし…。
「あら、アニス、調べもの?」
「あっ、レイティア様。交換研修のことで調べものをしてたんですよ。」
管理官室へ向かう途中の上位管理官のレイティア様が私のことを見かけて、話しかけてくださる。
「あぁ、交換研修の。勉強熱心ね。わからないことがあれば、わかる範囲で教えてあげるのに。」
「うーん、まずは自分で調べて、それでもわからなければ、お聞きしようと思っていたので。」
だって、また臨時研修みたくなったら、皆に迷惑がかかっちゃうし、レイティア様は今、ここの管理官としての業務があるし…。
「この庭園の役職、区分特区、天族と
私が借りてきた本をざっと見て、感嘆する。
「役職を調べたということは、今の立場を解ったってことよね。」
「はい。まさか、こんな上の役職だなんて…。」
「そういえば、中央管理局の面々が会いたがってるんだけど…。」
「それはお断りできるのでしょうか?」
「まぁ、無理強いはしてないから大丈夫だと思うわよ。ところであとは何を調べてるの?」
「えっと、闇について調べてるんですが、よくわからないんです。」
「
「書物も特に見当たらなくて、中央に行けばあるのでしょうか?」
「中央にあるけど、秘匿事項の書物類だから、本来なら不可能よ。でも、今のアニスには閲覧は可能よ。」
「それは、やっぱり役職による権限でしょうか?」
「ええ、その通りよ。でも、役職の期間を終えた際に秘匿事項を知ることによって、監視者がつけられるかもしれないわ。」
中央に行くのも、何となく怖いものがあるし、監視者がつけられるのは絶対に嫌だな。
他の方法を探すしかないか…。
「書物で調べるのは諦めようと思います。監視者なんて怖いですから。」
「まぁ、半年間と言わず、そのまま役職を続ければ問題ないのよ。」
「無理です!無理して頑張っても半年が限度というか、半年続くかどうか心配です。」
レイティア様が、からかうような笑顔で私に話してくる。
「冗談よ。丁度、いい方がいるから紹介してもいいわよ。」
「えっ、本当ですか?是非、紹介してください。」
「魔族の方で、親しい方はいるの?」
「えっと、魔族の方々には、とても優しくして頂いてるのですが、そこまで親しい方はいらっしゃいません。」
「そうなの。まぁ、アニスの場合、私や主任、古竜さまと言った方との接点はあれど、魔族種とは作業以外では、あまり接点が無いからわよね。」
「はい。整備場の魔族の方々は、上空での大樹さまの剪定作業等が多いので、話す機会があまりないのです。」
魔族の方々は、大樹さまの剪定作業が主で、高い枝葉を空を飛んで外観を見ながらの作業をしているので、作業中の接点が少ないのです。
休憩時間もバラバラなのと同族の方が私に悪戯をした件で、少し距離を置かれてる様子なので。
「地下街の方々で、仲のいい方は?」
「皆様、良くしてくれるので、とても助かってます。色目を使ってくるような方もいなくなりましたし…。」
「なら、ここの地下にある基礎学校にいる瑠璃を訪ねてみるといいわ。」
「瑠璃さんって…、基礎学校のマドンナ先生ですよね?」
「あの方は、元々…ううん、なんでもない。とにかくいろいろと教えてくれると思うわ。」
「ありがとうございます。では、これから、本を片付けてから、行ってみたいと思います。」
この丘の地下にある基礎学校は、一回、見学に行ってみたけど、他種族のお子様たちに質問攻めにあったんだっけ…。
悪気が無いから、大変だったけど、助けてくれた先生だったかしら…。
妖艶な雰囲気を醸し出してるけど、どこか不思議な感じの魔族の方だった記憶がある。
とりあえず、学校の授業が終わるくらいに行ってみよう。
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